内視鏡医師の知識シリーズ
ENDOSCOPIST DOCTOR'S KNOWLEDGE SERIES

話題沸騰中!ヤクルト1000に期待できる効果とは?注目を集める理由を解説

最近、テレビやSNSで話題になっている「ヤクルト1000」をご存じでしょうか?コンビニでは「ヤクルトY1000」という商品名で販売されていますが、売り切れてなかなか購入できない方も多いようです。

それだけ話題になるヤクルト1000ですが、実際に効果があるのか、またはどんな効果があるのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ヤクルト1000のパッケージには「ストレス緩和」「睡眠の質の向上」「腸内環境改善」と大きく表示されており、これらの効果が多くの人の注目を集めています。

ヤクルト1000の特徴や期待される効果、従来のヤクルトとの違いについて、解説します。

1. ヤクルト1000とは?

乳酸菌飲料
今、話題となりなかなか入手できない「ヤクルト1000」は、ヤクルトから販売されている機能性表示食品に分類される乳製品乳酸菌飲料です。腸内に生きたまま到達する乳酸菌シロタ株が、1000億個入っているのが特徴です。

ヤクルト1000の1本当たりの内容量は100mlで、1日1本を目安として飲むと、健康な体作りをサポートします。

ヤクルト1000という商品は、スーパーやコンビニなどの店頭では購入できず、ヤクルトの宅配のみで取り扱っています。

1-1. ヤクルトY1000との違い

ヤクルト1000が注目を集めていますが、実はヤクルトから「ヤクルトY1000」という商品も販売されています。ヤクルト1000 とヤクルトY1000の大きな違いは、2つあります。

一つは購入できる場所です。ヤクルト1000は宅配専用の商品ですが、ヤクルトY1000は、コンビニやスーパーなどの店頭で購入できます。

二つ目は、内容量です。ヤクルト1000は1本100mlであるのに対して、ヤクルトY1000は1本110mlです。どちらも1mlあたり10億個の乳酸菌シロタ株が入っています。内容量はヤクルトY1000の方が10ml多い分、乳酸菌シロタ株の量も多くなっています。

1-2. 従来のヤクルトとの違い

次にヤクルト1000と従来のヤクルトの違いについて解説します。従来のヤクルトには、200億個の乳酸菌シロタ株が入っていますが、この数ではヤクルト1000のような効果は期待できません。

従来のヤクルトを1日に5本飲めば、乳酸菌シロタ株を1000億個体内に補給できることになるため、ヤクルト1000と同じ効果が期待できると思われるかもしれませんが、それもまた意味がないと考えられています。

ヤクルト1000に期待されている効果は、乳酸菌シロタ株を高密度な状態で体内に取り入れることで発揮されるのです。

2. 乳酸菌シロタ株とは?

腸内環境
乳酸菌シロタ株とは、1930年に微生物研究者の代田稔(しろたみのる)博士が発見した菌です。乳酸菌シロタ株の正式名称は「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」です。発見者である代田博士の名前が由来になっています。

代田博士は「病気にかかってから治すのではなく、かからないための予防が大切」と言及しており、日本における予防医学のパイオニアとして、乳酸菌の研究を重ねていました。

乳酸菌シロタ株には、大きく分けて3つの特徴があります。

2-1. 生きたまま腸に届く

乳酸菌シロタ株は、胃酸に強いのが大きな特徴です。そのため、胃液や胆汁に負けて死滅することなく、そのほとんどが生きたまま腸内に届きます。

2-2. よい菌を増やす

乳酸菌シロタ株を100億個以上含む飲み物を4週間継続して摂取した結果、善玉菌が3倍増加したという研究報告もあります。同研究では、体に悪い働きをする大腸菌群が減ったという結果も出ています。

乳酸菌シロタ株には、腸内で人にとってよい菌を増やす働きが期待できるのです。

2-3. お腹の調子を整える

乳酸菌シロタ株には、お腹の調子を整える働きが期待できます。乳酸菌シロタ株を400億個含む飲料を2週間継続して摂取したところ、1週間あたりの排便数の増加が見られ、排便状況が改善したという研究結果が報告されています。

便秘や下痢、どちらにも作用することもわかっています。

3. ヤクト1000に期待できる効果

ベッドで寝る女性
ヤクルト1000に期待できる効果は、主に3つです。従来のヤクルトにはなかった効果が実証されています。乳酸菌シロタ株に3つの効果が期待できるのは、高濃度で体内に取り入れるからこそ得られるもので、人間の神経系に作用して、効果を発揮すると考えられています。

3-1. ストレス緩和

ヤクルト1000には、ストレスを緩和する効果が期待できます。慢性的なストレスを軽減するというわけではなく、一時的に精神的なストレスがかかる状況下において、ストレスを和らげるとされています。

ヤクルト中央研究所は外部研究機関と共同で、乳酸菌シロタ株を1000億個含む飲料を飲んだグループと、味や外見は同じですがシロタ株を含まない飲料を飲んだグループとの比較調査をしました。

その結果、乳酸菌シロタ株を含んだ飲料を毎日1本、8週間飲み続けたグループはストレス
の体感レベルが明らかに低くなるという結果が出ました。

また、強いストレスがかかると分泌される唾液中のコルチゾールの濃度も抑制されるとの結果が出ています。

3-2. 睡眠の質の向上

ヤクルト1000には、睡眠の質の向上が期待できます。近年の研究では、睡眠の質の低下は、日中の活動の効率を低下させるだけではなく、うつ病や認知症、循環器系の病気のリスクを高めると考えられています。

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つの周期があります。眠っていても眼球が動いている状態で、一般的に浅い眠りといわれるのがレム睡眠です。一方、眠っている間、眼球が動かずぐっすり眠っているのが、ノンレム睡眠です。

質の高い睡眠を得るためには、レム睡眠とノンレム睡眠の2つの周期が整っていることが重要です。

ストレス緩和と同じように実験を行った結果、乳酸菌シロタ株を含む飲料を飲んだグループは、熟眠感(じゅくみんかん)を得て、質のよい睡眠ができていることが実証されました。

3-3. 腸内環境を整える

乳酸菌シロタ株には、腸内環境を整える効果が期待できます。前章でお伝えしたとおり、乳酸菌シロタ株は生きたまま腸内に届き、体によい菌を増やし、悪い菌を減らすため、腸内細菌のバランスが整います。

近年、腸と脳には深い関係があることがわかってきています。腸の状態が脳に影響を及ぼす関係を「脳腸相関」といい、腸内に住む腸内細菌がこれらの関係に大きな役割を果たしているのです。

こうした脳腸相関から、腸内環境が整うとストレス緩和や睡眠の質の向上が期待できることが明らかになってきます。

3-4. ヤクルト1000はがん予防にも効果あり?

ヤクルト1000は、飲み続けると大腸がんの予防になると期待されています。ヤクルト1000に高濃度で配合されている乳酸菌シロタ株は、以前から大腸がんの予防に効果があるといわれており、医師も推奨しています。

がんだけではなく、大腸ポリープを予防するとも考えられており、大腸ポリープを予防してくれるのは乳酸菌シロタ株だけで、すばらしい役割を担っているのです。

乳酸菌シロタ株は、生きたまま腸まで届くため、腸内の有害な菌の増殖を抑制したり、有害な菌が作る有害物質の量を減らしたりします。また、腸内の発がん性物質を吸着して便と一緒に排泄したり、がん細胞を撃退する免疫細胞を活性化することが明らかになっています。

4. まとめ

ウォーキングをする男女
ヤクルト1000は、現代社会で生きる多くの人々が抱える睡眠やストレスに関する悩み解消の効果があると注目を集めています。

ヤクルト1000がストレスの緩和や睡眠の質を上げるといわれているポイントは、高濃度の乳酸菌シロタ株です。毎日継続して飲む必要はありますが、興味のある方は、一度試してみるとよいでしょう。

ヤクルト1000は、従来のヤクルトと比べると味はほぼ一緒ですが、ヤクルト1000のほうが少し甘みが控えめで、大人でも飲みやすい印象です。

大腸がんの予防のためにヤクルト1000はおすすめですが、病気を治すものではありません。がんの予防の基本は、規則正しい生活習慣、栄養バランスのよい食事、定期的な運動です。

また、大腸がんの予防には、定期的に大腸カメラ検査を受けることも大切です。大腸がんは、早期発見、早期治療が重要であるため、これまで一度も大腸カメラ検査を受けた経験がない方や、腸の調子が慢性的によくないと感じている方は、一度大腸カメラ検査を受けてみましょう。

癌にならない腸活実践メルマガ講座

「癌にならない腸活実践メルマガ講座」では、がんで亡くなる人・苦しむ人を一人でも多く減らすために日常生活の中で実践できる

・免疫を上げる方法
・正しい腸活の知識
・腸内環境とお肌の関係
・健康的なダイエット方法
・乳酸菌のすごい効果

などを、腸の専門医が毎日メールでお届けいたします。

免疫力をアップして、いくつになっても健康的な毎日を過ごしたい方におすすめの内容になってますので、気になる方はぜひ記事下のバナーをクリックしてお申し込みください。
↓↓
癌にならない腸活 実践メルマガ講座 乳酸菌バナー 内視鏡チャンネルバナー

この記事を書いた人

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。