内視鏡医師の知識シリーズ
ENDOSCOPIST DOCTOR'S KNOWLEDGE SERIES

「腸活」的1日の過ごし方21か条

コロナ禍によるステイホームやテレワークの影響により、自宅での「腸活」が全国的にブームとなっており、テレビやYouTubeでも「腸活」が取り上げられています。芸能人の中には「腸活」を行なっていることを公表している方もいるという状況です。
福岡天神内視鏡クリニックでも、独自に「腸活」の定義を行なっており、ホームページやブログ、メルマガで「腸活」の重要性を皆さんに説明しています。
当院が提唱する「腸活」の定義については以下のURLからご覧ください。

福岡天神内視鏡クリニックが提唱する「腸活」の3つの定義

しかしながら、具体的にどのように1日を過ごしたらいいか、よく分からない方も多いのではないかと思います。
ここでは具体的に、「腸活」から考えた、理想的な1日の過ごし方について解説したいと思います。それぞれ7か条とし、合計21か条としました。

それでは「腸活」から考えた、朝、昼、夜の過ごし方21か条について具体的に説明していきましょう。

まずは「腸活」の理想的な朝の過ごし方7か条です。
「腸活」は朝から始まります。朝の過ごし方で1日が決まると言っても過言ではないです。

家を出る1.5~2時間前に起きる。

起床後、約1時間程度で排便タイムが来ますので、余裕を持って起きましょう。この排便のタイミングを逃してしまうと、丸一日便が出なくなり、便秘になってしまう可能性がありますので要注意です。

起床後すぐにカーテンを開けて、朝日を浴びながら深呼吸をする。

起床後すぐにカーテンを開け、朝日を浴びましょう。これにより体内時計がリセットされ、自律神経が整い、腸内環境に良い影響を及ぼします。
また、深呼吸を行うことで、幸せホルモンである「セロトニン」が分泌され、腸の蠕動運動が活発になります。

起き抜けにコップ1杯の水か白湯を飲む。

起きてすぐ水や白湯を飲むことで、胃から腸に刺激が伝わり、蠕動運動を促すだけでなく、肛門をキュッと閉めている肛門括約筋が緩くなりますので、排便を誘発します。
また、水分を摂ることで尿量が増え、体の余分な水分を外に排出してくれる作用もあるのです。

身支度をする時に、鏡で自身の顔色、肌の状態をチェックする。

腸内環境のバランスが悪くなっていると、顔の一部が赤くなっていたり、吹き出物ができていたり、くすみを招いたりします。身支度をする時、必ず鏡を見て、自分の顔色や肌の状態をチェックしましょう。
ここで大事なのは、顔色や肌の状態が悪くても落ち込まないこと。「鏡を見ることでいち早く腸の状態を把握することができた」とポジティブに考えることが大事です。これにより、自律神経が整ってきます。

しっかりと朝食を食べる。

できる限りしっかりと朝食を食べましょう。1日で一番沢山食べても良いくらいです。ここでヨーグルトや整腸剤をしっかり摂ります。
しっかりと朝食と食べることにより、腸の蠕動運動が促して排便が誘発されます。
また、腸だけでなく、脳も刺激されますので、朝から頭がスッキリします。

決まった時間にトイレに座る。

朝食が終了したらそろそろ排便タイムです。自分であらかじめトイレに座る時刻を決めておき、最低でも5分は座りましょう。スマホや雑誌を見ながらはダメです。
理想はロダンの「考える人」のポーズで、便座に座った状態でつま先を立てましょう。これにより、直腸から肛門までが直線になり、便が出やすくなります。
無理にいきむ必要はありません。5分ほど座って便が出なければ終了して構いません。腸に排便タイムを覚えさせるのが目的です。

軽やかに家を出る。

軽く息が弾むくらいのスピードで良いので歩きましょう。エレベーターやエスカレーターはなるべく使わない方が良いです。また、階段があれば、1段飛ばしで駆け上がりましょう。これで腸が刺激されます。


次に、「腸活」的な昼の過ごし方7か条です。日中は仕事をしている方が多いのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。

軽く息切れするくらいのスピードで歩いて通勤

息切れすると、脳がストレスを感じ、腸の蠕動運動が一旦停止します。運動終了後しばらくすると、腸が活発に動き出します。これにより腸の調子が整ってきます。

座っている時も背筋を伸ばして腹筋を鍛える

上から引っ張られているような感じで背筋をピンと伸ばして座りましょう。これで腹筋が鍛えられ、便通が良くなります。
ただし、座りっぱなしだと腸の動きが悪くなります。1時間座ったら、5分ほど立ち上がって腸を刺激しましょう。6時間以上座っていると、大腸がんのリスクも増えますので要注意です。

昼食はできるだけ毎日違うメニューをガッツリと食べる。

毎日違うメニューを食べることで、腸内細菌のバランスが良くなります。さらに、昼食はたくさん食べても腸には負担はかかりませんので安心してガッツリ食べましょう。
また、食べる時に注意したいのは、よく噛んで食べることです。早食いは、栄養分が体内で十分に吸収されなかったり、消化の負担が増えることにより集中力が散漫になります。
どんなに忙しくても、昼食には十分に時間を作ってください。

食後はなるべくゆったりと過ごしましょう

昼食後はお昼寝したり、本を読んだりしてゆったりと過ごしましょう。これにより副交感神経が刺激され、腸の動きが良くなってきます。
特に、15分程度の昼寝は、腸の消化活動が活性化されると言われています。集中力も向上し、仕事の効率化も高まります。これを「パワーナップ(積極的仮眠)」と呼ばれています。

水分は1.5~2Lは摂りましょう。

便に適度な水分を保つこともありますが、水分を摂ることで腸液が沢山分泌します。これが潤滑油の働きをしますので便秘解消にもなるのです。日中はなるべく水分を摂りましょう。

おやつはなるべくガマンです。

腸は1日3食を食べる時のリズムで動きます。間食すると、腸の動きが一時的にストップしてしまい、腸蠕動のリズムが悪くなります。おやつはなるべくガマンです。

お腹はなるべく冷やさないような対策を。

夏はエアコンの効きすぎにより、冬は気温の低下により腸を冷やしてしまうことが多いです。基本的にお腹の症状は、「お腹を温める」ことで改善します。
お腹を冷やしてしまうと、胃腸が機能低下を起こし、腹痛、腹部膨満、便秘、下痢などの様々な症状を引き起こしてしまいます。腹巻をしたり、お腹をマッサージしたりして、お腹を冷やさないような対策を行いましょう。

最後に、「腸活」的な夜の過ごし方7か条です。仕事が終わり、1日の疲れを自宅で癒す時間帯です。

夕食は、就寝する3時間前には食べてしまいましょう。

食後すぐは交感神経が刺激されているため、時間を置くことが必要です。そうすることで副交感神経が刺激され、就寝中は腸の蠕動運動が活発になります。夕食の消化・吸収が一段落した後に、散らかった腸内のお掃除タイムが就寝中に始まります。
これにより食べたものがさらにスムーズに消化されていきますので、翌朝にしっかりとした便が出やすくなります。

夕食には納豆やヨーグルトなどの発酵食品を食べましょう。

納豆やヨーグルトなどの発酵食品を食べることにより、腸内細菌の善玉菌が優位に増加し、腸の蠕動運動活性化や、食べ物の消化、吸収がスムーズになります。さらに、腸内細菌の多様性も向上するため、腹痛や腹部膨満などのお腹の症状や病気などにもすぐに対応できるようになります。できれば発酵食品と一緒に食物繊維も積極的に摂るようにしましょう。
ただし、あまり摂りすぎると逆にお腹が張る原因にもなりますので注意してください。

夕食後から就寝するまでの時間はリラックスタイムにしましょう。

リラックスした時間を作ることにより、副交感神経が刺激され、腸の蠕動運動が活性化され、消化や吸収が促進されます。お風呂に入ったり、音楽を聞いたり、読書したり、好きなことをして時間を過ごしましょう。
ここで気をつけたいのは、あまり刺激的なことは避けることです。刺激的な映画や動画を見たり、興奮するような音楽を聴くのは逆効果です。交感神経が刺激されてしまい、腸の働きが低下しますので注意しましょう。

ゆっくりと湯船につかり、お腹を温めましょう。

40度前後のお湯に、15分はつかりましょう。これによりお腹が温まり、副交感神経が刺激されて腸の蠕動運動が活性化されます。
どうしてもシャワーだけで済ませてしまう場合は、シャワーをお腹に当てて、「の」の字を描くようにシャワーマッサージをしましょう。こうすることで、腸の血流が促進されます。

日記を書く習慣をつけましょう。

腹痛、腹部膨満、便秘、下痢などの腹部症状がなかなか治らない方は、毎日日記をつけてみましょう。日記の内容は、今日起こったことや明日の予定など、なんでも良いです。
毎日日記を書く習慣をつけることで、ストレスに強くなると言われています。
実際、腹部症状が治らない方が日記を書くことで、半分の方が腹部症状が改善したというデータもあります。免疫力が上がるという報告もありますので、ぜひ実践してみてください。

布団に入ったらお腹のマッサージをしたり、楽しいことを考えたりしましょう。

布団に入ったら、まずはお腹のマッサージをしましょう。
下腹部から時計回りに「の」の字を描くようにマッサージします。両手を添えて、少しだけお腹が凹むくらいの強さで、5秒間で一回りするくらいのスピードでマッサージします。30秒程度マッサージすれば良いです。
マッサージが終了したら、1日頑張った自分を褒めてあげましょう。ポジティブな気持ちで眠りにつけば、腸にも良い影響を及ぼします。

日付が変わる前には寝ましょう。

日付が変わる24時までには布団入って寝ましょう。これにより夜間は副交感神経が刺激されて腸の蠕動運動が活発になり、翌朝の快便に繋がります。

以上が「腸活」的1日の過ごし方21か条です。

ここであげた21か条を全て行うことはなかなか難しいと思います。ですので、この中から自分ができそうなものをピックアップして実践してみてください。
そうすると自然と腸内環境が良くなってきます。
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この記事を書いた人

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。