黒色嘔吐・吐血
胃に関する項目
「ムカムカして吐いたら、吐物がコーヒーや炭、コールタールみたいな色だった」「血を吐いてしまった」という症状はありませんか?
これらは、上部消化管(食道、胃、十二指腸)に出血を来す疾患がある可能性が高いため、自己判断で様子を見ずに早急に消化器内科を受診して、その原因を調べてもらいましょう。どういった疾患が疑われるかについて解説します。
黒色嘔吐や吐血はどうして上部消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血を疑うの?
血液の成分である赤血球にはヘモグロビンが含まれますが、ヘモグロビンは鉄分を材料にして作られており、胃酸と混ざると酸化され黒く変色します。
上部消化管(食道、胃、十二指腸)から出血が起こった場合、血液が長く胃にとどまっているほど胃酸で酸化され黒く変色し、コーヒーや炭、コールタールの様になります。一方、短時間でまとまった量の出血があった場合は、胃酸で酸化される間もなく、血液そのものを嘔吐します。これが吐血です。
黒色嘔吐よりも血液に近い吐物を認めた場合は、多量の出血を来している可能性があり、より緊急性が高い状態です。基礎疾患として肝硬変などがある場合、意識が遠くなる感じや失神、動悸、冷汗を伴う場合は、救急要請をしましょう。意識が遠くなる感じや失神、動悸、冷汗を伴わない場合も決して自己判断で様子を見ずに早急に消化器内科を受診して、その原因を調べてもらいましょう。
1.胃潰瘍・十二指腸潰瘍
2.急性胃粘膜病変(AGML:acute gastric mucosal lesion)
3.進行胃がん
4.逆流性食道炎
5.進行食道がん
6.バレット食道がん(食道胃接合部がん)
7.Mallory-Weiss症候群
激しい嘔吐や繰り返す嘔吐により食道に強い圧力が急激にかかると食道胃接合部(食道と胃のつながり目)付近の粘膜が裂け、出血を来すことがあります。嘔吐を繰り返した後に黒色嘔吐や吐血を認めた場合に疑います。最初の頃の吐物は、黒色嘔吐や血液でないのが特徴です。
典型的な事例は
「飲み会などの飲酒後に、気持ち悪くなり何度か嘔吐してしまい、その後に再度気持ち悪くなり吐いたら真っ赤な血だった」
という場合です。診察室でこのようなストーリーのお話を聞くと我々消化器内科医はこの疾患がすぐに頭に浮かびます。
(写真)
8.食道・胃静脈瘤破裂
肝硬変などがあると、肝臓に戻る静脈の血液が渋滞しやすくなるため、食道や胃の静脈が風船の様に膨らみ静脈瘤を形成します。この静脈瘤が破裂すると大量の吐血を認めます。
食道の静脈瘤です。破裂すると大出血します。専門病院での加療が必要です。
これらの症状は、上部消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血を疑います。黒色嘔吐よりも血液に近い吐物を認めた場合は、多量の出血を来している可能性があり、より緊急性が高い状態です。
基礎疾患として肝硬変などがある場合、意識が遠くなる感じや失神、動悸、冷汗を伴う場合は、救急要請をしましょう。
意識が遠くなる感じや失神、動悸、冷汗を伴わない場合も決して自己判断で様子を見ずに消化器内科を受診して、その原因を調べてもらいましょう。
これらの症状は、上部消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血が疑われるため、胃内視鏡検査(胃カメラ)での原因検索を行います。
当院では、「苦しさと痛みに配慮した胃大腸内視鏡検査」を患者様に提供することを第一に考え、皆様からら検査後に「思った以上に楽だった」と思っていただける内視鏡検査を実践しています。当院の内視鏡専門医は、臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知しております。これまで培ってきた内視鏡技術の経験を十分に活かし、検査を行っています。安心してお任せください。
また、最新の機器を使用し、その知識と技術を駆使して正確な内視鏡診断を行っています。皆様が消化管がんにかかり健康を損ねることが無いよう最大限のサポートが出来るよう日々努力しております。まずはお気軽にご相談ください。
これらの症状は、上部消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血を疑います。自己判断や放置はせずに早急に消化器内科を受診し、診察の上、必要な検査を受けましょう。
黒色嘔吐よりも血液に近い吐物を認めた場合は、多量の出血を来している可能性があり、より緊急性が高い状態です。
基礎疾患として肝硬変などがある場合、意識が遠くなる感じや失神、動悸、冷汗を伴う場合は、救急要請をしましょう。意識が遠くなる感じや失神、動悸、冷汗を伴わない場合も決して自己判断で様子を見ずに早急に消化器内科を受診して、その原因を調べてもらいましょう。
秋山 祖久医師
国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。