一般診療
GENERAL PRACTICE

食道静脈瘤

食道に関する項目

食道静脈瘤って何ですか?

食道の粘膜内や粘膜下層には静脈という血管が存在しますが、この静脈がコブのように太く膨らんだ状態になったものを食道静脈瘤といいます。

食道静脈瘤の原因は何ですか?

私たちは、心臓から打ち出した酸素と栄養を含んだ綺麗な血液を動脈を流れて全身の細胞に送り、生命活動を行っています。細胞が生命活動を行うと二酸化炭素と老廃物が発生しますが、これらの汚れた血液は静脈を流れて肝臓と肺へ運ばれて再度綺麗な血液へ浄化されています。肝臓には全身からの血液が運ばれてきますが、このときに通る肝臓に繋がる最も太い静脈血管を門脈といいます。
B型肝炎やC型肝炎といったウイルス性肝炎やアルコール性肝炎、脂肪性肝炎などが原因で慢性肝炎になると、繰り返す炎症で肝組織に線維化が生じ、肝臓自体が硬くなる肝硬変の状態になります。肝臓が硬くなると、全身からの静脈血が肝臓に戻りにくくなるため、門脈の血圧が上昇する門脈圧亢進症という状態を起こします。門脈圧亢進症では、静脈血が肝臓に戻りにくくなるため、迂回路として食道や胃の静脈を経由して肝臓を通らずに心臓に戻ろうとする動きが起こります。
多量の静脈血が細い食道の静脈へ流れ込んだ結果、血管がコブのように太く膨らみ食道静脈瘤が形成されます。

食道静脈瘤にはどんな症状があるの?

食道静脈瘤自体には、自覚症状はありません。しかし、風船と同じで静脈瘤に多量の血液が流れ続けたり、血管表面の粘膜に傷がついたりすると、静脈瘤は破裂します。静脈瘤が破裂すると、非常に大量の出血がおこるため、吐血や下血を来します。止血が得られないと血圧低下からショック状態となり、死亡することも多い怖い疾患です。

食道静脈瘤はどうやって診断するの?

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)で診断します。
食道静脈瘤自体は、自覚症状が無いため、人間ドックなどの胃カメラ検査(胃内視鏡検査)で偶然見つかる事もあります。静脈瘤が偶然見つかった場合は、肝臓や膵臓に門脈圧亢進症の原因となる肝硬変や膵臓がんなどの疾患が無いかをCT検査などで調べる必要があります。また、血液検査でウイルス性肝炎が無いかなども調べる必要があります。

食道静脈瘤はどうやって治療するの?

食道静脈瘤がある場合は、定期的な胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を受け、太さが増していないか、表面粘膜に発赤を認め、破裂しそうな兆候が無いかなどをフォローする必要があります。食道静脈瘤は破裂すると致死的な経過を取ることが多いため、破裂するリスクが高くなった場合は、予防的に治療を行います。
内視鏡を用いた治療方法としては、次のようなものがあります。

1) 内視鏡的静脈瘤結紮術(Endoscopic variceal ligation:EVL)
胃カメラを用いて食道静脈瘤を小さな輪ゴムでしばり血流を遮断する治療方法

2) 内視鏡的静脈瘤硬化療法(Endoscopic injection sclerotherapy:EIS)
胃カメラを用いて食道静脈瘤に硬化剤という血管を固めるクスリを注射し、血流を遮断する治療方法

福岡天神内視鏡クリニック消化器福岡博多院の胃カメラ検査(胃内視鏡検査)の特徴

食道静脈瘤は破裂すると致死的な経過を取る非常に怖い病気です。
このため、食道静脈瘤を指摘された場合は、血管の太さが急激に増大していないか、表面に発赤などの変化が出てきていないかなどの破裂の兆候がないかを定期的に胃カメラ検査(胃内視鏡検査)でフォローアップすることが必要です。
福岡天神内視鏡クリニック消化器福岡博多院では、「苦しさと痛みに配慮した胃大腸内視鏡検査」を患者様に提供することを第一に考え、皆様から検査後に「思った以上に楽だった」と思っていただける内視鏡検査を実践しています。福岡天神内視鏡クリニック消化器福岡博多院の内視鏡専門医は、臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知しております。これまで培ってきた内視鏡技術の経験を十分に活かし、検査を行っています。安心してお任せください。
また、最新の機器を使用し、その知識と技術を駆使して正確な内視鏡診断を行っています。皆様が消化管がんにかかり健康を損ねることがないよう最大限のサポートが出来るよう日々努力しております。まずはお気軽にご相談ください。

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。