内視鏡医師の知識シリーズ
ENDOSCOPIST DOCTOR'S KNOWLEDGE SERIES

内臓脂肪の落とし方!病気を防ぎ食事を見直して最速で痩せる効果的な方法

「ポッコリお腹が気になる」
「健康診断の結果、中性脂肪が高かった」
「太ったのは歳のせい?昔は痩せていたのに・・・」

40代を過ぎると20代の頃よりも体重が10キロ以上も太ってしまったという方も少なくないのではないでしょうか?

男性によく見られるポッコリお腹の正体は、内臓脂肪の可能性があります。
内臓脂肪は見た目の問題だけではなく、命にかかわる怖い病気の原因にもなります。

しかしそんなハイリスクな内臓脂肪を落とすことは、決して難しいことではありません。
内臓脂肪を効率的に落とすためには、大切なポイントが2つあります

今回はいますぐできる効率的な内臓脂肪の落とし方をご紹介します。

1. 内臓脂肪とは

内臓脂肪
内臓脂肪とは、お腹を中心とした内臓のまわりや腸間膜についた脂肪のことです。

皮下脂肪と誤認されることもありますが、皮下脂肪とは皮膚のすぐ下につく脂肪で、皮下脂肪の多い人は洋ナシ体型になりやすいです。

それに対して内臓脂肪は、お腹まわりに蓄積することからポッコリとしたお腹のリンゴ体型になりやすいです。

ただし、お腹まわりに脂肪がついていなくても内臓脂肪が蓄積されているケースもあります。

2. 内臓脂肪を落とすためのポイント

お腹周りを気にする男性
一度ついてしまった内臓脂肪はなかなか落ちないと思っている方が多いのではないでしょうか?実は内臓脂肪は、次の2つのポイントをおさえることで落としやすくなります。

2-1. 食事を見直す

まず一つ目は食事です。カロリーを抑えることも大切ですが、カロリー計算だけではなく食事内容を見直すことが大きなポイントとなります。

2-2. 運動をする

二つ目は運動です。運動を習慣化することと食事を見直すことで、気になる内臓脂肪を落としやすくなります。

3. 内臓脂肪の落とし方①食事

内臓脂肪を落とすためには栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。
しかし体によいと思って食べている物が、実は内臓脂肪を増やす原因となっていることも少なくありません。

内臓脂肪を効率的に落とすためには、控えるべき栄養素と積極的にとりたい栄養素を知ることが近道となります。

3-1. 糖質をとり過ぎない

グレープフルーツ
近年「糖質制限ダイエット」が注目されていますが、内臓脂肪を落とすためには糖質をとり過ぎないことが大切です。
だからと言ってまったく糖質をとらないというのは、体にとってよいことではありません。「とり過ぎない」ことが大切なのです。

果物はビタミンやミネラルが豊富なため、いま流行りのスムージーや食後のデザート・間食として果物を食べている方も多いと思います。

しかし果物には多くの糖質が含まれており、気づかないうちに糖質をとり過ぎている可能性があります。

内臓脂肪を落とす場合は、1食あたりの糖質量は20グラム以下にすることが理想的です。
手軽に食べることができるバナナには1本で約20グラムの糖質が含まれているため、バナナ以外に糖質を含む食材を食べると1食あたりの糖質量がオーバーします。

糖質は体を動かすエネルギーになりますが、エネルギーとして使い切れない分は肝臓の中に蓄えられ、さらに内臓に脂肪がつきやすい体質になってしまいます。

3-2. タンパク質を多くとる

牛肉
タンパク質は筋肉の成長に欠かせない栄養素です。
筋肉を維持することで、代謝の高い体を作ることができます。

タンパク質を意識して摂取することで、筋肉を成長させ、脂肪を減らすことにつながります。

タンパク質が多い食物はこちらになります。

・肉類
・卵
・大豆
・魚介類
・乳製品
これらの食物を積極的に採って行きましょう。

ただし、タンパク質も取りすぎてしまうと脂肪へと変わってしまいます。
特に食材を揚げたり味付けをしたりして調理する際に脂質が多くなりすぎないように気を付けましょう。

3-3. 食物繊維をとる

野菜
内臓脂肪を落とすための効果的な方法は食物繊維(水溶性食物繊維、不溶性食物繊維)を多くとることです。
食物繊維は胃の中に入ると水分を吸収して膨らむため、腹持ちがよく食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。また食事の最初に食べることで、脂肪の吸収を抑えることもできます。

食物繊維が多い食べ物は、野菜類・こんにゃく・海藻類・穀物・果物です。

果物は朝食や間食で食べる方も多いと思いますが、先述したとおり果物は糖質が多いため選び間違えるとかえって内臓脂肪を増やす可能性があります。

果物の中でおすすめはキウイです。キウイは糖質が少ない上に食物繊維が豊富で、便通改善の効果も期待できます。1日半個で十分ですので、ぜひ試してみてください。

3-4. アルコールのとり方に注意する

アルコールと食事
アルコールは、内臓脂肪がつきにくいアルコールとつきやすいアルコールに分けることができます。
そのポイントは先にお伝えしたとおり、アルコールに含まれる糖質量です。糖質量が少ないアルコールを飲むことが内臓脂肪を落とすためには大切です。

・糖質が少ないアルコール:焼酎・ウイスキー・ハイボール
・糖質が多いアルコール:日本酒・ビール・ワイン(甘口)

アルコールを選ぶ際は、パッケージの裏面にある「栄養表示成分」で糖質量を確認しましょう。
糖質量の目安として1本当たり10グラム以下のものを選ぶとよいでしょう。

3-5. 緑茶・お酢を飲む

緑茶

4. 内臓脂肪の落とし方②運動

運動する
内臓脂肪を落とすためには、運動をすることが大切です。運動を習慣化することは内臓脂肪を落とすためだけではなく、ロコモティブシンドロームの予防にもつながります。

4-1. 有酸素運動

内臓脂肪を落とすためにもっとも効果的な運動は有酸素運動です。有酸素運動は内臓脂肪をエネルギーとしてたくさん使うことができ、これまで運動習慣がなかった方でも気軽に行うことができます。

内臓脂肪を落とすことを目的とした有酸素運動の場合、強度よりも時間を重視することがポイントとなります。「30分以上続けることができるかどうか」を一つの基準としましょう。

運動習慣のない方であれば30分以上のウォーキングがおすすめです。その他にも水泳やサイクリングでも、内臓脂肪を落とすのに効果があります。


運動をする時間はその人のライフサイクルによって異なりますが、内臓脂肪を効率的に落とすのに最適なタイミングは夕食前です。

空腹で運動をすると肝臓の中に蓄積された中性脂肪を使うため、内臓脂肪が落ちやすくなります。

朝起きてすぐにランニングをしている方も多いと思いますが、朝は細胞がまだ活性化していないため、体に負担がかかってしまう可能性があります。

4-2. 筋トレ

筋トレの効果があらわれるのには時間がかかるため、内臓脂肪を落とす方法として効果的とはいえませんが、見た目を重視したい方は筋トレを行うのもよいでしょう。

同じ体重であっても、筋肉がついている方が体のシルエットはきれいに見えます。脂肪は筋肉と比較すると1.5倍大きく見えてしまうため、適度に筋肉をつけることでスッキリ引き締まった印象を与えます。

5. 内臓脂肪が原因となる怖い病気

病院
内臓脂肪は見た目だけの問題ではなく、命にかかわる病気の原因にもなります。
内臓脂肪は肝臓・膵臓・胃・腸のまわりにつくことが多く、内臓脂肪が臓器につくことで炎症性の刺激が多くなり発がんにつながってしまいます。


また、がん以外にも内臓脂肪が原因となって発生リスクが高まる病気もあります。その中でもとくに命にかかわる可能性のあるものとして、以下の病気があげられます。

・急性膵炎
・急性閉塞性化膿性胆管炎

急性膵炎とは膵臓が溶けている状態であり、膵臓でできるアミラーゼが自分の膵臓の細胞を溶かしてしまう病気です。
急性膵炎の原因となるのが中性脂肪といわれており、内臓脂肪も大きく関係しています。

6. 内臓脂肪と中性脂肪の関係性とは?

体重計
食事から摂取された糖質はエネルギーとして使われますが、糖質の過剰摂取によりエネルギーとして使い切れなかったものが中性脂肪となります。中性脂肪が高くなると、必然的に皮下脂肪や内臓脂肪も多くなってしまいます。

中性脂肪は悪者のように感じますが、中性脂肪が直接体に害を与えることはありません。しかし中性脂肪や内臓脂肪が多いことで、病気のリスクを上げてしまうことに間違いはありません。

中性脂肪の数値が1,000mg/dlを超えるような場合は先にお伝えしたように食事と運動を行い、中性脂肪の数値を下げ内臓脂肪を落とすように心がけることが大切です。

7. まとめ

内臓脂肪を効果的に落とすためには、糖質をとり過ぎないことが大切です。
また内臓脂肪が多くなるとがんや生活習慣病だけではなく、重篤な病気を引き起こしてしまう可能性があります。

短期間に内臓脂肪を落としたいならまずは糖質を控えてみましょう。
大切な体のために栄養バランスのとれた食事と運動を楽しみながら、健康的な毎日を送りましょう。

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この記事を書いた人

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。