

23.06.05
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ビールはなぜたくさん飲めるのか?
おはようございます。医師の秋山です。 ビアガーデンの季節になってきましたね。ビールが好きな方にはたまらないと思います。 そこで今回は、ビールについての疑問について解説したいと思います。 いきなりですが 「ビールってなんでたくさん飲めるんだろう?」 と思ったことありませんか? 私は大学生の頃、ビアガーデンでジョッキのビールを10杯以上飲んでいた時期があります(今は絶対に無理ですが)。 中ジョッキが約500mlと考えると、数時間で約5L以上飲んでいたことになります。我ながらよく飲めたもんだと感心します。 それでは、「コーラを5L以上飲めるのか?」と言われたら、絶対に飲めないです。 なぜビールだと大量に飲めるのでしょうか? 以前、大学の先輩から教わったのは 「ビールは小腸だけでなく、胃からも吸収されるからだよ」というものでした。 しかしながらこれはほぼ間違いです。 確かに、アルコールは胃から吸収されますが、ビールのアルコールは5%程度です。 つまり、95%は水分です。 水分は小腸で吸収されますので、ビールの95%は小腸で吸収されることになります。 うーん、それじゃあ何か他に理由があるはずですよね。 正解は、「ガストリン」という胃から分泌されるホルモンのおかげです。 「ガストリン」は、胃の入り口付近の動きを抑制し、胃の出口付近の動きを促進させる働きがあります。 つまり、「ガストリン」が胃の入り口を塞ぎつつ、胃の内容物をどんどん小腸に押し出してくれるんですね。 実は、ビール酵母がこの「ガストリン」を分泌させる働きがあると言われています。ビールを飲むと、胃から「ガストリン」がたくさん分泌されているんです。 ちなみに、他のお酒にはこの働きがあまりないとのことです。なんか不思議ですね。 まとめると、 ビールを飲む→胃からガストリンが分泌される→胃内に溜まったビールがどんどん小腸に排出されて胃はからっぼ→どんどんビールが飲める こんな感じですね。 ちなみに、ガストリンは胃酸を分泌させる働きもありますので食べ物の消化も早くなります。 ということは、ビールと一緒に料理を食べると、食べ物がどんどん消化され、次々と小腸に排出され、吸収されることになりますね。食べ過ぎちゃう可能性大です。 いかがだったでしょうか。 もちろん、ビールの飲み過ぎは体に良くないですのでほどほどにしましょう。 以上、ビールの疑問についての話でした。 ホノルルのレストランで飲んだビールです。ホノルルではビールばかり飲んでました。 それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。