【要注意】腸漏れになりやすい代表的な食事・食べ物4選を紹介
近年、腸漏れやリーキーガット症候群といった言葉を耳にする機会が増えました。簡単に言うと、腸漏れとは腸管上皮細胞というものがあって、その細胞と細胞の間が離れてしまい、そこから悪玉菌や善玉菌、ウィルス、アレルギー物質などいいものも悪いものも全て漏れて出てしまう状態のことを言います。
どんなに普段の食事に気を付けたり、十分な栄養素を摂ることに注力するよりも、まずは自身の腸環境を整えないと栄養を吸収できないため無駄な努力になってしまいます。そのため腸内環境をよくしなければなりませんが、腸漏れが起きてしまうと疲れやだるさといった不調が生じてしまうことがあります。
今回は、これらの食べ物を摂りすぎると腸漏れになる危険性が高い、気をつけたい食べ物4選をご紹介します。ただし、世の中には腸漏れになりやすい食べ物が非常に多いため、普段の食事から完全に排除するのはなかなか難しいです。知らず知らずのうちに食べていたということもあるため全く食べるなとは言えませんが、意識することで食べるのを減らすことはできます。ぜひ参考にしてみてください。
腸漏れ(リーキーガット症候群:Leaky Gut Syndrome)とは、腸管漏出症候群とも呼ばれ、小腸の壁に微小な穴や隙間ができ、通常であれば腸内に留まるべき未消化の食べ物や毒素、細菌などといった物質が血流に漏れ出す状態のことを指します。
腸の壁は通常、選択的なバリアとして機能し、栄養素が吸収されて不要なものは排除されるようになっています。しかしながら、腸壁が損傷したりバリア機能が弱まったりすると、腸内にある有害な物質が血液中に入り込むことがあり、これが免疫反応を引き起こして炎症を引き起こすとされています。
腸漏れで生じる主な症状としては、腹痛や腹部膨満感、食物不耐症、慢性的な疲労、皮膚の問題(湿疹、にきびなど)、関節痛、自己免疫疾患の悪化、息切れ、抜け毛、不眠症、記憶低下、喘息、過敏性腸症候群などがあると言われています。
腸漏れの原因としてはいくつかありますが、主なものとしては次のような要因があるとされています。
仕事や日常生活における慢性的なストレスにより、腸のバリア機能が弱められることによって腸漏れが生じることがあります。
腸内フローラ(腸内細菌群)のバランスが崩れると、腸のバリア機能が損なわれることがあります。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やピル、抗生物質の長期使用などによって腸壁に悪影響を及ぼすこともあるようです。
アルコールの過剰摂取や高脂肪食や加工食品の摂取、食物繊維の不足等により、腸内環境が乱れることで腸漏れに発展することがあります。
腸漏れを起こしやすい食べ物として、特に気をつけたいものが次の4つです。
まず1番に気をつけたいのが「小麦」です。食事としてはいわゆる粉もので、ラーメンやパスタ、ピザ、たこ焼き、お好み焼きなどが挙げられます。小麦を含む食べ物を毎日食べていると、腸漏れを起こしやすくなると言われていますが、普段の食生活でゼロにするのはほぼ不可能です。
なぜ小麦が腸漏れの原因になるのかというと、小麦に含まれている「グルテン」が原因です。グルテンの語源はラテン語で「のり(糊)」を意味するグルから来ています。
このグルテンに水を加えて練り込んでいくと粘り気が出てくるのですが、これがグルテンの正体で糊みたいに腸壁にベタベタくっついてしまうために、消化されにくくなってしまいそのまま腸内に留まってしまうと言われています。
腸に留まったグルテンが腸管の細胞と結合すると、細胞から「ゾヌリン」というたんぱく質が分泌されます。これが細胞と細胞の間を緩くしてしまい腸漏れの原因となってしまうのです。
グルテンには、麻薬と同じような中毒作用が確認されています。そのため、小麦を食べるとドーパミンが放出されて脳が興奮作用を起こし、もっと食べたいという気が起きてしまうため、できれば毎日は食べない方がいい食べ物のひとつです。どうしても小麦を使った食事が食べたくてしょうがない場合には、選択肢としてグルテンフリーの食材もあるので、そちらで代用するようにしてみるとよいでしょう。
2つ目が「乳製品」です。これも腸漏れを起こしやすい食物のひとつです。ただし、乳製品は小麦と違って避けやすいかもしれません。たとえば、毎日牛乳を飲む人であれば豆乳製品で代用ができます。
乳製品が腸漏れの原因となる理由としては、牛乳に含まれている「カゼイン」の影響があります。カゼインは牛乳の成分の約80%を占めるタンパク質で、α-カゼインとβ-カゼインとがありますが、牛乳はα-カゼインを多く含んでおり、人体ではほとんど消化されません。未消化のカゼインが腸内まで運ばれていくと、炎症性のサイトカインを誘発し腸内で炎症が起こります。炎症が起こることによって腸管上皮細胞と細胞の間が緩くなり、腸漏れが起こります。その結果、便秘や下痢といった便通異常の原因になるとも言われています。ちなみに母乳はβ-カゼインで体内にて消化できます。
このカゼインもグルテン同様モルヒネと似た物質が生成されるため、中毒作用が出てきますので注意が必要です。
3つ目は「白砂糖」です。この白砂糖は料理の調味料として使うだけでなく、お菓子やジュースにも多く使用されており、腸漏れを生じさせる危険性の高いものです。高糖質な食事を2日摂っただけで、短鎖脂肪酸の産生が低下し腸漏れが起こるようになったという報告もあります。
そんな白砂糖ですが、悪玉菌の格好の餌となるくらい好まれるものであり、白砂糖をたくさん摂ると悪玉菌が増殖し、腸内環境が悪くなってしまいます。それに加えて、腸内に常在しているカンジダ菌というカビも白砂糖を非常に好むため、カンジダ菌の餌にもなると言われています。
カンジダ菌は、普段は腸内でおとなしくしている菌で、大腸カメラによる検査を行ってもわかりません。しかし、白砂糖を摂り過ぎて悪玉菌が増え、腸内環境が悪くなってしまうと、カンジダ菌が異常に繁殖して菌糸を伸ばし始めます。そしてカンジダ菌が腸の粘膜に張り付いてしまうと有害物質を放出し、腸漏れが発生してしまうことがあります。
3-3-1. ごはん1杯=角砂糖14個分って本当?
たとえば、ごはん1杯(150g)では糖質が53.4gにもなります。これは角砂糖およそ14個分に相当するため、かなりの高糖質と言わざるを得ません。白砂糖はなかなか避けるのが難しいと思いますが、普段から摂取量を意識しておきたい食材のひとつです。
4つ目は「人工甘味料」です。これはジュースなどの製品の裏に記載されているので見たことがある人もいると思いますが、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファム、カリウムなどが該当します。
人工的、または科学的に甘みを作ってしまったものは、小腸内では消化吸収されずそのまま大腸まで届いてしまいます。大腸まで人工甘味料が到達した場合、悪玉菌が人工甘味料を好むために悪玉菌が増え、腸の免疫バリア機能を低下させて腸漏れを起こしてしまいます。
耐糖能(体が糖質をどの程度効率的に処理できるかを示す能力)の低下が起こると、血糖値が上がりやすくなってしまい糖尿病を誘発してしまいます。2022年6月には、人工甘味料を2週間摂取すると腸内細菌叢が変化して耐糖能が低下し、糖尿病にもなりやすくなるとされる論文も出ています。
ちなみに、カロリーオフやカロリーゼロといったドリンクの中には十分甘みがあるものもありますが、人工甘味料が入っているため腸にとってはよくありません。砂糖を摂りたくないからノンシュガーを選択したものの、よく見たら人口甘味料だったりすることは多いと思いますが、どちらかというと砂糖よりも人口甘味料のほうが腸にはよくないです。
ただし、甘味料の中でも天然由来のラカンカやステビアであれば、カロリーも低く血糖値の影響も少ないためそれほど問題はありません。
以上、腸漏れとはどのようなものなのか?また腸漏れになる危険性が高い食事・食材などについて紹介してきました。
小麦、乳製品、白砂糖などはいずれも、日々の食事で完全に排除することは難しいと言わざるを得ませんが、毎日のルーティンに小麦、乳製品、白砂糖、さらには人工甘味料を含む食べ物は、腸漏れ予防のためにできるだけ控えるようにしましょう。ただし、嗜好品としてたまに食べる程度であれば問題ありません。
「癌にならない腸活実践メルマガ講座」では、がんで亡くなる人・苦しむ人を一人でも多く減らすために日常生活の中で実践できる
・免疫を上げる方法
・正しい腸活の知識
・腸内環境とお肌の関係
・健康的なダイエット方法
・乳酸菌のすごい効果
などを、腸の専門医が毎日メールでお届けいたします。
免疫力をアップして、いくつになっても健康的な毎日を過ごしたい方におすすめの内容になってますので、気になる方はぜひ記事下のバナーをクリックしてお申し込みください。
↓↓
この記事を書いた人
秋山 祖久医師
国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。