福岡天神内視鏡クリニックブログ

下痢の時には何を飲む?②

みなさん、こんにちは

萱嶋です。

 

9月になりました。

やや過ごしやすい気温になってきた気がしています。

今年の夏は、最も暑い夏だったようです。

このような異常気象になったのは、我々人間の功罪なのかもしれませんね。

自然に畏敬の念を抱くことは大切と思います。

 

 

今回も「下痢の時に飲むべきもの」の続きです。

 

前回は➀浸透圧についてお話ししました。

 

今回は

②ナトリウムに対してブドウ糖のバランス

についてお話しします。

 

多くのスポーツドリンクには糖分が含まれていますが、これは味を美味しくするためだけに配合しているわけではありません。

摂取した水分は腸で吸収され体全体へ運ばれますが、糖質は塩分と一緒にとることによって、腸管での水分の吸収を促進する働きがあるのです。

 

腸管には「SGLT1=ナトリウム・グルコース共輸送体」というものがあり、ブドウ糖は、ナトリウムが同時にあるとSGLT1によって速やかに吸収されます。そして塩分と糖分に引っ張られ水分も吸収されます。

ただし糖分も多すぎる場合、胃から小腸への移動が遅くなり吸収率が悪くなってしまいます。

さらに濃度が高いということは浸透圧も高く、水分の分泌が促されるため、真の水分吸収は抑えられることになります。

 

ポカリスエット、アクエリアス、グリーンダカラ

は、アイソトニック飲料にあたります。

これらの飲料水を大量に飲むと腸に吸収されず、たまっていく一方で、嘔吐の原因になることがあります。

下痢、脱水の時に大量に飲まないよう注意しましょう。

 

ナトリウムに対してブドウ糖の比率が最適バランス(1〜2倍)の時、最も吸収が速いと考えられています。

また下痢の時には、便からNaが失われることからNaの補充が必要です。

35-60 mEq/L程度が必要とされています。

 

さて、実際にはどのような飲み物が最適なのでしょうか。

下痢の時飲むべきものの の実際を次回お話しいたします。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。