胃がん・食道がんの早期発見のためには、定期的な胃カメラによる観察が非常に重要になります。
みなさまにとって胃カメラが身近なものになるよう、努めてまいります。
目次
01 のどの違和感がある・食事がつまる感じがある
このような症状は、咽頭や喉頭・食道に異常があるときに出やすい症状です。
のどや食道の知覚過敏や胃酸の逆流による症状の可能性もありますが、咽頭がんや食道がんが症状の原因となっていることもあります。
症状が続く場合は、自己判断で様子を見ずに胃カメラ検査でしっかりと調べましょう。
02 胸が焼けるような症状がある・ゲップが出やすい
このような症状は、胃酸が食道に逆流するときに出やすい症状です。症状が続く場合は、逆流性食道炎だろうと胃薬を服用し自己判断で様子を見るのは止めましょう。
なぜ食道に胃酸が逆流しやすくなっているのかを胃カメラ検査でしっかり調べましょう。胃がんなどが原因で胃酸が食道に逆流しやすくなっていることもあります。
03 胃のあたりがもたれる・みぞおちに痛みがある
このような症状は、胃炎や胃潰瘍など胃に病気がある場合に出やすい症状です。良性の病気だけでなく、胃がんなどが症状の原因となっていることもあります。
症状が続く場合は、胃薬を服用し自己判断で様子を見るのではなく、胃カメラ検査で症状の原因となる病気が隠れていないかしっかり調べましょう。
04 吐き気が続き、食事が食べられない
このような症状は、胃炎や胃潰瘍などの胃の良性の病気だけでなく、食道がん、胃がん、十二指腸がんなどが原因となっていることもあります。
症状が続く場合は、胃薬を服用し自己判断で様子を見るのではなく、胃カメラ検査で症状の原因となる病気が隠れていないかしっかり調べましょう。
05 黒い便がでる、吐いた物が黒かった・血が混ざっていた
このような症状は、食道や胃、十二指腸から出血が起こった場合にみられる症状です。
胃炎や胃潰瘍などの胃の良性の病気だけでなく、食道がん、胃がん、十二指腸がんなどが原因となっていることもあります。1回でもこれらの症状があった場合は、様子を見るのではなく、必ず胃カメラ検査で症状の原因となる病気が隠れていないかしっかり調べましょう。
06 検診異常(胃レントゲン検査異常)
胃レントゲン検査異常は、胃炎や胃潰瘍などの胃の良性の病気だけでなく、胃がんが原因となっていることもあります。
二次検診として、必ず胃カメラ検査で検診異常の原因となる病気が隠れていないかしっかり調べましょう。
07 検診異常(血清ヘリコバクター・ピロリ抗体陽性、ペプシノーゲン検査異常、胃がんリスク検査(ABC検診)異常)
これらの検診異常は、胃がんのリスクを高めるヘリコバクター・ピロリ菌感染の可能性を疑う異常です。
胃がんの90%以上はヘリコバクター・ピロリ菌感染が原因とされています。これらの検診異常を指摘された場合は、必ず胃カメラ検査を受けて、胃にがんが隠れていないかしっかり調べましょう。
また、ピロリ菌感染があるかも調べ、感染している場合は、将来の胃がんのリスクを下げるために除菌治療を行いましょう。
08 過去にヘリコバクター・ピロリ菌除菌をしたことがある方
ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染により胃に長期間にわたり炎症が続くと徐々に胃の粘膜が薄くなり萎縮性胃炎を来たします。
最近の研究によりピロリ菌感染の影響で萎縮性胃炎を来すと年齢とともに胃がんの発生リスクが増加することが報告されています。
ピロリ菌除菌後も萎縮性胃炎は残存するため、胃癌のリスクは低下はするものの高い状況が残ります。
過去にピロリ菌感染を指摘されたことがある方は、必ず1年に1回胃カメラ検査を受けましょう。
09 20歳以上で上記(01~05)に当てはまる症状がある方
20歳以上で上記①~⑤に当てはまる症状がある方は、将来の胃癌のリスクになるヘリコバクター・ピロリ菌感染を起こしている可能性があります。
ピロリ菌感染を起こしている場合、年齢が若いうちに除菌治療が出来れば出来るほど将来の胃癌のリスクが低くなります。
年齢が若くても上記①~⑤に当てはまる症状がある方は、胃カメラ検査を受けて、胃の症状の原因とピロリ菌感染の有無を調べましょう。感染している場合は、将来の胃がんのリスクを下げるために除菌治療を行いましょう。
10 胃の症状の有無にかかわらず30歳以上の方
ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染により胃に長期間にわたり炎症が続くと徐々に胃の粘膜が薄くなり萎縮性胃炎を来たします。
最近の研究によりピロリ菌感染の影響で萎縮性胃炎を来すと年齢とともに胃がんの発生リスクが増加することが報告されています。
ピロリ菌除菌後も萎縮性胃炎は残存するため、胃癌のリスクは低下はするものの高い状況が残ります。過去にピロリ菌感染を指摘されたことがある方は、必ず1年に1回胃カメラ検査を受けましょう。
11 以前に胃カメラ検査を受けたことがあるが、2年以上胃カメラ検査を受けていない方
胃癌の多くは、ヘリコバクター・ピロリ菌感染が原因と考えられていますが、ピロリ菌感染に関係のない胃癌も存在します。
これらの胃癌も含めて早期発見・早期治療するためには1.5〜2年毎に胃カメラ検査を受けるのが望ましいと考えております。
胃カメラ検査は、口や鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸に異常がないかを観察して調べる検査です。
粘膜異常やポリープなどの異常を認めた場合は、鉗子という器具を使って組織を一部採取し、
顕微鏡による病理検査で病気じゃないかを詳細に調べることも可能です。検査時間の目安は5~10分程度です。
口から内視鏡を挿入する検査を経口内視鏡検査、鼻から内視鏡検査を挿入する検査を経鼻内視鏡検査といいます。
内視鏡は太いものほど、高性能なカメラを搭載することが可能なため、
経鼻内視鏡よりも経口内視鏡の方が高性能なカメラを用いた検査を行うことができます。
精密検査に適した検査は経口内視鏡検査です。
福岡天神内視鏡クリニックでは、より詳しく観察が可能な経口内視鏡を用いた胃カメラ検査のみを行っています。
福岡天神内視鏡クリニックでは、検査を受けていただく患者様に「苦しさと痛みに配慮した胃カメラ検査」を提供するために最大限の努力を払っています。
検査を行う医師は、内視鏡検査の経験が豊富な消化器内視鏡専門医です。経験が豊富な内視鏡専門医は、検査を行う際に内視鏡をどのように操作すれば、苦しさや痛みを感じることなく検査を行うことができるかを熟知しています。
また、福岡天神内視鏡クリニックでは、さらに楽に検査を受けて頂けるように鎮静剤を使用した胃カメラ検査を行っています。鎮静剤の量は、患者様一人一人の年齢や性別、体格などを考慮した上で患者様毎に最も適した量になるように調整しています。
このため、検査中に苦しさや痛みが無いのは勿論のこと、検査後も気分の不良などなく、しっかりと目覚めることが出来る様に配慮しています。
検査後に「想像以上に楽だった」と言って頂けるようスタッフ一同努力しております。
福岡天神内視鏡クリニックでは、胃カメラ検査は、先進的なハイビジョン&NBI(狭帯域光観察)・拡大内視鏡スコープを全例で使用しています。
先進的な高性能な内視鏡スコープを使用した検査を行うメリットは次の通りです。
1)通常の観察もハイビジョン画質で高精度である
2)1)に加えて、検査中に病変が疑われた場合は、カメラに搭載されているNBI(Narrow band imaging)という特殊光観察や病変を100倍にズーム観察可能な拡大内視鏡にいつでも切り替えて観察することが可能です。
気になる病変を認めた場合にそれがどの程度、胃がんや食道がんが疑われるのかを予測することが可能になり、小さな病変も見逃すことなく発見がしやすくなります。
精度の高い内視鏡診断を可能にする先進的なハイビジョン&NBI(狭帯域光観察)・拡大内視鏡を用いた胃カメラ検査を行っていても、撮影した画像を映し出すモニターの性能が低ければその威力を十分に発揮することが出来ません。
福岡天神内視鏡クリニックでは、撮影した画像を映し出すモニターも内視鏡専用のハイビジョンモニターを利用しているため、高解像度の綺麗な画像をそのままモニターに投影可能です。また、モニター画面のサイズも現時点で最大サイズのものを導入しています。このため、小さな病変も綺麗な画像のまま大きなモニターに映し出すことが可能なため、小さな病変も見逃すことなく、発見が可能です。
福岡天神内視鏡クリニックでは、特徴②、③で述べたように最新かつ最良の内視鏡スコープとハイビジョンモニターを用いて精度の高い検査が可能です。しかし、いくら良い道具を使ったとしてもその機能を発揮出来る知識と技術を持った医師が検査を行わなければ、その性能を全て発揮することは出来ません。
福岡天神内視鏡クリニックでは、経験豊富な消化器内視鏡専門医が検査を行うため、先進的な内視鏡の性能をフルに発揮した検査を行うことが可能です。
また、常勤の医師のみが対応するため、初めての診察から内視鏡検査、検査後の説明、その後の治療やフォローアップまで基本的には同じ医師が責任を持って担当いたします。
内視鏡検査は精度の高い検査を提供するのも大切ですが、同じぐらい大切なのは安心して安全に検査を受けていただくことです。
特に検査に用いる内視鏡スコープは複数の患者様に対して毎日使用しているため、感染症対策として使用した内視鏡スコープの洗浄・消毒、そしてその洗浄履歴をしっかり管理する必要があります。
福岡天神内視鏡クリニックでは、この洗浄履歴を一目ですぐに確認が可能なフルデジタルの管理システムを導入し、スタッフが責任を持ってしっかり洗浄・消毒を行い、患者様に安心で安全な検査を受けて頂けるよう努力しています。
「検査後の説明が専門用語が多くて分からなかった」、「ポリープがあったから1年後に検査を受けるように言われたけど治療しなくても良いのかな?」など検査後の説明が良く分からなかったというようなご経験はありませんか?
福岡天神内視鏡クリニックでは、症状で悩んで検査を受けて頂いた患者様にしっかりと検査結果をお伝えすることが精度の高い検査を行うと同じぐらい大切な事だと考えています。
「何故その症状が出ているのか?」、「何をすれば良くなるのか?」をしっかりとお伝えし、ご安心頂いたり、症状を無くすためのお手伝いができればと考えております。
しっかりと検査結果をお伝えするためには、綺麗な検査画像を患者様にお見せすることが大切です。このため、福岡天神内視鏡クリニックでは、内視鏡検査時に撮影した画像は、専用のハイビジョン画像ファイリングシステムにより内視鏡検査室から診察室に転送し、検査後の診察時にこの綺麗な画像をお見せしながら説明を致します。
福岡天神内視鏡クリニックでは検査を受けて頂く患者様全例で鎮静剤を用いた胃カメラ検査を行っています。
私たちの身体は、自分の意思に反してのどに物が入ってくると「おえっ」とえずくようになっています。これを咽頭反射といいます。歯を磨くときに歯ブラシがのどに当たったときなどに起こる反射です。
鎮静剤を使用せずに意識がある中で胃カメラ検査を行うとこの咽頭反射が出てしまうため非常に辛い検査となってしまいます。このため、鎮静剤を使用しない胃カメラ検査は、非常に身体に負担が掛かってしまいます。この負担を取り除き、楽に検査を受けて頂けるように福岡天神内視鏡クリニックでは全例で鎮静剤を使用した検査を行っています。
鎮静剤を使用すると、咽頭反射が抑えられるため、身体への負担が非常に少なくなるだけでなく、眠っている間に検査が終わるため苦しみや痛みも無く検査を終えることが可能です。
また、鎮静剤を使用した胃カメラ検査は、検査中に苦しさから身体を動かしてしまうことがないため、短時間でしっかりと胃の中を詳しく観察することが可能です。
結果として、検査の精度が上がり病変の見落としを防ぐことができるというメリットもあります。
このように鎮静剤を使用した胃カメラ検査はメリットが沢山ありますが、鎮静剤を使用することによるデメリットも少なからずあります。
その1つは、鎮静剤を使用した場合は、しっかりと目が覚めていても検査終了後に自分でクルマを運転して帰宅することは出来ません。しっかり目が覚めているように見えても飲酒運転と同様に判断力の低下などの影響があり重大な事故に繋がる危険があるからです。
また、鎮静剤はクスリです。全てのクスリには可能性は低くても副作用が起こるリスクがあります。
鎮静剤で起こりえる副作用としてはアレルギーや血圧低下、呼吸抑制などがあります。
これらのリスクの可能性を事前に把握するため、事前診察時にクスリや食べ物でのアレルギー歴や基礎疾患、既往歴などを確認させて頂きます。
STEP
01
福岡天神内視鏡クリニックはパシフィーク天神の4階にございます。
1階でエレベーターに乗り、4階で降りて頂くと正面が福岡天神内視鏡クリニックです。
ご来院後、まずは受付で電話やインターネットでご予約頂いた内容を確認した後に各種お手続きを致します。
診察や問診時に必要となりますので紹介状や検診・人間ドックの結果、お薬手帳をお持ちでしたら、ご来院時にご持参頂き、受付の際にご提出をお願い致します。
検査前には、問診票などをご記入頂きます。検査予約時間は検査開始時間となりますのでお時間に余裕を持って御来院頂きますよう宜しくお願い致します。
診察や検査の進行状況によっては、多少お待たせすることがございます。予めご了承ください。
待合室ではテレビモニターで「知って得する医療情報」を放映しています。その他、「内視鏡ドクターの知識シリーズ」や各種本を設置しておりますので、内視鏡検査までの待ち時間にご自由にご覧下さい。
なお、保険診療で受けて頂く胃カメラ検査は、検査前に症状などを確認する医師の事前診察が原則必要となります。予めご了承ください。
STEP
02
胃カメラ検査のみの場合は、お着替えは不要です。
コートやジャケットなどの上着のみ脱いで頂き、そのままの服装で胃カメラ検査を受けて頂きます。脱いで頂いた上着はロッカーにてお預かり致します。
STEP
03
内視鏡検査の順番が近づきましたら専用個室の中待合にご案内致します。
中待合には専用のリクライニングソファーやテレビを設置しております。検査のご案内までの短い時間ではございますが、おくつろぎください。
STEP
04
検査の順番になりましたら、クリニック内にある専用の内視鏡室へご案内致します。検査室に入室後は、スタッフがお手伝いしながら胃カメラ検査の準備をしていきます。
まずは、検査ベッドに腰掛けて頂き、胃の中の泡や粘液を除いて胃を綺麗にするお水をコップ1杯飲んで頂きます。
お水を飲んだ後は、検査ベッドに仰向け(上向き)に寝て頂きます。
ベルトを絞めている場合は、少し緩めた方が検査が楽に受けられます。ベッドに寝た後は、血圧を測定し、嘔吐反射を抑えるのどのスプレー麻酔を行います。のどの麻酔をすると、のどの感覚が麻痺するため、少し腫れぼったいような感覚となります。 スプレー麻酔後は、左向き横向きに身体の向きを変え、マウスピースをくわえて頂きます。マウスピースは、強く噛む必要はなく、軽くくわえる程度で検査を受けて頂きます。
検査開始直前に軽い鎮静剤を注射し、少しずつウトウトしたところで内視鏡検査を開始します。検査時間は10分程度で終了します。検査が終わった時点でスタッフがお声かけをすると、多くの患者様が辛さを感じることなく「もう検査終わったのですか?」という感じでびっくりされます。「気付いたらいつのまにかロッカーでした」という患者様も沢山おられます。
STEP
05
検査終了後は、検査ベッドに寝たままで、スタッフが個室仕様のリカバリールームまでお連れいたします。鎮静剤の影響が少し残っていても歩いて移動しないため安心安全です。また、そのままベットで寝てお休み頂けます。
1時間程度お休みすると、鎮静剤の影響がほとんどなくお目覚め頂けます。
お目覚め後は、お飲み物とお茶菓子を数種類から選んで頂き、検査のために絶食で疲れた身体を癒やして頂きます。検査後のご褒美としてお楽しみ下さい。
お飲み物とお茶菓子を楽しんで頂いた後は、担当医から検査結果の説明がございます。診察まで待合室でしばらくお待ち下さい。
STEP
06
検査を行った担当医より胃カメラ検査の結果を分かりやすく説明致します。
「本日の胃カメラ検査でどこかに異常があったかどうか」
「異常があった場合は、どんな病気が考えられるか」「どんな治療が必要か」「異常があった場合も無かった場合も次の胃カメラ検査はいつ頃受ければ良いか」「生活習慣など気を付ける点があるか」など一人一人にあわせて丁寧に分かりやすく説明致します。
胃カメラ検査時に組織検査を行った場合は、顕微鏡検査に提出しますので、病理検査結果が出る頃に再度、外来に検査結果を聞きにご来院下さい。
STEP
07
次回の来院が必要な場合には、受付にて予約をお取り致します。
また、検査後の注意事項を再度、一緒にご確認頂きます。
お会計は現金だけでなく、各種クレジットカード・PASMO・SUGOKA・Suicaなどの交通系カードでのお支払いも可能です。
また、天気が良い日は、テラスを開放しています。 テラスでゆっくりとおくつろぎ頂いたのちご帰宅頂くことも可能です。
胃カメラ検査では、食道と胃、十二指腸が観察出来ます。
01胃の病気
01噴門部
・・・
食道と胃のつなぎ目(胃の入り口にあたる場所です)
02胃体部大彎側
・・・
胃の下側にあたる大きくカーブした部分
03胃体部小彎側
・・・
胃の上側にあたる小さくカーブした部分
04胃角部小彎側
・・・
胃体部小彎側の折れ曲りの支点になる部分
05幽門部
・・・
胃と十二指腸のつなぎ目(胃の出口にあたる場所です)
横スクロールでご確認いただけます。
01噴門部
食道から胃の中に入ってまずは胃カメラを反転操作することにより胃の入り口である胃噴門部を観察していきます。
02胃体部大弯側
胃体部大弯側胃の真ん中である胃体部大弯側の内視鏡画像です。胃の中に空気を入れる事により胃を十分に膨らませていき、ヒダとヒダの間をきちんと広げることにより見逃しのない観察を行っていきます。
03胃体部小弯側
胃カメラの反転操作による胃体部小弯側の内視鏡画像です。
04胃角部小弯側
胃がんができやすい胃角部小弯側の内視鏡画像です。
05幽門部
最後に胃の出口である胃幽門部を詳細に観察していきます。
早期胃がん
胃がんは胃の表面から発生し、進行すると粘膜の下に浸潤していきますが、早期胃がんはがん細胞の浸潤が胃粘膜の表面近くでとどまっているものです。早期胃がんの状態で発見できれば、外科手術ではなく内視鏡手術で完治できる可能性があります。
しかし、早期胃がんは基本的に自覚症状が無く、進行癌でも症状がないことも多くあります。症状の有無にかかわらず一度は胃カメラ検査を受け、その後は定期的に検査することをお勧め致します。
進行胃がん
がん細胞が胃壁の筋層より深く浸潤した胃がんが進行胃がんです。胃がんは粘膜の下に深く浸潤すればするほど、転移を起こす確率が高くなり治癒を目指すのが難しくなります。
胃がんは、食事が通過できない状態になるぐらいまで進行しないと自覚症状が出現しにくい病気です。しかし、早期胃がんの状態で見つかれば完治を目指すことが可能です。症状の有無にかかわらず一度は胃カメラ検査を受け、その後は定期的に検査することをお勧め致します。
スキルス胃がん
スキルス胃がんは悪性度が高く進行が非常に早い胃がんです。
スキルス胃がんはがん細胞がバラバラになって胃の粘膜下を広がっていくため、がん自体が粘膜表面に現れにくく早期発見が難しい胃がんです。比較的若い年齢で発症しやすく、特に30~50歳代の女性に発症しやすいと言われています。進行が非常に早く、転移も起こしやすいため、発見時には既に治療できないことも多いがんです。症状の有無にかかわらず一度は胃カメラ検査を受け、その後は定期的に検査することで早期発見出来る可能性が高くなります。
胃悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は血液細胞に由来するがんですが、ピロリ菌感染に関連し胃に発症することがあります。
胃悪性リンパ腫は進行するまで自覚症状が出にくいため、早期発見するためには症状の有無にかかわらず一度は胃カメラ検査を受け、その後は定期的に検査することが大切です。
胃腺腫
胃の粘膜表面から発生する良性の腫瘍ですが、将来がん化する可能性がある前がん病変です。
見つけた場合は、定期的に内視鏡検査でフォローアップすることもありますが、将来の胃がんのリスクを取り除くために見つけた時点で内視鏡手術を行うこともあります。
胃・十二指腸潰瘍
ピロリ菌感染やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる痛み止めの常用などが原因で胃や十二指腸の粘膜に傷がつき、その傷が粘膜の下まで深く及んだものです。
みぞおちの辺りの鈍い痛みや腹部膨満感などの症状が出現しますが、約50%は無症状と言われています。症状の有無にかかわらず一度は胃カメラ検査を受け、ピロリ菌の有無を調べておくことをお勧め致します。
食道・胃静脈瘤
ウイルス性肝炎などの肝障害が進行し肝硬変になると、食道や胃の静脈が風船の様に膨らみ食道・胃静脈瘤を形成することがあります。
食道・胃静脈瘤は大きくなると破裂する可能性があるため、ウイルス性肝炎などの肝障害がある方は少なくとも1年に1回の胃カメラ検査を受けましょう。
胃粘膜下腫瘍
胃の粘膜より下にある深い層から発生する腫瘍が胃粘膜下腫瘍です。胃粘膜下腫瘍は良性のものもあれば、胃GIST(Gatrointestinal Stromal Tumor:消化管間質腫瘍)などの悪性腫瘍の場合があります。腫瘍のサイズや形態によって経過観察をするか、治療を行うかが決まります。
表層性胃炎
様々な原因で胃酸が出過ぎたため、胃粘膜に炎症が起こり生じる胃炎です。
胃カメラ検査では、胃粘膜に赤い線状の炎症として認めます。
ストレスや暴飲暴食が続くと胃痛や胃もたれなどの胃の不快な症状が出現します。生活習慣や食生活の見直しが必要です。
萎縮性胃炎
ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染により胃の粘膜が薄くなる胃炎です。
ピロリ菌感染により萎縮性胃炎をきたすと年齢とともに胃がんの発生リスクが増加します。
萎縮性胃炎が更に進行すると、胃粘膜が腸の粘膜に置き換わる腸上皮化生を起こします。腸上皮化生は、非常に胃がんの発がんリスクが高い状態です。
症状の有無にかかわらず若いうちから一度は胃カメラ検査を行い、「萎縮性胃炎や腸上皮化生の有無やその進行の程度」から将来の胃がんのリスクを把握することが大切です。
鳥肌胃炎
胃の前庭部(胃の出口あたり)の粘膜に鳥肌の様に表面が隆起した変化を起こす胃炎が鳥肌胃炎です。
ピロリ菌感染に対して身体の免疫応答が過剰に反応し起こる胃炎です。
鳥肌胃炎は悪性度が高く進行の早い未分化型胃がんのリスクが非常に高くなります。症状の有無にかかわらず若いうちから一度は胃カメラ検査を行い、ピロリ菌感染がないかをしっかりと診断しましょう。
胃憩室
胃の壁の一部が外側に向かって飛び出たくぼみが胃憩室です。
胃の筋肉の層が薄くなっているところに力が加わり続けることで出来るくぼみで特に治療は不要です。
胃アニサキス症
アニサキスは寄生虫の一種で、サバやアジ、イカなどの魚介類を生で食べることで人の胃に感染します。
原因となる魚介類を食べた数時間後に突然、みぞおちの辺りに激しい腹痛が出現し、吐き気などの強い症状が出現します。治療は胃カメラ検査で胃壁に感染しているアニサキスを取り除きます。
胃底腺ポリープ
ピロリ菌感染のない胃にみられる良性のポリープです。がん化のリスクは極めて少なく、基本的には治療は不要です。自然に小さくなり消えて無くなることもあります。
02食道・咽頭の病気
01咽頭部
・・・
食道へとつながる食べ物が通る部分
02喉頭部
・・・
気管へとつながる空気が通る部分
03頸部食道
・・・
食道入口部から胸骨上縁までの部分
04胸部上部食道
・・・
胸骨上縁から気管分岐部下縁までの部分
05胸部中部食道
・・・
気管分岐部下縁から食道胃接合部までを2等分した上半分の部分
06胸部下部食道
・・・
気管分岐部下縁から食道胃接合部までを2等分した下半分の部分
07腹部食道
・・・
食道裂孔上縁から食道胃接合部までの部分
横スクロールでご確認いただけます。
01
口から挿入するとまず、舌が左側に見えてきます。
02
舌の先には口蓋垂という、通称「のどちんこ」と呼ばれる部位が見えてきます。
03
口蓋垂の先は咽頭と呼ばれる領域に入ってきます。
04
喉頭蓋を過ぎると声帯の先に続く気管支と食道の境目の部位に到達します。
05
梨状窩という食道の入り口から入った上部食道です。
06
気管支の走行が確認できる中部食道に入ってきます。
07
食道から胃の中に入っていく下部食道です。
08
内視鏡抜去時の帰り道では、光源をNBI(狭帯域光観察)に切り換えて詳細に観察していきます。
09
喉頭蓋を過ぎると声帯の先に続く気管支と食道の境目の部位に到達します。
10
上部食道まで戻ってきました。
11
声帯のある喉頭部のNBI観察です。
12
喉頭蓋が下部に見える咽頭部のNBI観察です。
13
口蓋垂のNBI観察になります。
14
左側に舌が見えるところまでNBIで観察していき、内視鏡を口から抜去して観察終了となります。
食道がん
早期の食道がんは、ほぼ自覚症状はなく、進行がんになると食道の管腔が腫瘍で塞がれるため、胸がつかえるような症状が出現します。
食道がんは、早期からリンパ節や他臓器に転移しやすいため、胃カメラ検査で早期発見し、早期治療するのが大切です。飲酒や喫煙をする方は、症状の有無にかかわらず一度は胃カメラ検査を受け、その後は定期的に検査することをお勧め致します。
逆流性食道炎・
食道裂孔ヘルニア
内臓脂肪の増加や年齢とともに食道と胃のつなぎ目の筋肉が緩み食道裂孔ヘルニアを起こすと胃酸が食道に逆流しやすくなり逆流性食道炎を起こします。胸やけ、胃痛、胃もたれ、嘔気・嘔吐、つかえ感、のどの違和感など様々な症状の原因となります。
食道・咽頭乳頭腫
食道や咽頭に見られる良性腫瘍です。
胃酸の逆流による慢性刺激が原因です。
食道粘膜下腫瘍
食道の粘膜より下にある深い層から発生する腫瘍です。
食道の粘膜下腫瘍は、ほとんどが良性腫瘍ですが、腫瘍が大きな場合や短期間でサイズや形態が変化する場合には、悪性の場合もあります。
食道異物
クスリの錠剤の包装や入れ歯などの異物を誤飲したり、大きな魚骨を飲み込んだ場合は、食道粘膜を傷つけるため、これらの異物を胃カメラで除去する必要があります。
03十二指腸の病気
01十二指腸球部
・・・
十二指腸上部の起始部
02十二指腸角
・・・
十二指腸球部から下行脚へとつづく折れ曲がりの部分
03十二指腸下行脚
・・・
十二指腸角から空腸の間の部分
04ファーター乳頭
・・・
胆汁の通り道である総胆管と膵液の通り道である主膵管が十二指腸に開口する部分
横スクロールでご確認いただけます。
01十二指腸球部前壁
胃の出口である幽門輪から出ると、十二指腸の入り口である十二指腸球部前壁が見えてきます。十二指腸潰瘍ができやすい部位であります。
02十二指腸角
十二指腸球部から下行脚と呼ばれる部位に入って行きます。
03十二指腸下行脚
十二指腸下行脚に入ったところです。ここから先が空腸となりますが、通常の上部内視鏡検査で観察できるのはここまでとなります。
04ファーター乳頭
十二指腸下行脚にあるファーター乳頭と呼ばれる肝臓や胆のう、膵臓からの管が合流して食べ物を消化する胆汁や膵液を分泌する部位となります。この部位にもファーター乳頭部がんが発生することがありますので、詳細に観察していきます。
十二指腸がん
十二指腸は胃や大腸と比べるとがんが出来にくいため十二指腸がんは稀な病気です。
胃カメラ検査での早期発見が大切です。
胃カメラ検査はつらいですか?
鎮静剤を使用しない胃カメラ検査は、個人差がかなりありますが、つらく感じる方が多い検査です。福岡天神内視鏡クリニックでは、鎮静剤を使用して検査を行うため、ウトウトと眠っている間に検査が終わるため、つらくない胃カメラ検査です。
多くの患者様が、検査後に「もう検査終わったの?」「本当に検査したんですか?」「お薬が入りますねって聞いた後は、気づいたらリカバリー室でした」などと驚かれます。苦しみと痛みに配慮した福岡天神内視鏡クリニックのつらくない胃カメラ検査を是非、ご体感下さい。
胃カメラ検査の際に鎮静剤は使用してもらえますか?
福岡天神内視鏡クリニックでは、胃カメラ検査を行う患者様全例で鎮静剤を使用した検査を行います。
ウトウトと眠っている間に検査が終わるため、本当につらくない胃カメラ検査です。
お薬のアレルギーや喘息や緑内障などの基礎疾患がある場合は、使用できない薬剤があるため、受診時に担当医へお申し出ください。
使用できない薬剤がある場合でも、使用可能なお薬を調整して検査を行いますのでご安心ください。
鼻からできる胃カメラ検査は対応していますか?
福岡天神内視鏡クリニックでは、鼻からできる胃カメラ検査(いわゆる経鼻内視鏡検査)は行っていません。経口内視鏡での胃カメラ検査のみを行っています。
経鼻内視鏡は口から入れる通常の胃カメラ検査(経口内視鏡検査)と比べるとスコープの直径が細いため、鎮静剤を使用しない場合は経口内視鏡検査よりも楽に検査を受けることが可能です。
しかし、経鼻内視鏡はスコープの直径が細く、経口内視鏡と比べて高性能で高画質のカメラが搭載できないため、内視鏡スコープ自体の性能が低く、病変部をズーム観察可能な拡大観察機能も搭載していないため精密検査には適しません。また、経鼻内視鏡は胃内に溜まった水や粘液を洗浄した後の水を吸引する能力も経口内視鏡に比べると低く、検査に時間が掛かるというデメリットもあります。
福岡天神内視鏡クリニックでは、鎮静剤を使用した検査を行うため、経口内視鏡を用いた胃カメラ検査でも全くきつくありません。胃癌などの早期発見に適しており、短時間で検査が終了する経口内視鏡での胃カメラ検査を強くお勧めいたします。
胃カメラとピロリ菌の関係性について教えてください
当院では胃カメラ検査の際にピロリ菌検査を行っています。また除菌対応まで対応しておりますのでご安心ください。詳細は下記よりご確認ください。
ピロリ菌検査・除菌治療その他の胃カメラ検査に関するよくある質問は下記にまとめさせていただきました。
よくある質問:胃内視鏡検査