大腸カメラが恥ずかしい方へ。女性だから知りたい大腸検査のこと
女性の多くは、大腸カメラ検査を受けることに抵抗があるでしょう。たとえば検査のときにおしりを見られることや、生理になった場合に検査が受けられるのか心配になると思います。
ところで、女性のがんによる死亡原因の第1位が大腸がんだということをご存知ですか?大腸カメラに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、女性に多いがん死亡の原因を考慮すると、大腸カメラ検査の重要性に気付くかもしれません。
そこで今回は、大腸カメラ検査を受けることに抵抗がある女性に向けて、女性だから知っておきたい大腸カメラについて解説します。
大腸カメラ検査を受けたことがない方にとっては、どのような検査なのか気になるかと思います。大腸カメラ検査は、大腸の内部を観察するための検査で、先端にカメラの付いた長い管状の内視鏡を肛門から挿入し、大腸の状態を観察します。
画像を確認しながら、リアルタイムで大腸の状態がわかるため、病変が見つかれば検査中に内視鏡による処置が行われることもあります。
大腸カメラ検査では、大腸がん以外にも大腸ポリープや潰瘍性大腸炎などの疾患が見つかることがあります。また、クローン病などの特殊な腸炎が発見されることもあります。
大腸ポリープは、大腸の粘膜表面にできる腫瘍です。ポリープと診断された時点ではがん化していないため、予防のために内視鏡によって切除することをおすすめします。ポリープだからと放置してしまうと、しだいに大きくなりがん化してしまうリスクがあるためです。
潰瘍性大腸炎とクローン病はどちらも炎症性腸疾患の一種ですが、潰瘍性大腸炎は大腸のみに炎症がみられ、一方のクローン病は消化管であればどこにでも炎症が起きる可能性があるという違いがあります。また、クローン病は男性で20〜24歳、女性では15〜19歳の発症がもっとも多いとされ、完治する治療法がないため難病指定されている病気です。
検査時、大腸に便が付着しているとカメラが通らないことや大腸の状態が正確に把握できないため、前日から下剤などを服用し大腸を空っぽにする必要があります。
病院によっては、前日は下剤を使用せず当日の検査前の数時間をかけて腸管洗浄液によって排便を促し、大腸内の便をすべて出す場合もあります。
腸管洗浄液は、1〜2リットルの液体で量が多く、味は塩味や甘味をうっすら感じる程度で決しておいしいものではないため、大腸の便をすべて出す作業に苦痛を感じるケースもあります。
人によっては、普段から便秘気味で下剤を服用しても思うように大腸が空にならず苦労するケースもあるでしょう。
大腸を空にすることに苦痛を伴う大腸カメラですが、大腸カメラの操作に長けた医師であれば、検査時間は短く済みます。さらに、技術力と経験値のある医師であれば、大腸に病変や異変が見つかった際も的確な処置が可能です。
大腸カメラ検査は、肛門からカメラを挿入するため、たとえ医師であれデリケートな部分を見られることに抵抗を感じる方もいるでしょう。しかし、冒頭でもお伝えしたとおり、女性のがんによる死亡原因の第1位は大腸がんであるため、特に女性には大腸カメラ検査を積極的に受けていただきたいです。
大腸カメラ検査を受ける際、「お尻や肛門を見られたくない」と思う女性も多いでしょう。また、下腹部のムダ毛処理が必要なのか?と悩まれる方もいるかもしれません。特に肛門付近のムダ毛が邪魔で検査に支障を来すのではないかと心配されるかもしれませんが、ムダ毛が原因で大腸カメラ検査ができないということはありません。
通常は、下腹部が隠れるように布を敷いたり、検査用のハーフパンツを着用するため必要以上の部位は隠れるため羞恥心は軽減されます。また、多くのクリニックでは女性の看護師が検査のサポートを行っています。
さらに、熟練の内視鏡専門医がいるクリニックであれば、大腸カメラの操作にも長けているため短時間で苦痛を伴わずに検査を終えることが可能です。
検査当日に生理になっても、多くのクリニックでは予定どおり大腸カメラ検査を受けられます。経血の量が多く気になる場合には、タンポンなどを使用するといいでしょう。
また、検査を受けるときには、検査着や専用の紙パンツを着用する上、検査台が汚れてもいいように、シートが敷かれている場合が多いため、汚れなども気になりにくいと思います。
衣服や検査台を経血で汚してしまうかもと不安な場合には、検査前に医師や看護師に相談しておきましょう。
妊娠中、または妊娠の可能性がある場合は、大腸カメラ検査で使用される鎮痛剤の影響によって母子の健康状態が保証されないため、基本的に大腸カメラ検査を受けられません。
ただし何らかの自覚症状がある場合には、産婦人科併設の総合病院などで検査が実施されることもあります。
大腸がんを疑うような症状があり妊娠中である場合には、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
検査を受ける医療機関によって、当日の服装は異なります。下腹部だけ検査着が用意されているケースとガウンのように上下がつながった検査着のケースとがあるためです。
いずれにしても検査当日は、検査着に着替えることが前提となるため、着脱しやすい服装を選ぶといいでしょう。また、下腹部だけ検査着が用意される場合は、ワンピースなどは避け上下が分かれている服にしておくと安心です。
女性の場合は下着を着用したまま検査ができるのか気になると思いますが、一般的にはブラジャーは付けたままで検査を受けることが可能です。
当日の服装について不安があれば、事前に医療機関に確認しておくといいでしょう。
大腸カメラ検査をはじめ胃カメラなど内視鏡検査は、40代や50代になるとすすめられることが多いです。歳を重ねることで発症する病気も増えますし、生活習慣によっては40代や50代から体調の変化が現れはじめるからです。
ただし、年齢だけで判断するのは危険です。20代・30代で特段の症状が無い場合は大腸カメラ検査の必要はありませんが、下記のような症状に心当たりがあれば、大腸カメラ検査を検討してみてください。
・長期間腹痛がある
・下痢が続いている
・便秘がひどい
・下痢と便秘を繰り返している
・血便がある
・便が黒い
・貧血が気になる
・便潜血検査で陽性だった
上記にあげた症状は、大腸がんで起こりうる症状です。心当たりがある場合は、もしものことを考えて早めに大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
大腸カメラ検査は、大腸の粘膜壁を観察するためすべて便を出しきった状態で検査を受けます。つまり、検査後の大腸には便がない状態ということです。
便が残っていない大腸は、腸内環境が一度リセットされた状態のため、一から理想の腸内環境をつくることができます。
4-1. 善玉菌優位の腸内環境をつくることができる
善玉菌優位の腸内環境にするためには、大腸カメラ検査後からの食事を見直すことがポイントです。善玉菌が豊富に含まれるヨーグルト・ぬか漬け・キムチなどを積極的に摂取しましょう。また、納豆菌・酵母菌などが含まれる食べ物を摂取するのもいいでしょう。
食べ物だけではなく、整腸剤を毎日服用することで大腸に生きた乳酸菌を届けることもできます。
乳酸菌などの善玉菌を活性化させるには、エサとなる水溶性食物繊維のコンニャク・おくら・山芋・きのこ類や、オリゴ糖が含まれるはちみつ・バナナ・リンゴも食事に加えてみてください。
4-2. 大腸のねじれがなくなることで便通がよくなる
大腸カメラ検査では、大腸内を内視鏡の管が通ります。その際、ねじれた大腸を戻しながら進んでいくため、大腸カメラ検査後の大腸はねじれが解消されています。
便秘で悩んでいる方の中には、大腸がねじれていることで便が溜まりやすくうまく排便できないケースがあります。大腸のねじれが解消することで、スムーズな排便が期待できるのです。
大腸カメラ検査には苦痛や羞恥心が伴うため、なるべく避けたいと思う女性も多いでしょう。しかし、女性のがんによる死亡原因の1位が大腸がんであることを考えると、大腸カメラ検査はぜひ積極的に受けていただきたい検査です。
近年では、羞恥心に配慮した検査を行う医療機関が多くなりました。また、苦痛を軽減するための鎮痛剤や短時間で検査を終える工夫を行っている医療機関もあります。もし、大腸の不調や気になる症状がある場合には、躊躇せず大腸カメラ検査を受けてください。
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この記事を書いた人
秋山 祖久医師
国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。