一般診療
GENERAL PRACTICE

鳥肌胃炎

胃に関する項目
鳥肌胃炎

鳥肌胃炎って何ですか?

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を行った際に、腕の皮膚に見られる鳥肌の様に胃粘膜に均一なつぶつぶした顆粒状の隆起が密集して認められるものを鳥肌胃炎といいます。胃の出口付近である幽門前庭部から胃角部にかけて認められることが多い胃炎です。内視鏡検査時にインジゴカルミンという青い色素を胃粘膜に散布すると粘膜の凹凸が目立つようになり視認し易くなります。

鳥肌胃炎の原因・問題点は何ですか?

鳥肌胃炎の原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌感染です。ヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると、多くの場合は、ピロリ菌が産生する病原性タンパク質により胃粘膜に持続的な炎症が引き起こされ、慢性活動性胃炎の状態になり、徐々に胃粘膜が薄くなっていく胃の老化(胃粘膜の萎縮)が進行していきます。
しかし、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染によりこのような慢性活動性胃炎の経過をとらず、胃粘膜の萎縮を来す前にピロリ菌感染により過剰なリンパ組織の免疫応答を引き起こすケースがあります。これが鳥肌胃炎です。過剰なリンパ組織の免疫応答により増生したリンパ濾胞が、胃カメラ検査(胃内視鏡検査)時に鳥肌の様な胃粘膜のつぶつぶした顆粒状の隆起として観察されるのです。
鳥肌胃炎は、ピロリ菌の初感染後に見られる過剰なリンパ組織の免疫応答が原因のため、若い人に見られやすく、通常のヘリコバクター・ピロリ菌感染による慢性胃炎よりも胃がんのリスクが60倍以上も高いと言われています。特に悪性度が高く、正常な胃粘膜の下に浸潤して拡がりやすい未分化型胃がん(いわゆるスキルス型胃がん)の発生母地になりやすいと言われています。

鳥肌胃炎にはどんな症状があるの?

鳥肌胃炎に特有の症状はありません。ヘリコバクター・ピロリ菌に感染による慢性胃炎では、胃もたれ、胃痛、吐き気、胸やけなどの胃の不快な症状が出現しますが、鳥肌胃炎では症状が出やすいと言われています。
ただし、鳥肌胃炎を起こしていても何も症状が無いケースもあり、この場合は胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を受けるまで気付かれることはありません。
ご家族にピロリ菌にかかっていた方がいる場合は症状の有無に関わらず、一度胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を受けることをお勧めします。また、慢性的に胃部不快感、みぞおちの違和感・痛み、胸やけ症状等を認める方も検査を受けることをお勧めします。気になる方は是非一度、お気軽にご相談下さい。

鳥肌胃炎はどうやって診断するの?

鳥肌胃炎は、胃カメラ検査(胃内視鏡検査)で胃の出口付近である幽門前庭部から胃角部の粘膜の色調、凹凸の有無などにより診断します。検査時にインジゴカルミンという青色の色素を胃粘膜に散布すると凹凸が強調されるため、さらに診断能が高まります。鳥肌胃炎を認めた場合は、胃がんがある可能性が高いため、胃内をしっかりと内視鏡で観察する必要があります。特に早期の未分化型胃がんは見つけづらいことも多く、要注意です。
鳥肌胃炎(通常光観察)
鳥肌胃炎(インジゴカルミン特殊染色観察)

鳥肌胃炎はどうやって治療するの?

鳥肌胃炎の原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌感染です。このため、通常のヘリコバクター・ピロリ菌感染による慢性胃炎の場合と同様に治療はピロリ菌の除菌です(リンク:ヘリコバクター・ピロリ感染症)。除菌治療が成功すると、鳥肌様の粘膜の凹凸は徐々に目立たなくなっていきます。除菌成功後は、胃がん発生のリスクは低下しますが、ゼロにはならないため1年に1回の定期的な胃カメラ検査(胃内視鏡検査)が絶対に必要です。

福岡天神内視鏡クリニック消化器福岡博多院の胃カメラ検査(胃内視鏡検査)の特徴

胃もたれ、胃痛、吐き気、胸やけなどの症状がある場合は、若い人であっても薬の内服で様子を見るのでは無く、胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を受けて症状の原因となる病気が無いかを調べることをお勧め致します。胃がんのリスクが高い鳥肌胃炎を起こしているもしれません。鳥肌胃炎があれば、20代でも胃がんが見つかるケースもあります。
福岡天神内視鏡クリニック消化器福岡博多院では、「苦しさと痛みに配慮した胃大腸内視鏡検査」を患者様に提供することを第一に考え、皆様から検査後に「思った以上に楽だった」と思っていただける内視鏡検査を実践しています。福岡天神内視鏡クリニック消化器福岡博多院の内視鏡専門医は、臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知しております。これまで培ってきた内視鏡技術の経験を十分に活かし、検査を行っています。安心してお任せください。
また、最新の機器を使用し、その知識と技術を駆使して正確な内視鏡診断を行っています。皆様が消化管がんにかかり健康を損ねることがないよう最大限のサポートが出来るよう日々努力しております。まずはお気軽にご相談ください。

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。