痔核(切れ痔、いぼ痔)
その他部位に関する項目
痔は、排便をする時にいきんだり、長時間座ったりするなど、普段の生活で肛門に負担がかかることにより、肛門の粘膜や皮膚が裂けたり、図にある内痔静脈叢や外痔静脈叢に血が溜まって血行障害が起こり、痔ができてしまいます。
痔は、「切れ痔」「いぼ痔」「痔ろう」の3つに分かれます。「いぼ痔」はさらに「内痔核」と「外痔核」に分かれます。
- 「切れ痔」
肛門の出口付近の皮膚が切れることによる起こります。別名「裂肛」と呼ばれます。 便秘により硬い便が通過したり、水様下痢便が勢いよく通過したことが主な原因です。 直腸と肛門の境界線である歯状線よりも外側が切れることがほとんどでです。
- 「いぼ痔」
その名の通り、肛門にいぼ状の血管の腫れものができます。歯状線より内側にできるいぼを「内痔核」、外側にできるいぼを「外痔核」と言います。
- 「痔ろう」
肛門と、肛門近くの皮膚をつなぐトンネルができることを言います。下痢などによって肛門周囲の組織に細菌が侵入することが原因です。
痔の症状は、痔の種類により若干異なります。
- 「切れ痔」
・排便時の強い痛み
・排便時の真っ赤な出血
- 「いぼ痔」
・排便時の強い痛み
・排便時の真っ赤な出血
・肛門からいぼが脱出する
- 「痔ろう」
・肛門周囲の疼くような痛み
・熱が出る
・お尻から膿が出る
A.生活習慣の改善
痔の治療の基本となる治療です。痔が治っても再発しないように、普段から生活習慣の改善を目指します。
・便秘に気をつける
・下痢に気をつける
・排便時に強くいきまないようにする
・お風呂に入り、肛門を清潔に保つ
・長時間の座りっぱなしに気をつける
・定期的に運動する
B.薬物療法
痔による出血や痛みが強い場合、座薬や軟膏などの外用薬を使い、症状を和らげます。
C.手術療法
上記のような保存的治療でも症状が改善しない場合、手術療法を行います。
手術療法には、以前は痔を結紮して切除する治療が主流でしたが、最近は、痔を切らずに治す、注射療法が注目されています。
大腸内視鏡検査を行い、痔を発見したら、痔の種類や大きさの評価をすることができます。
当院では、「苦しさと痛みに配慮した胃大腸内視鏡検査」を患者様に提供することを第一に考え、皆様からら検査後に「思った以上に楽だった」と思っていただける内視鏡検査を実践しています。当院の内視鏡専門医は、臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知しております。これまで培ってきた内視鏡技術の経験を十分に活かし、検査を行っています。安心してお任せください。
また、最新の機器を使用し、その知識と技術を駆使して正確な内視鏡診断を行っています。皆様が消化管がんにかかり健康を損ねることが無いよう最大限のサポートが出来るよう日々努力しております。まずはお気軽にご相談ください。
「もしかしたら痔があるかも」と、悩んでいる方へ
自己判断や放置は禁物です!
「痔があるかもしれない」と思っている方、「検診の便潜血検査で陽性だった」、「最近、排便の時に出血する」、「紙で拭いたら真っ赤な血がついた」場合は消化器内科を受診し、診察の上、必要な検査を受けましょう。
秋山 祖久医師
国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。