「おなか」
何でも相談室TUMMY CONSULTATION OUTPATIENT

「おなか」の不調
そのままにしていませんか?
その他、胃腸以外のことでも何でもお気軽にご相談ください
PLEASE DO NOT HESITATE TO CONSULT US

多くの方は、何気ないお腹の不調をそのままやり過ごすことが多いと思われますが、その陰に大きな病気が隠れていることもあります。
何気ない症状でもお気軽にお話しできる「お腹何でも相談室」で是非ご相談を!

誰しもが毎日欠かさず行う行為、それが食事です。
食事を毎日、多くの方が3食摂っているため、胃や腸は日々常に活動し続けています。
日常生活の中で、腹部の張りや胃の不快、下痢や便秘などのちょっとした「おなか」の不調を感じている方も多いのではないでしょうか?
ちょっとした不調のため、なんとなくやり過ごして生活している方やどのように対処して良いのか分からず、
どの医療機関に相談していいのか分からない方も多いのではないかと日々の診療の中で実感します。

胃や大腸の内視鏡検査を日々行っていると、胃や腸などのお腹の不調の原因の多くは、ストレスや疲れなどの精神的なことや暴飲暴食などの
日々の生活の乱れ
などから起こっていることが良く分かります。
実際に内視鏡検査をしてみると、胃痛の原因は胃が荒れていたり胃潰瘍ができたりしていることはむしろ少なく、
下痢や下腹の痛みなども大腸に炎症が起こっていたりすることはやはり少なく、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れから
引き起こされていることが大部分であることが分かります。

ハイビジョン内視鏡

ストレス胃炎の代表的な胃の画像がこのように赤い線状の発赤になります。胃痛の代表的な原因となります。

一度でも内視鏡検査を受けられて、我々医師が患者さんの胃や大腸の粘膜の状態をきちんと把握すると、
その方の胃腸の不調の原因が何であるかがきちんと分かりますし、その後の生活習慣の改善方法を提案することができ、
何より原因が分かることにより日々の不安からみなさまが解放されることが一番だと思われます。
原因が分からず日々不安な気持ちで過ごし、病院で処方された薬や市販薬をなんとなく服用し続けるのではなく、
原因がはっきりしたならば、生活習慣の改善を優先し、不調なときだけ適切なお薬を最小限・短期間だけ服用し、
ダラダラと不要な薬を服用し続けないのが正しいお薬の飲み方です。

ほとんどの場合、日常生活の少しの改善の継続で薬を服用せずに済むこともできますし、
改善の具合によっては生活習慣病の薬の量を減らすこともできる可能性も出てきます。
生活習慣を何も変えずに、薬だけ服用し続けることで血圧やコレステロール値が安定したり、逆流性食道炎の症状が治まっていたりすることは、
決して良い習慣とは言えません。

ハイビジョン内視鏡

逆流性食道炎の内視鏡画像です。
胸焼けやゲップなどの症状が出ることがありますが、生活習慣の改善と日々のちょっとしたコツで内服治療が不要になることがほとんどです。

一生薬を服用する必要は基本的にはありません。

人間ドックなどの検診結果で経過観察と書いてあったが、本当にこのまま経過観察するだけで良いのか不安に思っている方も多く目にします。
そのような日々の小さな不安を相談できる外来があると、ちょっとした気になることでも気軽に相談でき、
それによって不安な気持ちがなくなり、日々楽しく、そして安心して過ごして頂けるのではと考えております。
我々は日々の診療の中で患者さんから自分の事だけで無く、ご家族・ご友人の事など健康に関する様々な事柄を相談される機会が多くあり、
少しでも患者さんの不安な気持ちがなくなるように、解決策を提案し、専門外のことでも良い方向性の提案ができるように日々勉強や情報収集に努めております。
特に、専門である「がん」の情報に関しましては胃腸以外のことでも、
また「アンチエイジング」「ダイエット」「食事の習慣」「生活習慣病」「人間ドックの採血や画像診断の検診結果異常」などの事も
お気軽にご相談いただければと思います。

日々の診療の中でよく質問される項目を下記にまとめましたので、当てはまることがございましたら是非ご相談いただければ、
個々の状況や体の具合に合わせてアドバイスさせていただき、一緒に良い方向への解決策をご提案、実行していければと思います。
下記例にないような事項でも遠慮なく、お気軽に相談して頂ければ全力で解決策を一緒に考えさせて頂きます。

「薬だけをダラダラ飲み続ける現在の古い医療体質をみんなで変えていきたい」
「今後、確実に増え続ける日本の医療費を減らしていきたい、減らさないといけない」
と強く心に思っています。

当院にご来院ください!

医師と患者が向き合う様子

おなかの症状が気になる方、もっとちゃんと相談をされたい方はいつでも当院へご来院ください。
当院は消化器領域に特化したクリニックとして患者様の一つ一つの消化器症状に丁寧に向き合っていきます(消化器内科の受診扱いとなります)。
些細な症状でも全く問題ありません。おなかのことでお困りの際にはいつでも当院へご来院ください。
皆様とお会いしお腹の健康に向けてサポートができることを楽しみにしています。また、当院は完全予約制となり院内でお待たせさせてしまうこともほとんどありません。
便利に気軽に、いつでもお越しいただくことが可能です。

外来でよくご相談を受ける、厳選された30の項目で徹底解説します
THOROUGH EXPLANATION

01

急な症状について

  • 相談01

    急な腹痛でどうして良いか分からず、苦しんでいます。すぐに診てくれますか?

    ご提案

    腹痛や背中の痛みの原因は非常に多岐にわたり、色々な病気の可能性が考えられます。代表的な病気として

    • 01

      急性胃腸炎

    • 02

      胃・十二指腸潰瘍

    • 03

      ストレスなどによる胃や腸の痙攣

    • 04

      虫垂炎

    • 05

      憩室炎

    • 06

      尿管結石

    • 07

      アニサキス症

    診察、問診を行えば、腹痛や背中の痛みの原因の絞り込みがかなりでき、どのような検査をしていけば良いかの判断もできます。
    食事をしてから2,3時間ほど時間が経っていれば胃カメラも行うことができます。検査枠に空きがあれば当日の胃カメラも可能ですので、まずはお電話していただき、ご来院して診察させていただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    前日夜にお鮨やさんで青魚のお刺身を食べて、夜中から周期的に激痛が胃のあたりに出てきたということで翌朝来院されました。
    問診、腹部診察でアニサキス症を疑い、すぐに胃カメラ行いましたところ、予想通りアニサキス虫体が胃の中に食い込んでいました。アニサキス虫体が胃の粘膜の下に潜ろうとするときに激痛が生じます。
    まさにアニサキス虫体が激痛の原因でした。

    ハイビジョン内視鏡

    鉗子でアニサキス虫体を抜去してしまえば、その瞬間からあれほどまで凄まじかった激痛から解放されます。
    アニサキス虫体は抜去後もまだ生きていますので、回収してホルマリンに入れます。

  • 相談02

    急な嘔吐と下痢の症状が出てきて、辛いのでなんとかして欲しいです

    ご提案

    急な嘔吐と下痢の症状であればウィルスや細菌の感染で起こる急性胃腸炎の可能性が高いと思われます。症状の緩和には水分補給が必要ですが、症状のひどい時には口からの水分摂取が難しいと思われます。点滴による脱水改善と胃腸の動きを整えることが症状緩和につながりますので、当院受診での点滴治療をお勧めいたします。まずは受診されて、診察、問診させていただければと思います。

  • 相談03

    胃痛や下腹部痛が時々あったり、下痢と便秘を繰り返すことが多いのですが、何か病気が隠れているのではないかと心配です

    ご提案

    腹痛や下腹部の張り、下痢を繰り返すことなどの原因では、ストレスや疲れなどの神経的なことが最も多く、次いで暴飲暴食などの食生活の乱れから生じてきます。症状の原因が実際に病変から生じているのではない(病気がない)ことを確かめることが非常に重要となりますし、病気がないことが分かれば精神的にも安心して症状が改善する方も多く目にします。まずは受診されてご相談いただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    実際に病気がないかどうか大腸内視鏡検査を行いましたところ、がん化する可能性の高い大腸ポリープが偶然見つかり、その場で内視鏡で切除できました。

    参考サイト
    胃の痛みや不快は「機能性ディスペプシア」、便秘や下痢、下腹部の張りなどは「過敏性腸症候群」が大部分の原因であることをご存じですか?

02

食道について

  • 相談04

    普段からお酒が好きで、お付き合いでお酒を飲む機会も多くあります。芸能人や歌舞伎役者の方などで食道がんのため亡くなったという報道も時々耳にしますが、お酒と食道がんはやっぱり関係がありますか?

    ご提案

    食道がんと飲酒・喫煙はかなり密接な関係があることが国立がん研究センターの発表データなどで科学的に証明されています。お酒を毎日3合以上飲まれる方は、全く飲まない方に比べて60倍以上も食道がんになるリスクが高くなるとも言われています。お酒を飲んで顔が赤くなる「フラッシャー」と呼ばれる体質の方は食道がんになるリスクが高くなるということが分かっておりますので、特に注意が必要です。お酒が好きな方、禁煙ができず喫煙を続けている方などは特に注意して40歳以上になったら定期的に胃カメラを受けられることをお勧めいたします。検査間隔や検査の際に注意して診ておくポイントがいくつかありますので、ご相談いただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    早期食道がんの内視鏡画像です。食道がんはルゴールと呼ばれる特殊染色をすると不染帯(白っぽく浮かび上がる)として認識されます。このように粘膜の微細な変化のみの早期段階で症状が出ることはまずありませんが、定期的な内視鏡検査を受けることで早めに見つけることができれば内視鏡治療で完治することが可能となります。

    参考サイト
    食道がんと飲酒・喫煙との密接な関係をご存じですか?
  • 相談05

    胸焼けやゲップが出ることが多く、逆流性食道炎の診断で内服薬を継続して服用しています。このまま薬を服用し続けないといけませんか?薬を飲むことは面倒ですし、通院する時間もあまりないためなるべく薬を服用したくありません。

    ご提案

    胸焼けやゲップの症状は確かに逆流性食道炎の症状ですが、これも大部分が生活習慣の乱れから生じています。逆に言いますと生活習慣の改善で内服薬を服用しないで済ますことが可能です。生活習慣の改善の仕方や腹式呼吸のやり方などアドバイスさせていただければと思いますので、まずはご相談ください。

    ハイビジョン内視鏡

    逆流性食道炎大部分が生活習慣の乱れや加齢による食道と胃の境い目の筋肉のゆるみから生じます。生活習慣の改善や腹式呼吸により内服薬をダラダラと服用しないで済むことが多いことが今までの診療経験で実証済みです。

03

胃について

  • 相談06

    最近、胃もたれや胃痛が多くやガスが貯まりやすくなっています。何か胃腸に異常があるのでしょうか?

    ご提案

    胃もたれの多くは胃の動きが悪くなって起こる機能異常のことが多く、胃痛の大部分はストレスや暴飲暴食などから起こる胃の痙攣のことが多いと長年の臨床経験より実感しております。また、ピロリ菌が現在いる、または過去にいた胃の粘膜は萎縮している(薄くなっている)ことが多く、胃酸の出が悪く消化が悪いことが分かっています。不消化な状態が続くと胃もたれの症状が出ることが多くなりますが、そのために胃薬を常用する必要はなく、症状が酷いときだけ内服薬を頓服するのが胃薬の適切な服用の仕方だと思われます。特に、胃酸が出にくい萎縮のある胃にガスターなどの胃酸を抑える薬を処方されている方を多く目にしますが、内服することによりさらに消化が悪くなり、不消化な状態のままですと、腸にガスがたまるようになり、お腹の張りを感じるようになる方も少なくありません。胃カメラで胃の状態を一度、確認しておけば、その方に合った胃薬が分かりますので、適切な薬を手元に持っておいて、症状の悪い時だけ服用するのが正しい胃薬の服用の仕方です。そうすれば、その都度医療機関を受診しないで済み、無駄な時間もお金もかかりません。

    ハイビジョン内視鏡

    このようにピロリ菌感染のため胃粘膜が萎縮(薄くなる)すると胃酸の出が悪くなり、不消化な症状である胃もたれや不消化によるガスの貯留などの症状が出てくることがあります

  • 相談07

    会社の検診で、ネットに「楽だ」と書いてあった「経鼻内視鏡検査」を選択して胃の検査を受けていますが、結構つらくて苦しいのと、検査までの前準備がかなり大変なのですが、画質の精度的にも口からの内視鏡と比べて大丈夫かなという不安もあります。

    ご提案

    「経鼻内視鏡検査」はカメラの太さを細くすることにより鼻から挿入することができ、舌の根本を通らないため「オエッ」となる喉の反射が比較的少ないという宣伝文句で広く普及してきたという経緯があります。実のところは鎮静剤を使用しないため、検査中は鼻の痛みやお腹の膨張感などを常に感じてしまい、結構辛くて苦しい検査であるということが実際に検査を受けてみた方は分かると思います。昔の鎮静剤を使用しない口からの内視鏡に比べると少しは「楽」というのが正直なところです。
    一番の問題は、狭い鼻の穴から入れるためにカメラの太さを細くすることにより犠牲となったレンズの小ささや胃の中を照らす光源が小さくなることによる画質の悪さや明るさの低下です。胃カメラで一番大切なことは、食道や胃の中を高画質で詳細に観察して、食道がんや胃がんを早期発見し、早期治療につなげることです。そのためには、高画質で100倍拡大機能付きのハイビジョン内視鏡での精密検査をお勧めしております。
    意外と知られていないのが、「経鼻内視鏡検査」の検査までの前準備がかなり大変なことです。鼻の穴の中に表面麻酔ゼリー付きの管を長時間入れておかないといけないのは結構辛くて、苦しいことです。この「経鼻内視鏡検査」と「ハイビジョン内視鏡検査」の違いなども、ご希望に合わせて外来で説明させていただきますので、遠慮なく仰ってください。

    ハイビジョン内視鏡

    早期胃がんは初期の段階ではこのように僅かな色調の変化(白っぽく退色している)のみの事が多く、ハイビジョン内視鏡の高画質な解像度が病変発見にかなり威力を発揮します。

    参考サイト
    当院の胃内視鏡検査の特徴
    「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」と「経鼻内視鏡検査」は何が違うの?
  • 相談08

    鎮静剤を使用する胃カメラと鎮静剤を使用しない胃カメラでは何が違うのですか?

    ご提案

    鎮静剤を使用しない代表的な検査方法として「経鼻内視鏡検査」が挙げられます。鎮静剤を使用しないと「オエッ」となるような喉の反射があり、苦しく、辛い検査となることが少なくありません。鎮静剤を使用し軽くウトウトしながらの検査ですと喉の反射もなく、楽に検査が受けられるだけでなく、検査する側も胃の中に空気を十分に入れることができ、きちんと胃のヒダとヒダの間を観察することができ、十分に観察できないストレスを感じません。胃カメラで最も大事なことは胃の中に十分な空気を入れて、ヒダとヒダの間まできちんと隅々まで観察し、胃がんや食道がんを早期の段階できちんと見つけ、早期治療につなげるということです。そのためには軽い鎮静剤を使って、苦しさと痛みに配慮した状態で検査を受けていただき、十分にきちんと観察できるのが最も良いかと考えられますが、鎮静剤使用にはかなりの熟練が必要であり、かつ検査後に1時間ほどお休みするリカバリールームが必須となりますので、お部屋をきちんと確保できるかどうかという問題と鎮静剤をきちんと使用できる十分な技術があるかの問題もでてきます。鎮静剤をきちんと扱えるだけの経験を十分に積んでおらず、そしてリカバリールームを確保するスペースがクリニックにないがために鎮静剤を使用できず、やむなく「経鼻内視鏡検査」を導入する施設が多くなっているのが現状です。

    ハイビジョン内視鏡

    鎮静剤を使用しないで空気を入れていくと胃が張り裂けそうな膨張感を感じてくると自然とゲップが出てしまい、胃が十分に膨らまず、ヒダとヒダの間がきちんと観察できないまま検査が終わってしまいます。

    ハイビジョン内視鏡

    軽い鎮静剤を使用してウトウトした状態で胃カメラを行うと、十分に空気を入れることができ、ヒダとヒダの間も詳細に観察することが可能となります。胃はヒダがものすごく多くあるので、十分に空気を入れないと微小な胃がんはヒダとヒダの間に容易に隠れてしまいます。

    参考サイト
    鎮静剤を使用する、内視鏡検査のメリットとデメリットについてご存じですか?
    「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」と「経鼻内視鏡検査」は何が違うの?
  • 相談09

    人間ドックの胃カメラがとても辛くて苦しいのですが、これが普通なのだと思い我慢していますが、もっと楽に受ける事はできないのですか?

    ご提案

    会社の検診や人間ドックなどの胃カメラは大人数を短時間でさばかないといけないため、どうしても流れ作業的な検査となってしまうことはある意味仕方のないことだと思われます。一人一人をきちんと認識して、「過去の胃カメラ所見と比較してどう変化したか?」や「胃痛の原因や胃もたれの原因が何なのか?」「ピロリ菌はいるのか、いないのか?」などを考えながら検査するという感覚・時間・気遣いなどがないのが正直なところです。人間ドックや検診の胃カメラ検査は多くが、アルバイトの医師の一時的なマンパワーで成り立っていることが多く、胃カメラをやる側の医師もどうしてもバイト感覚になってしまうことは仕方のないことだとも言えます。私も過去に何度も検診の胃カメラのアルバイトをした経験がありますが、多くの受診者を流れ作業的にさばかないといけないため、胃カメラ1件あたりの制限時間が指示されます。おおよそ、1件あたり2,3分です。「大きな病変がなければそれで良いから、とにかく人数をさばくように」と言われたこともあります。確かに1件あたり2,3分の検査時間では細かい微細な病変まで見ている時間はないのが実際のところです。それ以来、検診の胃カメラバイトに嫌気がさして、決して依頼があっても行かなくなりました。
    きちんと丁寧に検査できない上に、一人一人に苦しさと痛みに配慮したように工夫することさえなく、工夫する時間さえ与えられないため、「オエッ、オエッ」となりながらの苦しくて、辛い検査となってしまっては何の意味があるのかとさえ思ってしまいます。
    「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」であれば、十分な検査時間のもとハイビジョン内視鏡できちんと詳細に観察することができますし、軽い鎮静剤の使用で「オエッ、オエッ」なるような苦しい検査になることは決してありません。一人一人の過去の内視鏡所見と比較したり、胃の不調の原因をきちんと考えながらの検査を行うことが可能となります。

    ハイビジョン内視鏡

    「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」で使用しているハイビジョン内視鏡であれば、きちんと丁寧に時間をかけて検査を行いますので、このように粘膜の微細な変化のみの早期食道がんも認識可能となります。

    ハイビジョン内視鏡

    ルゴール特殊染色を行うと食道がん部分が白く抜けて、よりはっきりと病変部分が認識できるようになります。

    参考サイト
    「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」と「経鼻内視鏡検査」は何が違うの?
    「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」と「検診での流れ作業的内視鏡検査」ではどのような違いがあるの?
  • 相談10

    テレビの健康番組などで「ピロリ菌」という言葉を耳にすることが多くなってきましたが、私はピロリ菌に感染しているのかどうかを調べることはできますか?

    ご提案

    ピロリ菌は胃カメラをすれば、長年の熟練した観察眼があれば95%程度は胃粘膜を診ただけで「いるか、いないか」の判別ができます。残りの5%程度は内視鏡的には「いない」と思われるが、実は「いた」やその逆もあります。しかしながら、胃カメラの数を多く経験している内視鏡医であれば、胃カメラでの胃粘膜の状態でほぼ「いるか、いないか」の判別は可能です。
    ピロリ菌が胃がんの原因の多くを占めるため、「感染しているか、していないか」を知ることは非常に大切なことですが、ピロリ菌にだけ固執して、肝心の胃がんが「あるのか、ないか」を調べることの方が大切だということを忘れている方を多く目にします。胃カメラの一番の目的は胃がんを早期段階で発見するということであり、胃粘膜の状態をきちんと確認するということです。
    ピロリ菌感染の有無で大きく胃がんになるリスクは変わってきますので、ピロリ菌感染の有無を知ることは勿論大切なこととなりますが、きちんと胃カメラを行い、胃がんが「あるか、ないか」の確認をした上でのピロリ菌感染の有無だと考えております。ピロリ菌感染がなくても、勿論胃がんは発生しますので注意が必要です。

    ハイビジョン内視鏡

    ピロリ菌未感染の胃に発生した胃がんです。

    参考サイト
    ピロリ菌検査・除菌治療

04

大腸について

  • 相談11

    最近、時々排便時に血便があるので、大腸がん?大腸ポリープ?痔?と心配ですが、一度きちんと相談したいのですが。。。。

    ご提案

    排便時の出血は頻度的には、日本人に多いイボ痔(内痔核)が切れることにより出血することが多いですが、かなり進行した大腸がんや特殊な腸炎である潰瘍性大腸炎などの病気が隠れていることもあります。一度、大腸内視鏡検査などできちんと腸の状態や痔がないかどうか調べることを是非お勧めいたします。
    まずは、いきなり検査ではなく、相談で外来に来ていただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    肛門近くの直腸にできた直腸がんです。血便が続くために受診されました。写真のようにかなり進行した状態になってしまうと血便などの症状がようやく出てきます。写真を見ても出血している様子が見てとれます。

    ハイビジョン内視鏡

    特殊な腸炎である潰瘍性大腸炎の内視鏡画像ですが、排便時の血便や粘液便などが特徴的な症状となります。安倍元総理が患っていた病気でもあります。

  • 相談12

    大腸がん検診と表記があるので、それを信じて大腸に関しては便潜血検査だけを行っていますが、先日私と同様にこの検査だけを受けていた友人が大腸がんで亡くなったので、この検査だけで本当に大丈夫か不安に思っています

    ご提案

    便潜血検査は便の中に血が混じっていないかどうかを診るための検査であり、直接大腸がんを調べている訳ではありません。便潜血検査を大腸がん検診と表記をしていることにより「じぶんはきちんと大腸がん検診を行っている」という大きな誤解を生じてしまうことが多くなっていることが大変大きな問題といえます。粘膜表面の崩れのほぼない大腸ポリープや早期大腸がんでは便潜血検査が陽性になることはほとんどないとされており、進行大腸がんの状態でもがん表面の粘膜の崩れが少なければ出血することはなく、便潜血検査は陽性とはなりません。死因の男性が第3位、女性が第1位となっているほど症状が出にくく亡くなってしまう人が増えており、罹る人の増加も著しい大腸がんですので、40歳を過ぎたら精度の低い便潜血検査ではなく、一度は大腸内視鏡検査を受けられることを強くお勧め致します。便潜血検査のみしかしていなく、血便などの症状が出て初めて内視鏡検査を行い、進行大腸がんで発見されて命を落とされた方を数多く見てきました。進行大腸がんで発見されたご本人もご家族の方も「毎年きちんと便潜血検査を受けていたのに。。。。なぜ?」というお声も多く聞きました。便潜血検査しかしたことのない方は一度外来で検査の概要だけでも聞いていただければと思います。お気軽にご相談ください。

    ハイビジョン内視鏡

    早期S状結腸がんの内視鏡画像ですが、このように粘膜表面の崩れがない状態であれば便潜血検査はまず陽性にはなりません。この方も毎年会社の検診で強制的に便潜血検査をさせられており、毎年陰性で安心していたそうですが、当院で大腸内視鏡検査を行ったところ早期の大腸がんがこのように見つかり、当院の日帰り内視鏡治療で完治しております。やはり早期発見・早期治療がとても大切なことだと言えます。

    参考サイト
    大腸がん検査を便潜血検査だけで済ませていませんか?
    当院の大腸内視鏡検査の特徴
  • 相談13

    他院で大腸ポリープ切除の際には入院しないといけないと言われましたが、仕事も家庭も忙しく、金銭的な面でもできれば入院したくありません。。。。

    ご提案

    以前より大腸ポリープ・早期大腸がんの内視鏡的切除=入院というのが医療者および患者さん共に、当たり前の事柄として認識されていましたが、当院では患者さんの肉体的・精神的・金銭的負担を軽減するために、入院しての内視鏡治療が必要と判断した病変以外のほとんどの大腸ポリープや早期大腸がんに対しては1回の内視鏡検査での日帰り内視鏡手術を基本としております。他院で入院ではないと切除できないと言われた大腸ポリープや早期大腸がんに対しても積極的に日帰り内視鏡手術を行っておりますので、本当に入院が必要なのか、実は病院都合での入院切除だけなのかの判断も内視鏡写真や実際の内視鏡検査で判断することも可能となっておりますので、まずはご相談していただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    多くの医療機関で大学病院でさえも入院でしか切除できないと日帰り内視鏡手術を断わられた早期大腸がんの内視鏡画像です。小さいお子さんがいらっしゃるため家庭的事情でできたら入院しないで切除して貰えたらとのことであったため、40mm近くあり出血のリスクが高い病変ですが、出血しない最大限のリスク管理をし、様々な工夫をこらし、患者さんの希望する外来日帰り治療を完遂しました。

    参考サイト
    当院での大腸ポリープおよび早期大腸がんの内視鏡切除の実際
  • 相談14

    以前、近所のクリニックで大腸内視鏡検査を受け、大腸ポリープが見つかりましたが、その場では切除できず、大きな総合病院を紹介され、まずは外来受診をして、さらに別日に大腸内視鏡検査を行い大腸ポリープ切除してもらいました。二度手間、三度手間でお金も時間も多くかかってしまい、精神的も肉体的にも疲れました。一度の大腸内視鏡検査で大腸ポリープを切除して、1回で終わらせてもらうことはできませんか?

    ご提案

    大腸内視鏡検査のみを行い、大腸ポリープ切除は他の病院へ紹介するというクリニックが少なくありませんが、患者さんの金銭的・肉体的・精神的負担を考えますと、一度の検査で切除まで終わってしまうのが理想的だと考えております。当院では患者さんの事を第1に考え、かなり大きな大腸ポリープでも様々な工夫と技術力でその場で切除し、一度の大腸内視鏡検査で済ませられるように努めております。「当院での大腸ポリープおよび早期大腸がんに対する内視鏡切除術の実際」のページで詳細に解説しておりますので、一度ご覧頂き、外来などで分からない点・疑問点などご相談いただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    ハイビジョン内視鏡であればこのような微細な粘膜の変化だけしか示さない大腸ポリープも容易に発見することが可能となります。

    ハイビジョン内視鏡

    インジゴカルミン特殊染色を行うと大腸ポリープがハッキリと描出されます。以前はこのようなポリープは過形成ポリープと呼ばれ切除の必要性がないとされていましたが、最近になりこのような形態の大腸ポリープは鋸歯状病変と呼ばれ大腸がんに進展する可能性があることが分かってきました。このようなポリープの存在を知らないドクターも少なくないと聞きますので、注意が必要です。当院では、詳細に観察して、切除する必要があると判断しましたので、その場で内視鏡切除を行いました。

    参考サイト
    当院での大腸ポリープおよび早期大腸がんに対する内視鏡切除術の実際
  • 相談15

    長年の便秘で市販の下剤を服用していますが、なんとか自力で便が出るようになりたいと思っています。何か良い方法はありませんか?

    ご提案

    便秘や下痢などの便通異常で悩んでいる人は多く、日本人の3割の方が何らかの便通異常を抱えていると言われています。特に、女性の方を中心に便秘で悩まれている方やなんとなく市販の便秘薬で済ませている方も多く目にします。便秘はちょっとした生活習慣の改善などで、かなり良くなる方を今までの診療で多く見てきました。ちょっとした生活改善のコツなどがありますので、外来で一度ご相談いただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    市販の下剤や医療機関で処方される刺激性下剤を長期間服用し続けていると大腸の粘膜が真っ黒になり「大腸メラノーシス」と呼ばれる状態になってしまいます。この状態が続くと次第に腸の動きが悪くなり、益々便秘が悪化してしまうことになり、ついには下剤を服用しても排便が困難な状態になってしまう可能性もありますので注意が必要です。

    参考サイト
    便通異常外来

05

女性特有の病気について

  • 相談16

    子宮がん検診のついでで便利なので、婦人科で乳がんの乳腺検査を受けていますが、このまま婦人科で受けてても問題ないですか?

    ご提案

    乳腺の専門のドクターは乳腺外科専門医です。市町村の検診の一環としてマンモグラフィーなどの乳腺検査を婦人科で行っている施設がありますが、出来れば乳腺外科専門医のいる乳腺クリニックなどで乳腺チェックを受けることをお勧めいたします。婦人科のドクターはあくまで、婦人科専門医であり乳腺専門医ではありませんので、注意してください。
    マンモグラフィーは乳がんの中でも白く描写されやすい硬いがんを検出することが得意ですが、乳腺密度の高い比較的若い世代では密な乳腺組織にがんが隠れてしまい、乳がんが描出されにくいことが弱点として指摘されています。必ずその弱点を補うために乳腺エコーも併用するように気をつけてください。

    乳腺MRIは精度が高く、マンモグラフィーのように乳房を挟まないため痛みもなく、被ばくもしないため今後の活用が期待されます。しかしながら、撮影に時間がかかるため多くの人をさばかないといけない検診には不向きとされており、さらに料金も高いため普及しにくい現状がありますが、精度は一番高いとも言われています。提携の画像専門医療機関での乳房MRIも撮影可能ですので、外来でご相談いただければと思います。

06

生活習慣について

  • 相談17

    嘔吐や下痢などの胃腸炎にかかることが年に数回あり、胃腸に何か問題があるのではと心配しています。風邪にも罹りやすいので、何か体に問題があるのでしょうか?

    ご提案

    胃腸炎や風邪の大部分の原因は口からのウィルスや細菌の感染です。胃腸に何か問題があるというよりは、疲れやストレス、睡眠不足などからの免疫力の低下でウィルスや細菌の侵入を許してしまうということが最も考えられます。感染しないために免疫力を高める対策をすることが一番です。
    そのためには、
    ①がんや病気の元なる活性酸素を消してくれる高濃度ビタミンC点滴を定期的に受けたり、日々ビタミンCのサプリメントを摂取する
    ②免疫力を上げるビタミンDのサプリメントを摂取する
    ③抵抗力をアップしてくれる自分に合った漢方薬を服用する
    などがとても大事になってきます。
    色々な対策がありますので、外来でその人の体質や体格などに合わせた方法をご提案できたらと思いますので、まずはご相談ください。

    私も高濃度ビタミンC点滴を1ヶ月に1,2回行っていますが、点滴するようになったこの6年間、風邪にも胃腸炎にも罹っていませんので、時間の無駄がなく過ごせています。風邪で寝込むのは人生において大いなる無駄な時間だと認識しています。

    参考サイト
    高濃度ビタミンC点滴療法
  • 相談18

    最近のテレビの報道で、大腸がん・乳がん・前立腺がんが急速に増えているとよく耳にしますが、どうしてそんなに増えているのですか?何か対策はありますか?

    ご提案

    以前は日本には少なかった大腸がん・乳がん・前立腺がんですが、最近報道にもある通り急激に増加の一途をたどっています。10〜20年前のアメリカでの増加の後追いをしているかのようです。そこに増加している原因の鍵が隠されています。やはり食習慣の欧米化による加工肉や乳製品の摂取による動物性脂肪摂取の増加、糖質の過剰摂取による内臓脂肪が増えることでの肥満などが大きく関与していると推察されます。太らないように糖質摂取をなるべく控える、動物脂肪摂取を抑えるために乳製品や加工肉などの摂取を控えるなど、普段の生活において少し意識するようにするだけでこれらのがんに罹るリスクを大きく下げることも可能と思われます。さらに、大腸内視鏡検査や乳腺検査、前立腺がんの腫瘍マーカー検査などを定期的に行う事により、早期発見・早期治療につながりますので、一度外来でご相談いただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    このぐらい大腸がんが進行してしまっても便の通り道が写真のようにまだまだ空いていますので、症状は出ないことがほとんどですので注意が必要です。

    参考サイト
    近年急激に増加している大腸がん・乳がん・前立腺がんは生活習慣病であることをご存じですか?
  • 相談19

    最近、体重が増えてきて年々お腹周りや下腹が出てきて気になっていますが、きちんとしたダイエット方法が分からず、なかなか体重が減らず悩んでいます。そんなに食べてないと自分では思っているのですが。。。。

    ご提案

    人は当たり前ですが、代謝が年齢と共に徐々に低下してきますので、今まで通りに食事をしていたら自分の意志とは反して確実に太っていきます。「別に最近食事量が増えた訳でもないし、そんなに多く食べていないのに。。。。なんで太るのかな?運動不足?」というのは大きな勘違いです。内臓脂肪を減らすためには、食事と運動のやるべき割合をきちんと理解して、糖質制限を中心とした食事の管理を徹底して行う必要があります。そこに適度な運動を組み合わせていきますが、なかなか一人で行うことが難しい場合はライザップなどのプライベートジムで短期間食事と運動をパーソナルトレーナーに管理してもらうのも一つの有効な方法だと思われます。当院はライザップと業務提携をしておりますので、通常の料金より5万円引きの料金にてトレーニングを受けていただくことが可能となっております。当院の平島医師もライザップにてトレーニング体験しておりますので、実体験者としてアドバイスさせていただければと思います。まずは、ご相談ください。

    平島医師のストレスなどから食べることに逃げてしまい、最も太っていた時期の写真です

    ライザップでの2ヶ月間のトレーニング後の写真です。誰でも真剣に取り組めば成果が確実にでることは実証済みです。

    参考サイト
    ダイエット企画 ライザップへの挑戦

07

人間ドックや検診について

  • 相談20

    胃がんの検査として胃レントゲン検査だけを取りあえず会社の検診で受けていますが、本当にこれで良いのか知りたいです

    ご提案

    胃レントゲン検査はレントゲンを服用し、放射能を照射して胃の凹凸のみで判断して食道がんや胃がんを見つける検査です。いわゆる「影絵」の原理なのです。早期段階の胃がんでは凹凸になることは少なく、「影絵」の原理である胃レントゲン検査での発見は困難と言われています。胃がんがかなり進行して凹凸がはっきりしてくると、ようやく胃レントゲン検査でも分かるのです。ましてや、一瞬でレントゲンが通過する食道では、色調の変化だけの早期食道がんを見つけることはまずできないとされています。早期発見・早期治療のためには直接胃や食道の粘膜を観察することができる胃カメラを定期的に受けられることをお勧めします。胃レントゲン検査で一番の問題と言われているのが病変発見のための精度の低さと「被ばく」するということです。中でも被ばくは体全体の発がんにつながりますので、特に注意が必要です。

    ハイビジョン内視鏡

    1ヶ月前に会社の検診で胃レントゲン検査を行い「異常なし」の所見でしたが、胃の不快が続くため当院受診されました。今までに胃レントゲン検査しかしたことがなかったため胃カメラを行いましたところ、早期胃がんが見つかりました。やはり「影絵」の原理である胃レントゲン検査ではこのような凹凸のある早期胃がんですら拾い上げれない可能性もありますので注意が必要です

    参考サイト
    人間ドックや会社の健康診断などの胃レントゲン検査だけで済ませていませんか?
  • 相談21

    取りあえず会社の検診や人間ドックを受けていますが、これで「がん」の早期発見は完璧でしょうか?

    ご提案

    会社の検診や人間ドックで行われている検査の多くは生活習慣病がないかどうかを見つけるための検査であり、がんを早期で見つけるための精密検査ではない側面があります。多くの集団の中から生活習慣病やがん(多くはかなり進んでしまっている状態のがんで見つかることが多いですが)の疑いのある可能性の人を拾い上げていくのが本来の検診の目的です。ごく早期のがんを見つける目的の精密検査という面では会社の検診や人間ドックの90%程度は意味がないと言い切ることもできます。肺がんを見つけるための胸部レントゲン写真なども2cm程度の大きさに肺がんが成長しないとなかなか見つけ出すことが困難であるとも言われています。膵臓がんにしても、検診などでは腹部エコー検査が行われていますが、腹部エコーは実際に検査を行う医師や技師の技量差がかなり大きく関わってきますし、膵臓の大部分は消化管のガスにより描出できないというのが事実としてあります。検診の結果表の腹部エコー欄の所に「膵臓:一部描出不良」と書かれているのをよく見かけると思いますが、まさにこれが先に述べたことです。体のあらゆる臓器のがんを早期発見するにはその各臓器の特性に合わせた適切な検査をそれぞれオーダーメイドで行っていくしかありません。この適切な検査なども、外来でご説明できたらと思います。

    肺がんの早期発見には胸部CTが威力を発揮し、数ミリのがんでも発見できる解像度を備えています。

    腹部CTも腹部の臓器をかなりの精度で診ることができます。

    参考サイト
    一般的な検診で分かることとその限界知っていますか?
  • 相談22

    テレビの健康番組やネットの情報などでがんの事が気になり何か検査を受けてみようかと考えて、ネットなどで色々検索していましたら、PET(ペット)という検査がでてきました。かなり高額な検査ですが、がん検査として高額なお金をかける価値はありますか?

    ご提案

    PET検査はブドウ糖に放射性物質を組み込んだFDGと呼ばれる物質を体内に注射します。がんがブドウ糖を多く消費するという原理を利用して、ブドウ糖を含んだ放射性物質がどのくらいがん細胞に取り込まれるかを数値化して、画像として表現するという検査です。元々、PET検査はCTやMRIなどの画像検査でさえなかなか捉えにくい「がんの再発」や「リンパ節・腹膜転移」を検索するための検査であり、早期のがんを見つけるがん検診のための検査ではありません。特に、食道・胃・大腸などの消化管や肺や肝臓などには早期段階ではブドウ糖が集まらないためPET検査は全く役立たないと言われています。腎臓や膀胱などの泌尿器系のがんも見つけにくいとされています。また、放射性物質を体内に注射するため「被ばく」という問題も出てきます。最近ではPETとCTを組み合わせて画像を比較しながら「がん」があるかないかを診るPET/CTという検査が主流になってきており、PET検査の欠点をCT検査で補うようになってきておりますが、胃や大腸、食道などの消化管のがんは初期段階では粘膜の微細な色調の変化のみであるためCTやPETでは認識できませんので注意が必要です。どのような方にどのような場面でPET検査が適しているのか、外来でお話しさせていただければと思います。

    PET画像とCT画像を組み合わせて、PETの弱点を補う工夫がされるようになりましたが、消化管の早期がんや肺、肝臓のがんは早期では描出が難ずかしくなっております。

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    早期胃がんの内視鏡画像です。このように微細な胃の粘膜の変化(退色しているのみ)だけの消化管のがんはPET検査でもCT検査でも認識することはまずできませんので注意が必要です。

    参考サイト
    PET検査は「がん」を早期で見つけるための「がん検診」には適していないことをご存じですか?
  • 相談23

    会社の人間ドックで「直腸診」というお尻を出して、肛門に指を入れられる検査が自動で付いてきており、毎年非常に恥ずかしい思いをしながらも仕方なく受けていますが、やるべき検査なのでしょうか?

    ご提案

    正直受ける意味は無い検査です(笑)。よーく考えてみても、人差し指の長さわずか5cm程度の範囲を指の感触だけで調べる検査なので、もういい加減無くなるべき昔の検査です。大腸内視鏡検査が普及していない時代の取りあえず肛門の近くだけでも調べておこうという古い古い昔の検査です。流れ作業的な検診で思考停止になっている人が受ける検査ですので、受けるのは即刻止めて、定期的に大腸内視鏡検査をきちんと受けるほうが賢明だと思います。
    国立がん研究センターのホームページにも「大腸がん検診としての実施は勧められません」との記載があります。

    ハイビジョン内視鏡

    イボ痔(内痔核)ぐらいは分かりますが、大腸がん検査ではありませんので、注意が必要です。

    参考サイト
    大腸がん検査としては全く意味のない直腸診を、検診などの流れ作業でなんとなく受けていませんか?

08

採血項目について

  • 相談24

    人間ドックや会社の検診の採血でCEA、P-53、CA-19-9、CA-125などの腫瘍マーカー検査で異常値がでて、要精査と言われました。私は「がん」なのでしょうか?

    ご提案

    腫瘍マーカーは基本的には「がん」を早期で見つけるための検査ではありません。検診や人間ドックなどでわざわざ高額な追加料金を払って追加検査している方を多く目にしますが、「がん」がかなり進行しても各種腫瘍マーカーは基準値内であることが多く、早期の段階で異常値になることはまずありません。万が一、このような事実を知らずに腫瘍マーカー採血を行ってしまって異常値が出た場合には、各腫瘍マーカーに合わせた検査・対処法をお話しできればと思います。まずは、外来でご相談いただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    このように他臓器に転移しているような進行胃がんの状態でも胃がんの代表的な腫瘍マーカーであるCEAをはじめとする各種腫瘍マーカーは全て陰性でした。

    参考サイト
    検診などのオプションで腫瘍マーカー採血を無駄に行っていませんか?
  • 相談25

    人間ドックで悪玉コレステロール値が高いと指摘があり、かかりつけ医に相談したところ薬を服用するように言われましたが、なるべく薬は飲みたくありません。。。

    ご提案

    「悪玉コレステロール」という名前が示すように「よく分からないけど、とにかく悪い」というイメージしかない検査項目ですが、実は体にとってかなり必要なものであり、少しぐらい数値が高くてもあまり気にする必要のないものなのです。悪玉コレステロールは検診などではLDLコレステロールと表記されています。LDLコレステロールは体の細胞の膜を作る材料であり、体にとってかなり必要なものであり、「悪い」だけのものではありません。数値が低い人は長生きできないという論文が多数あるぐらいです。あまりに数値が高いと動脈硬化に影響するというデータや論文もありますので、いきなり薬の内服ではなく、対処法を一緒に考えていきますので、ご相談いただければと思います。特に女性はホルモンの関係で年齢と共に確実にLDLコレステロール値は上昇しますので、その辺りの事を考えずに、とにかく基準値を超えたら内服開始というのは少々乱暴な考えだと思われます(そもそも基準値であって、正常値ではありませんので、ここも注意が必要です)。

  • 相談26

    会社の人間ドックの採血でペプシノゲンという項目がありますが、胃がんを調べるための採血検査ですか?

    ご提案

    ペプシノゲンとは胃酸の一種であり、大部分が胃の中に出ますが、1%程が血液中に出るため、この血液中に出たペプシノゲンを調べるのがペプシノゲン採血検査です。ピロリ菌感染などで、胃の粘膜が萎縮してくる(薄くなってくる)と胃酸の出が悪くなります。胃酸の出が悪くなるということは、胃酸の一種であるペプシノゲンの出も悪くなります。ペプシノゲンが陽性となるということは胃粘膜が萎縮している(薄くなっている)可能性があるということで、萎縮している胃の粘膜には胃がんができやすいという事柄を利用して、「胃がんができているかもしれない」というあくまで遠くからの推測にすぎませんし、決して胃がんの検査ではありません。あくまで胃粘膜が萎縮している可能性があるかもしれないことを推測するための採血項目です。ペプシノゲン検査を「胃がん検診」などと謳っている検診機関もありますので、注意が必要です。直接胃がんを調べているのではないことに注意してください。

    ハイビジョン内視鏡

    ペプシノゲン検査陰性、萎縮性胃炎なし、ピロリ菌陰性の胃粘膜に生じた早期胃がんの内視鏡画像です。ペプシノゲン検査も異常なく、ピロリ菌もいませんが、胃がんは生じますので、注意してください。

    参考サイト
    ペプシノゲン検査は、直接的に「胃がん」を見つける検査ではないことをご存じですか?
  • 相談27

    時々、人間ドックなどの採血で貧血を指摘され、近医で鉄剤を処方されて服用することがありますが、いつも特に検査もせずにただ鉄剤を処方されるのみですが、これで大丈夫でしょうか?それと、鉄剤を服用するとムカムカしたり、気分が悪くなるのですが、何か良い方法はありませんか?

    ご提案

    貧血の原因で一番多いのが鉄不足による鉄欠乏性貧血です。女性の場合であれば生理など特有の出血がありますので、鉄欠乏性貧血になる方が多いとされています。ただし、その影に胃がん・大腸がんなどの消化管からの出血や子宮内膜症などの婦人科疾患による出血のための貧血が隠れていることがありますので、注意が必要です。貧血を指摘されたら、一度は胃・大腸内視鏡検査を行い、女性であれば一度婦人科受診して問題ないか診てもらい、貧血の原因が隠れていないか調べることが大変重要となりますので、注意が必要です。
    鉄剤では、ムカムカしにくい種類の鉄剤や胃薬との相性の良い組み合わせなどいくつか服用のコツがあります。貧血になりにくいサプリメントの服用のコツなどもありますので、一度外来にてご相談いただければと思います。

    ハイビジョン内視鏡

    近所のクリニックで貧血を時々指摘されて、特に内視鏡検査などは行わず、その都度鉄剤を処方されて貧血が改善して、また貧血になったら鉄剤内服という事を繰り返していました。あるとき便に血が混じっていることに気がつき当院受診され、大腸内視鏡検査を行いましたところ、横行結腸にかなり悪くなっている進行大腸がんが見つかりました。この進行大腸がんが貧血の原因でありましたが、鉄剤の処方だけで経過を診られていましたがために発見が遅れてしまいました。大腸がんは大腸ポリープから進展することが多いため、大腸ポリープを切除するが大腸がん予防となりますので、40歳を過ぎたら一度は大腸内視鏡検査を受けられることをお勧め致します。

    参考サイト
    当院での大腸ポリープおよび早期大腸がんに対する内視鏡切除術の実際

09

肺、肝臓、胆のう、膵臓について

  • 相談28

    検診の腹部エコー検査で胆のうポリープを指摘されましたが、検診結果表には「経過観察」としか書かれていないので、不安で悩んでいます

    ご提案

    胆のうポリーはコレステロールポリープであることが多く、がん化することは少ないとされています。胆のうポリープの大きさや形状が、がん化しているか否かの鍵を握ります。ある程度の大きさになってきたら、腹部エコーや腹部MRI(MRCP)などで精密検査を行っていきます。少しでも不安を感じている方はご相談していただければと思います。

    胆のうポリープの検査は腹部エコーやMRIの特殊な撮影方法であるMRCP(胆管と膵管、胆のうに焦点を当てて画像化する撮影方法)などが有効です。

  • 相談29

    会社の検診の胸部レントゲン検査で要精査となりましたが、どうすれば良いですか?

    ご提案

    会社の検診などで行われている胸部レントゲン撮影検査ですが、これも胃レントゲン検査と同様に「影絵」の原理を利用して肺がんを影として認識する検査です。小さな肺がんの認識はかなり難しく、医師の読影力(肺がんがあるかどうか見極める能力)にもかなり個人差があると言われており、肺がんが2cm以上にならないと胸部レントゲン検査ではなかなか認識が難しいとも言われています。胸部CTであれば数ミリの大きさの肺がんから認識が可能となり、読影力に個人的な差はほとんど生じません。胸部レントゲン検査で異常を指摘され、再度胸部レントゲン検査を行う意味は全くありませんので、胸部CTで精密検査することをお勧めいたします。胸部CT検査の機器に関しましても医療機関でかなり差がありますので、ご相談いただければと思います。当院でも画像専門医療機関と提携しておりますので、そちらで撮影・読影、当院で再読影・結果説明することも可能となっており、必要に応じて呼吸器科専門医へのご紹介も責任持ってさせていただいております。

    胸部CTは数ミリの肺がんでも認識可能です。テレビなどで有名な歌舞伎役者さんも人間ドックの胸部CTで偶然肺がんが見つかったのですが、胸部レントゲン検査ではなかなか早期の段階の肺がんを見つける事は困難と言われています

  • 相談30

    膵臓がんは早期発見が難しいと言われていますが、早期発見するにどうすれば良いか知りたいです

    ご提案

    膵臓がんは膵臓の頭側にある総胆管と呼ばれる肝臓からつながる管に膵臓がんが食い込んだ時に生じる黄疸(体が黄色くなること)が出て初めて病院を受診することが多いため、発見がかなり遅れるがんの代表となっております。がん全体に言えることは「がん自体に神経がないため、がん自体での痛み等の症状は初期の段階ではまず出ない」ということです。膵臓がんにおいても痛み等の症状は初期の段階で出ることはまずありませんし、膵臓は背中側にある臓器であるため検診などで行われている腹部エコーなどでも早期段階での膵臓がんの発見はかなり困難と言われています。膵臓がんの腫瘍マーカーであるCA-19−9という採血項目でも早期段階では異常値を示すことはまずなく、膵臓がんの早期発見に役立つ唯一の方法は腹部MRIの特殊な撮影方法であるMRCPという検査です。
    MRCPとは膵臓がんの大部分が発生すると言われる膵管(膵臓の中の膵液が通る管)と肝臓と胆のうからつながる胆管(肝臓から十二指腸につながる胆汁が通る管)を詳細に映し出す検査ですので、膵臓がんを比較的早期に見つけることが可能と言われています。MRCPを行える医療機関のご提案など含めて、ご相談いただければと思います。

    MRCPでは膵管と胆管、胆のうなどが詳細に映し出されます

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以上、おなか何でも相談室の情報発信はいかがでしたでしょうか。
おなかのことでお悩みになられる皆様の力に少しでもなることができれば消化器クリニックとして本望です。
「もっと詳しく相談したい!」「しっかり診察をしてもらいたい!」「消化器症状を放置するのが怖くなった」などのお気持ちの方は当院へいつでもご来院ください。
消化器内科・内視鏡内科を標榜している福岡天神内視鏡クリニックはおなかのことでお悩みの患者様に対して専門的な診察が可能です。
些細な症状でも構いませんのでいつでもお気軽にご来院ください!