一般診療
GENERAL PRACTICE

便秘、便秘症

大腸に関する項目
便秘症は老若男女問わず認める症状の一つです。
数日に1回の排便でも不快を感じることがない人もいれば、毎日排便があっても残便感に悩まされている人もいます。便秘は排便の回数によらないものです。
この「便秘症」が起こるには何らかの原因が存在します。

自己判断で様子を見ずに消化器内科を受診して、その原因を調べてもらいましょう。
どういった疾患が疑われるかについて解説します。

便秘の種類にはどんなものがありますか?

便秘の原因は人によって様々です。便秘は大きく「機能性便秘」と「器質性便秘」に分けられます。

機能性便秘

弛緩性便秘

日本人に一番多いタイプです。運動不足などにより、便を押し出すために必要な筋力が弱まっていたり、排便に必要な腸の蠕動運動が弱まることにより、便が大腸内に長時間とどまって水分が過剰に吸収され、カチカチの便となってしまいます。残便感や腹部膨満感が強く出るのが特徴です。

けいれん性便秘

自律神経である副交感神経が過度に興奮し、腸が緊張しすぎてしまい、腸の筋肉がけいれんすることで便がうまく運ばれず、うさぎの糞のようなコロコロした便が出ます。便秘後に下痢することもよくあるのが特徴です。

直腸性便秘

便が直腸に到達しても排便反射が起こらず、直腸に便がたまります。高齢者に多く、その他痔核や恥ずかしさで排便を我慢する方もこのタイプです。下剤や浣腸を多用する方もこのタイプになるので要注意です。

器質性便秘

大腸内に、ポリープやがんなどの腫瘍性病変があり、これにより便の通り道が妨げられ、便秘となるものを指します。放っておくと病気が進行し、便の通り道が完全に閉塞し、腸閉塞をきたすことがあります。

どのタイプの便秘も、私たちの食生活や運動などの生活習慣と密接に関わっています。
特に、昨今のストレスフルな生活環境では家に閉じこもりがちとなり、食生活や運動習慣に乱れが生じることにより、便秘となりがちです。

便秘症の定義について

今までは「便秘」の定義として「3日以上排便がない状態、あるいは毎日排便があっても残便感がある状態」となっていました。これは内科学会が発表していた定義です。

そして2017年に、日本消化器病学会が慢性便秘症のガイドラインを新しく作成しました。
そこでは、「便秘」と「便秘症」をそれぞれ分けて定義しています。

「便秘」の定義は
「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」となっています。
一方、「便秘症」の定義は
「便秘による症状が現れ、検査や治療を必要とする場合であり、その症状として排便回数減少によるもの(腹痛、腹部膨満など)、硬便によるもの(排便困難、過度の怒責など)と便排出障害によるもの(軟便でも排便困難、過度の怒責、残便感とそのための頻回便など)がある」となっています。

簡単にまとめると、きちんとした量の便が、スムーズに出ないことが「便秘」であり、
この「便秘」により、様々な腹部症状が出現し、精密検査や治療が必要であるのが「便秘症」です。

便秘症の原因(考えられる病気)について

大腸がん

大腸がんとは、大腸にできた「悪性のできもの」のことです。「大腸がん」がどこまで深く到達しているかによって、「早期がん」と「進行がん」に分けられます。具体的に説明すると、大腸の筋肉(筋層と言います)まで到達すると「進行がん」となります。「進行がん」になると、周囲の臓器やリンパ節に転移する確率が非常に高くなり、生命予後に大きく関係してきます。

巨大結腸

大腸が著しく拡張する病気です。原因としては、膠原病による大腸の筋肉の障害、パーキンソン病などの神経疾患などです。下剤の使いすぎにより巨大結腸をきたす場合もありますので注意が必要です。

過敏性腸症候群

ストレスなどが原因で、腸の蠕動運動に異常が起こり、お腹の痛みを伴う慢性的な下痢や便秘などの便通異常を引き起こす病気です。「下痢型」「便秘型」「混合型」「分類不能型」の4つの型に分けられます。

薬剤性(向精神病薬、オピオイド系薬など)
精神科で使う薬や、がんの痛みに対して使う痛み止めの薬などは、副作用で便秘になることがよくあります。このため、初めから便秘薬を併用することがあります。

膠原病

皮膚、筋肉、関節などに存在するコラーゲン繊維に対し、なんらかの原因で慢性的に炎症が起こり、様々な症状を認める病気です。腸にも慢性的に炎症が起こって腸が硬くなり、腸の動きが悪くなって便秘になることがあります。

糖尿病

糖尿病が悪化すると、自律神経の働きが障害されます。自律神経の機能の1つに、胃腸の動きをコントロールしていますので、糖尿病で自律神経の働きが障害されることにより、胃腸の動きが悪くなり、便秘になることがあります。

甲状腺機能低下症

甲状腺は、人間の体の新陳代謝を促す作用がありますが、その他にも、体温調節や、胃腸の動きの活性化も行なっています。甲状腺の機能が低下することにより胃腸の動きが弱くなって便秘になることがあります。

便秘症になった場合どうしたら良いの?

症状がある場合は、絶対に放置せず必ず消化器内科を受診しましょう。自分で判断し、様子をみるのは大変危険です!!
便秘症は、腸に問題があるときに出現しやすい症状ですが、それ以外にも様々な全身の病気で出現する場合があります。このため、必ずしもお腹が原因とは限りません。基礎疾患の悪化や内服中のお薬の副作用による症状の可能性もあります。基礎疾患に関しては、まずはかかりつけ医に相談しましょう。
基礎疾患の悪化や薬の副作用でない場合は、大腸がんなどの消化器疾患が隠れている場合もあります。その場合は、まずはおなかに病気が隠れていないかを消化器内科を受診して調べてもらいましょう。
おなかに原因がない場合は、他の疾患の可能性も考えましょう。
特に食事が食べられないぐらい症状がひどい場合や痛みを伴う場合は、早急に病院を受診しましょう。

当クリニックの内視鏡検査の特徴

症状の原因が特定できれば、治療が可能ですが、診断の為には、内視鏡検査での原因検索が必要です。
当院では、「苦しさと痛みに配慮した胃大腸内視鏡検査」を患者様に提供することを第一に考え、皆様からら検査後に「思った以上に楽だった」と思っていただける内視鏡検査を実践しています。
当院の内視鏡専門医は、臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知しております。これまで培ってきた内視鏡技術の経験を十分に活かし、検査を行っています。安心してお任せください。
また、最新の機器を使用し、その知識と技術を駆使して正確な内視鏡診断を行っています。皆様が消化管がんにかかり健康を損ねることが無いよう最大限のサポートが出来るよう日々努力しております。まずはお気軽にご相談ください。

今、便秘症があり、悩んでいる方へ

自己判断や放置は禁物です! まずは原因特定のために検査を受けましょう。
便秘症がみられる病気はいくつかありますが、「ただの便秘だと自分自身で思い様子を見ていたが、症状がひどくなったので、気になって検査したところ、実は大腸がんが原因だった・・・」などというケースもあります。自己判断はとても危険です。
自己判断や放置はせず、下記のような症状が出ている方は、是非、お早目に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けましょう。

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。