便潜血検査
大腸に関する項目
便潜血検査とは、便の中に血液が混ざっていないかを調べる検査です。
検診で行う便潜血検査は便を2回採取する2日法で行われています。これは診断率を上げるためです。
食道や胃で出血をした場合、胃液により血液が変性しますので、便潜血検査では陽性になりません。つまり、便潜血検査は、大腸内で出血するような病気がないかを調べる検査です。
便潜血陽性の場合、以下の病気が考えられます。
痔核
肛門周囲にある静脈がうっ血して膨らんだものです。歯状線より内側にできたものを内痔核、歯状線より外にできたものを外痔核といいます。
大腸がん
大腸がんとは、大腸にできた「悪性のできもの」のことです。「大腸がん」がどこまで深く到達しているかによって、「早期がん」と「進行がん」に分けられます。具体的に説明すると、大腸の筋肉(筋層と言います)まで到達すると「進行がん」となります。「進行がん」になると、周囲の臓器やリンパ節に転移する確率が非常に高くなり、生命予後に大きく関係してきます。
大腸ポリープ
大腸の粘膜にできる「いぼ」のことです。良性のできものですが、「がんになりやすいポリープ」「がんになりにくいポリープ」「がんにならないポリープ」の3つのタイプに分類されます。大腸がんのほとんどは、大腸ポリープが大きく成長したものです。自覚症状はなく、静かに大腸がんへと成長していきます。
炎症性腸疾患
人間の免疫機構が何らかの原因で異常となり、自分の免疫力で自分の大腸を攻撃することにより、大腸に炎症を起こしてしまう病気のことです。潰瘍性大腸炎とクローン病の2種類が存在します。症状としては、腹痛、下痢、血便などです。どちらも若い方に発症することが多いです。
主に内服薬で治療を行います。自覚症状が改善しても治療は続ける必要があり、長期的に治療を行なっていく必要があります。
これらの病気が見つかることもありますので、便潜血陽性を指摘されたら必ず大腸カメラを受ける必要があります。
いいえ、必ずしも便潜血陽性になるとは限りません。
具体的な数値では、早期大腸がんの50%以上が便潜血陰性であり、進行大腸がんでも約30%が便潜血陰性と言われています。このため、便潜血陰性であっても大腸がんを否定することにはなりません。
まずはきちんと診断をつけるために、大腸カメラを受ける必要があります。当院に一度相談に来てください。
便潜血検査陽性の方は必ず大腸内視鏡検査を行う必要がありますが、便潜血検査陰性の方も大腸がんが心配な方は検査を受けた方がいいです。
当院では、「苦しさと痛みに配慮した胃大腸内視鏡検査」を患者様に提供することを第一に考え、皆様からら検査後に「思った以上に楽だった」と思っていただける内視鏡検査を実践しています。当院の内視鏡専門医は、臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知しております。これまで培ってきた内視鏡技術の経験を十分に活かし、検査を行っています。安心してお任せください。
また、最新の機器を使用し、その知識と技術を駆使して正確な内視鏡診断を行っています。皆様が消化管がんにかかり健康を損ねることが無いよう最大限のサポートが出来るよう日々努力しております。まずはお気軽にご相談ください。
秋山 祖久医師
国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。