
25.06.16
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GLP1ダイエットについて解説します!
おはようございます。医師の秋山です。 さて、最近、痩せ薬が巷で流行ってますよね。診療をしていると、痩せ薬を飲んでいる人が増えてきました。 痩せ薬がなぜこんなに広まったのでしょうか。 別名「GLP1ダイエット」とも呼ばれており、インターネットでのオンライン診療で気軽に購入できるようになってるからなんですよね。 薬を飲んで痩せることができるなんて夢のような話ですが、美味しい話には必ず裏があります。 そこで今回は、流行りの痩せ薬について話をしたいと思います! まず、薬について解説していきましょう。 今巷でよく飲まれている痩せ薬は、「GLP1受容体作動薬」と呼ばれる薬です。 元々はこの薬は糖尿病の治療薬になります。 メカニズムを説明しますと、我々が食事をすると、血糖値が上昇してきます。 すると、小腸からGLP1というホルモンが分泌されます。 血糖値を下げるホルモンはインスリンと呼ばれますが、このインスリンは膵臓から分泌されますよね。 小腸から分泌されたGLP1が、膵臓の細胞に存在するGLP1受容体にくっつくことにより、インスリンが分泌され、血糖値を下げてくれます。 GLP1受容体作動薬は、膵臓の細胞に存在するGLP1受容体を刺激することにより、インスリンの分泌を促して血糖値を下げてくれる、というわけです。 ここまでは分かりますね。 それでは、そんな糖尿病の薬がなんでダイエットに効果的なんでしょうか。 実はGLP1受容体は、膵臓だけでなく、脳、心臓、腎臓など、色んな臓器にも存在しています。 脳にある満腹中枢にこの薬が働きかけ、満腹感を持続させ、食欲を抑えてくれます。 さらに胃腸にも働きかけ、胃腸の動きを悪くするんです。これにより食べ物が胃の中にずっと残りますので、食事をしたくなくなるんですね。 ですので、この薬を飲んでいる患者さんの胃カメラを行うと、胃の中に大量に食べたものが残っています。 つまり、GLP1ダイエットとは 薬を飲む→満腹感が持続し、さらに胃の中に食べ物がいつまでも残る→食欲がなくなり食べなくなる→痩せる というメカニズムで痩せていきます。 ちなみに、GLP1受容体作動薬を飲むことで7~10%程度の体重減少が期待できるとのことです。 しかしながら副作用の報告もあります。 有名な副作用としては ・急性膵炎 ・腸閉塞 ・急性胆嚢炎、胆管炎 です。 GLP1受容体は様々な臓器に存在しており、これから様々な臓器での副作用が報告される可能性があるのではないかと思います。 痩せ薬を処方する医師も、飲む人も、副作用についてよく理解する必要があると思います。 以上、痩せ薬の解説でした。 それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。