今回、当クリニックでは、より多くの皆様に不安なく安心して大腸内視鏡検査を受けていただけるよう、検査前に行う食事内容の説明に対する理解度・実践状況を把握する目的として、検査前日に食べた食事内容についてアンケートを実施致しました。
アンケートにご協力いただきました皆様には厚く御礼申し上げます。
以下に、アンケート結果をご報告させていただきます。
調査期間:平成30年11月~令和元年10月
調査対象:当クリニックで大腸内視鏡検査を受けられた方 1000名
(男性:422名、女性:578名)
1位
白米
2位
うどん
3位
おかゆ
・食パン
・ロールパン
・卵またはハムの
サンドイッチ
1位
半熟卵
2位
かまぼこ
3位
ちくわ・ハム
・卵料理
(スクランブルエッグ、卵焼き、生卵)
・豆腐
・みそ汁
(具:豆腐、じゃがいも、たまご)
・コーンポタージュ
(コーンなし)
・じゃがいも
・はんぺん
・魚肉ソーセージ
・肉類
(鶏ムネ肉、鶏ササミ肉)
・魚類
(白身の焼き魚、鮭、シーチキン)
1位
ビスケット
2位
チョコレート
3位
プリン
・蒸しパン
・カステラ
・クラッカー
・バナナ
1位
あんこ類(あんパン、ぜんざい)
2位
漬け物、唐揚げ、ブロッコリー
・トマト
・キャベツ
・もやし
・ひじき
・アーモンド
・トマトの皮、種
・長ねぎ
・雑穀米
・果物の種
(メロン・キウイ)
・ごま
・白菜
・海藻類(わかめ・海苔)
検査前に食べた食事によって、腸内の残便状況も変化します。
今回は、検査前の食事内容に加えて、検査を受けられた方の残便状況も調査しました。
皆様の大腸内視鏡検査を担当した医師は、検査時の残便状況を以下の5段階に分類しています。
・レベル1(残便なし)
→今回該当者なし
・レベル2
(少量の残便)
・レベル3
(少量~中等量の残便)
・レベル4
(中等量~多量の残便)
・レベル5
(多量の残便で観察不可)
・レベル5
(多量の残便で観察不可)
アンケートの残便状況レベル別回答人数をグラフ化します。(アンケート回答人数:1000名)
残便状況レベル | 状態 | 該当者数 |
レベル1 | 無し | 0名 |
レベル2 | 少量の残便 | 313名(男性:138名、女性:175名) |
レベル3 | 少量~中等量の残便 | 621名(男性:267名、女性:354名) |
レベル4 | 中等量~多量の残便 | 47名(男性:13名、女性:34名) |
レベル5 | 多量の残便で観察不可 | 19名(男性:4名、女性:15名) |
(検査を行う際は、残便状況がレベル1~2であればベストですが、残便状況がレベル3以上であれば検査中の洗浄と吸引を駆使すれば観察は十分満足に行えます。)
アンケート結果は以上です。
今回は、食事制限に対する理解度・実践状況の把握を目的としてアンケートを実施致しました。
アンケート結果から以下のことが分かりました。
02 検査可能となる残便状況レベル2~3の方が93.4%を占めている
この2つから、検査前の食事内容の説明やホームページ内の食事の紹介ページ、お渡ししている食事内容を記載した参考資料通りに食事をすると、問題なく検査が受けられることが分かります。
ただ、例外として、全体の約1割は残便の多い方でした。その原因として、便秘の有無、個人の体質、説明に対する理解度が十分でなかったために食べてはいけないものを食べてしまったこと等が考えられます。
また、当院では各個人の
01 普段の排便状況
02 体格
03 性別
04 手術歴の有無
などにより洗腸剤の量を医師が調整して決めております。だいたい800~1500mlの洗腸剤の量で調整しております。そのため、医療者側の原因として、指示した下 剤の量が十分ではなかったこと、患者様への説明が不十分であったことが考えられます。
今回の結果を踏まえて、個人の排便状況に応じて下剤量の調整を行うとともに、検査前日食のイラスト付き参考資料を追加で作成し、検査を受ける方がより理解し やすいよう改善を図っていきたいと思います。
野菜類 | ブロッコリー、トマトの皮+種、キャベツ、もやし、長ねぎ、白菜、 |
海藻類 | わかめ、海苔、ひじき |
果物類 | メロン、キウイ |
その他 | あんぱん、ぜんざい、漬け物、唐揚げ、アーモンド、雑穀米、ごま |