内視鏡医師の知識シリーズ
ENDOSCOPIST DOCTOR'S KNOWLEDGE SERIES

検査でポリープがあると診断されたら?胃ポリープ・大腸ポリープとはどんなものか詳しく解説!

会社の健康診断で「胃にポリープができている」「大腸ポリープがある」と言われたら、「がんになるのではないか?」と不安になる方もいるのではないでしょうか。ポリープがあるからといってがんになるとは限りません。ポリープには腫瘍性と非腫瘍性のものがあり、非腫瘍性のものであればがん化する可能性は非常に低いものです。

とはいえ、ポリープがあると診断されれば、できるだけ早くそのリスクを取り去りたいと思うのは当然です。

今回は、ポリープとはどのようなものなのか?また代表的な胃ポリープ・大腸ポリープについて詳しく見ていきます。

1. ポリープについて

人体模型
まず「ポリープ」とは病名ではありません。広辞苑第6版によるとポリープとは「皮膚・粘膜などの面から突出し、茎をもつ卵球場腫瘤」の総称を言います。ポリープの形はさまざまあり、イボ状のものやキノコ状のものなど形状はいくつか存在します。一般的には大腸ポリープが有名ですが、実際には大腸以外にも胃や食道、胆のう、声帯など体のさまざまな場所にポリープはできます。

主に内視鏡検査で発見されるポリープとして、胃ポリープと大腸ポリープがありますが、それぞれの治療方針は大きく異なります。ポリープの中には腫瘍でないものも含まれますが、ポリープを放っておくとがんになるリスクが高いため、切除することによりがん予防につながります。

ここからは、胃ポリープと大腸ポリープについてさらに細かく解説していきます。

2. 胃ポリープについて

病理検査
胃ポリープは、胃の粘膜上皮部分に発生する良性・隆起性の病変を言います。
この胃ポリープには大きく分けて「過形成性ポリープ」と「胃底腺ポリープ」があります。

2-1. 過形成性ポリープ

胃の過形成性ポリープとは、ピロリ菌陽性でかつ萎縮性胃炎のある胃によくできる最大2~3cmほどのポリープを言います。胃粘膜上皮の下部分にある粘膜固有層にて炎症が起き、炎症細胞が集積した結果、組織の容積が過形成することにより形成されるものです。

過形成性ポリープは年齢の高い方のほうがピロリ菌感染率が高いことから高齢者に多く見られます。単発または2~3個発生するケースが多く、がん化する可能性はかなり低いものの、がんになることもまれにあります。

この過形成性ポリープは基本的に治療は行われずに経過観察措置が取られます。

2-2. 胃底腺ポリープ

一方の胃底腺ポリープですが、過形成ポリープとは反対にピロリ菌陰性の綺麗な胃に発生する2~3mmの小さなポリープであり、数多く発生することが多いポリープです。まれに異形成といってがんに近い組織になることはありますが、がん化する頻度は極めて低く、定期的に内視鏡検査を行い経過観察にてポリープが大きくならないかどうか見ていくことが大事になります。

胃にポリープがあると言われた場合には、ほぼ治療する必要がなくあまり心配する必要はありません。2cm以下の胃ポリープであれば基本的に経過観察措置が取られますが、2cm以上のポリープの場合にはがん化するリスクを考慮し、切除しておく必要があります。

特に悪性の疑いがある場合には、胃ポリープの組織の一部を採取して顕微鏡検査を行います。胃カメラ(上部内視鏡検査)が苦手という人も多いですが、上記の症状が続くなど気になる方は胃カメラによる検査を受診することをおすすめします。

2-3. 胃ポリープの症状について

胃ポリープの場合、ほとんどは自覚症状がありません。

まれに進行した場合には、胃もたれや食欲不振、腹部の張り、げっぷが出る、貧血などの症状が現れることがありますが、基本的に自覚症状がないということは自分で気づく可能性も低いため、気づくのが遅れた場合には胃がんが進行していたというケースもあり得ます。そうならないためにも定期的な検査は重要です。

3. 大腸ポリープとは

大腸検査
大腸ポリープとは、大腸の粘膜がイボのように盛り上がったものを言います。平坦なものや隆起したもの、一部が陥凹したものなどさまざまな形がありますが、典型的なものはキノコ状のポリープです。平坦型のポリープのように発見しづらい形状のものもありますし、陥凹型のポリープの場合、比較的小さい段階でがんになるとも言われています。

3-1. 大腸ポリープの種類

大腸ポリープには「腺腫」「過形成性ポリープ」「SSL」といったものがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1-1. 腺腫

腺腫とは、大腸内視鏡検査で多く発見されるポリープです。腫瘍性のポリープであり、良性の腫瘍であるものの、ある程度放っておくと悪性(腺癌)になる可能性が高いと言われています。

見た目が腺腫であっても大腸内視鏡検査により病変を切除して詳しく検査してみると早期の大腸がんであるケースもあります。そのため、大腸がん予防のためにも比較的小さいうちに切除しておくことが大事です。日本においては6mm以上のサイズの腺腫に関し切除することが推奨されています。

3-1-2. 過形成性ポリープ

大腸の過形成性ポリープは、直腸部分やS状結腸にできることの多いポリープです。この過形成性ポリープは非腫瘍性ポリープであり、基本的には治療の対象ではありません。

3-1-3. SSL

SSLは「Sessile serrated lesion」の略で鋸歯状病変を意味します。表面がのこぎりの歯のようにギザギザしているのが特長のポリープです。

以前は過形成性ポリープと見分けるのが難しいと言われていましたが、前がん病変と認識されて以降、がん化する可能性もある病変として認識されるようになっています。

過形成性ポリープは非腫瘍性ポリープ、またSSLは良性の腫瘍性ポリープであることから、がん化する頻度は腺腫に比べると低いものの、まれにがんになることもありますので良性であっても切除しておくことが大腸がんの予防となります。

3-2. 大腸ポリープの大きさ

大腸ポリープは1年で急激に大きくなるということはありませんが、2~3mm程度大きくなることはあります。定期的な内視鏡検査により、がんの早期発見・早期治療が可能となります。

3-3.大腸ポリープの検査について

大腸ポリープは内視鏡検査によってしかわかりませんので、大腸内視鏡検査を受けて調べることが必要です。

なお便潜血検査で陽性が出た場合には痔の可能性もありますが、便潜血検査が陰性でも大腸がんの方もいます。ポリープがかなり大きくなっていないと便潜血陽性とならないことも多く、定期的に大腸内視鏡検査を受けてポリープがあるかどうか調べることが非常に重要となります。

よって、40歳になったら便潜血検査が陽性・陰性に関わらず大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。ちなみに60歳以上になると2人に1人は大腸ポリープがあると言われています。

3-4.大腸ポリープになりやすい人

大腸がんになりやすいのは男性の方が多いですが、実は女性のがんの死亡原因の一位は大腸がんです。そのため、男女問わず大腸内視鏡検査を定期的に受け、大腸ポリープの有無を確認することが早期発見にはとても大事です。

また大腸ポリープおよび大腸がんともに遺伝的傾向が強いと言われています。大腸がんには「遺伝性非ポリポーシス※大腸癌」(HNPCC:Hereditary nonpolyposis colorectal cancer)と、「家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス※)」(FAP:Familial adenomatous polyposis)といった遺伝性疾患があります(※ポリーシスとは、ポリープがたくさん発生した状態のこと)。

両親どちらかがこれらの疾患にかかっている場合には子供にも遺伝している可能性が高いので、早期に内視鏡検査を受けることをおすすめします。

4.まとめ

内視鏡
以上、ポリープについての概要、また胃ポリープ・大腸ポリープについて詳しく解説してきました。

胃ポリープは非腫瘍性のものが多く経過観察措置が取られることがほとんどですが、大腸ポリープは腫瘍性のものが多いことから、基本的には治療が必要です。胃ポリープおよび大腸ポリープともにほとんど自覚症状がないことから、日常生活を送る中で気づくことは難しく、早期発見には定期的な大腸内視鏡検査が有効となります。

「胃カメラは苦手だ」「大腸内視鏡検査は恥ずかしい」と内視鏡検査を受けることに抵抗ある方も多いと思いますが、がんのリスクを低減する意味でも積極的に検査を受けるようにしましょう。

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この記事を書いた人

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。