24.10.07
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お茶碗1杯の白ごはんとチャーハン、健康に良いのはどっち?
おはようございます。医師の秋山です。 さていきなりですが質問です。 「お茶碗1杯の白ごはんと、お茶碗1杯のチャーハンがあります。健康に良いのはどっちでしょうか?」 まあ、美味しいのはチャーハンですよね。味がしっかりとついてますし。 でも、体に良さそうな印象があるのは白ごはんだし・・・ それでは、まずはそれぞれの栄養成分を見てみましょう! カロリー 糖質 たんぱく質 脂質 白ごはん(100g) 156kcal 35.6g 2.5g 0.3g チャーハン(100g) 168kcal 23.2g 6.3g 6.23g 栄養成分を見ると、チャーハンの方がカロリー、たんぱく質、脂質が高いですね。 白ごはんは糖質のみが高くなってます。 以上から総合すると、白ごはんが体に良いでしょ! と思った方、ハズレです。 この2択なら私は迷わずチャーハンを選びます。 なぜなら、チャーハンの方が糖質が低く、たんぱく質、脂質が多いからです。 私が食べ物を摂取する時に気をつけているのは、糖質の過剰摂取による高血糖です。 血糖値を過剰に上げすぎると、どんなことが起こるでしょうか? ①太る! →太る原因って色々ありますが、一番の原因は糖質の摂りすぎです。糖質を摂りすぎて血糖値が爆上がりすると、インスリンが多量に分泌されて、血糖値を下げようとします。インスリンは血液中の糖分を体内の各細胞に連れていくのですが、使われずに余った糖分は脂肪分として溜め込まれます。 インスリンが肥満ホルモンと呼ばれるのはこのためです。 ②老ける! →糖質を摂りすぎると、体内でたんぱく質と結合し、AGEという物質を作ります。体内の細胞には、このAGEが結びつく受容体が存在しており、この受容体にAGEがくっつくことにより、細胞が炎症を起こし、細胞が老化していきます。 また、急激な血糖値上昇により、血管が傷つき、動脈硬化も進行していく、つまり血管も老化していきます。 ③疲れる! →食後に血糖値が爆上がりすると、その反動で今度は急激に血糖値が下がります。これにより食後に眠気が襲ってきたり、集中力が低下したり、ひどく疲れを感じたりするんです。 以上のようなことが起こり、体を知らない間に蝕んでいき、ついには糖尿病をはじめとした生活習慣病にかかってしまうんですね。恐ろしいです。 さて、もう一度白ごはんとチャーハンの栄養成分を見てみましょう。 カロリー 糖質 たんぱく質 脂質 白ごはん(100g) 156kcal 35.6g 2.5g 0.3g チャーハン(100g) 168kcal 23.2g 6.3g 6.23g チャーハンは白ごはんよりもたんぱく質と脂質が多いです。 これがいいんですね。 脂質を摂るとGIP、たんぱく質を摂取するとGLP-1という2つのホルモンが小腸から分泌されます。この2つのホルモンはインクレチンと呼ばれており、体内のインスリン分泌を調整しているんです。 このインクレチンのおかげで、食後の血糖値のスパイク上昇を防いでくれます。 つまり、白ごはんよりもチャーハンの方が糖質量が少なく、かつたんぱく質、脂質が多いためインクレチンが分泌され、食後血糖値の上昇を防いでくれます。 いかがだったでしょうか。チャーハンの方が美味しくて血糖値の上昇を防ぐなんてありがたいですよね。 ただし、チャーハンが美味しくてついつい食べ過ぎると、糖質を摂りすぎて血糖値は爆上がりしますので要注意です。 以上、白ごはんとチャーハンの話でした。 それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。