違い01検査前の前処置の違い
「経鼻内視鏡検査」は狭い鼻の穴を通さないといけないため、鼻の穴を麻酔すると同時に狭い穴を広げる作業が加わり、さらには鼻の穴には毛細血管が非常に多くあるため鼻出血防止のため血管収縮剤の点鼻が必要になるなど前処置がかなり煩雑になってしまいます。
「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」は検査直前に約10秒間喉の麻酔をするだけと非常に前処置が簡易となっております。
動画で分かる「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」と 「経鼻内視鏡検査」の違い
「経鼻内視鏡検査」は狭い鼻の穴を通さないといけないため、鼻の穴を麻酔すると同時に狭い穴を広げる作業が加わり、さらには鼻の穴には毛細血管が非常に多くあるため鼻出血防止のため血管収縮剤の点鼻が必要になるなど前処置がかなり煩雑になってしまいます。
「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」は検査直前に約10秒間喉の麻酔をするだけと非常に前処置が簡易となっております。
「経鼻内視鏡検査」は基本的には鎮静剤を使用しません。
「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」は各人に合わせた適量の鎮静剤を使用し、ウトウトしながらの検査となります。
胃カメラで「つらい、苦しい」と感じるのは次の3点に集約されます
「経鼻内視鏡検査」は鼻からのどに直接カメラが入るため、舌の付け根を通過しません。
そのため咽頭反射が比較的少ないとされています(上記の01が比較的少ないと言われています)。
のどは通常通り通過しますので、のどの圧迫感と接触感は最後まで続きます。
胃の中を詳細に観察するために胃の中に空気を入れて膨らませますが、鎮静剤を使用しない検査の場合、
人は胃にパンパンに空気を入れられると約30秒を過ぎてくると腹部に張り裂けそうな膨張感を感じ、
それを解消するために反射的にゲップをしてしまうと言われています。
胃カメラで最も大切なことは「詳細に観察する」ということに尽きると思います。
そのためには胃の中に空気を十分に入れて、ヒダとヒダの間をきちんと広げて詳細に観察しなければなりません。
空気を十分に入れてヒダとヒダの間を広げないと微細な色調の変化だけの早期の胃がんは容易に隠れてしまい、発見することが難しくなってしまいます。
鎮静剤を使用しない検査の場合、
「空気を入れてヒダを伸ばしている間、張り裂けるような膨満感やゲップしたい状態を我慢していただく」か
「苦しさからゲップがどうしても我慢できず、詳細な観察ができないまま検査が終わってしまう」かの
どちらかになってしまうことが多くなってしまいます。
当然ですが、鎮静剤を使用していても経験の少ない医師が検査を行ったり、丁寧で細やかな内視鏡操作を徹底しないと、
すぐに目が覚めてしまい、苦しくてつらい検査となってしまいます。
鎮静剤を使用しない「経鼻内視鏡検査」は検査後休憩することなくすぐに帰宅できるという利点があります。
鎮静剤を使用すると検査後1時間程度お休みいただく必要がありますし、その後の車の運転ができないなどのデメリットがあります。
鎮静剤の扱いは非常に難しく熟練を要し、検査後のお休みするお部屋も必要となり、鎮静剤を上手く使用するのが難しいため、
画質の粗さや光源の明るさには目をつぶって経鼻内視鏡検査を導入する医療機関が多くなっているのが現状です。
鎮静剤でウトウトしている状態であれば胃に十分空気を入れても、膨張感を感じることなく、ヒダとヒダの間まできちんと詳細に観察することが可能となります。
鎮静剤を使用していない検査の場合、胃に空気を入れようとすると膨張感を感じ、我慢できなくなり自然とゲップが出てしまうことが多くなります。ゲップをしてしまうと十分に胃が膨らまず、ヒダとヒダの間をきちんと観察できなくなり、微細な早期胃がんは容易にヒダの間に隠れてしまいます。
「経鼻内視鏡検査」で使用する内視鏡スコープは、毛細血管が非常に多くある出血しやすい狭い鼻の穴の中を通さないといけないため、出来るだけ細い内視鏡スコープしか使用することができません。スコープが細くなるための代償として「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」で使用するハイビジョン内視鏡スコープと比較して視野が狭く、光源の明るさも暗くなってしまい、そして何より画像の解像度が低くなるのが一番の問題だと言われております。
「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」で使用するハイビジョン内視鏡には「100倍ズーム機能」も付いているため、早期胃がん・食道がんが疑われるような病変が認められた時にはその場で100倍に拡大して詳細に病変を観察することが可能となります。
疑わしい病変部位にインジゴカルミンという青色の特殊な医療用染色液をかけると凹凸がよりはっきりとして、病変がより一層認識できるようになります。
ハイビジョン内視鏡スコープは「100倍ズーム機能」を検査時にその場で使用することが可能となっております。疑わしい病変部位を瞬時に100倍に拡大することができ、より詳細な観察が可能となります。
胃カメラでの観察で重要なのは
「胃内にある粘液を丁寧に洗い流して、微細な粘膜模様をきちんと詳細に観察するということ」です。
ウォータージェット付きのハイビジョン内視鏡ならボタン一つで水を内視鏡の先端から強弱を調整して出すことができますので、より簡易に粘液を洗い流すことが可能です。
さらには洗い流した洗浄液を鉗子口が大きいハイビジョン内視鏡スコープであれば短時間で吸引することができ、その余った時間を詳細な観察に回す事ができ、より長い時間観察が可能となります。
ピロリ菌がいる方で胃の荒れが強い場合は、内視鏡前に粘液除去剤を服用してもらっても胃内に粘液が多量に残ることがあります。このような場合はハイビジョン内視鏡に付いているウォータージェット機能で粘液を即座に洗い流すことが可能です。
ハイビジョン内視鏡のスコープ先端にはボタン一つで高速の洗浄水が出てくる「ウォータージェット機能」が備わっていますので、短時間で粘液を洗浄して観察を詳細に行うことが可能となります。
検診などでの「経鼻内視鏡検査」で胃がんや食道がんが疑われる場合には「100倍ズーム機能」が付いた高詳細ハイビジョン内視鏡での再検査が必要となってしまいます。最初から拡大観察機能の付いたハイビジョン内視鏡を用いて検査をしていると、再検査の回数を減らす事が可能となります。
ハイビジョン内視鏡の高詳細画像ではこのようなわずかな色の変化の退色のみを示す微細な早期胃がんでもきちんと認識することが可能となります。画質の粗い「経鼻内視鏡検査」ではこのような病変の認識は非常に難しいと思われます。
100倍ズーム機能で拡大観察すると、より詳細に退色(色が少し薄くなっている)部位としてがん病変を認識することが可能となります。ハイビジョン画質で拡大機能が付いていればこその診断可能な病変と思われます。
「経鼻内視鏡検査」は狭い鼻からカメラを挿入して、のどの途中(中咽頭)からカメラが出てきます。
「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」では口からカメラを挿入して口の中、舌、口蓋垂(のどちんこ)、扁桃腺、上咽頭(のどの始まり)と観察していき、喉の真ん中である中咽頭に進んでいきます。のどの途中からカメラが出てくる「経鼻内視鏡検査」では上咽頭(のどの始まり)や扁桃腺、舌などの観察が出来ません。
違い4でも述べたように狭い鼻の穴を通さなければならない内視鏡径の細い「経鼻内視鏡検査」では組織採取の際に使える生検鉗子も小さいものしか使用できないため、採取した組織が小さいものとなり、十分な組織診断ができない可能性もでてきます。
上記の点から、胃カメラであれば1年に1回の内視鏡検査間隔の方が多いとおもわれますが、1年365日のうち、内視鏡後に1,2時間の休憩も取ることが
できないぐらいお忙しい方は「経鼻内視鏡検査」を、
鎮静剤を使用して検査後に1,2時間ぐらい休憩を取ることができる方は
「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」を選択されるのが良いかと考えます。
健診などで導入されている「経鼻内視鏡検査」ですが、事前準備の煩雑さや検査精度の低さなど、
実際には知られていない検査の実際を動画で詳細に解説しております。