近年、健康志向の高まりやダイエットに効果があるとして「腸活」が注目を集めています。
腸活といえば、腸内環境を整えること。腸内環境を整えるために食事の見直しや適度な運動を行うなど生活習慣を見直す方も増えてきています。
腸活を意識している方にとって気になる存在となっているのが「整腸剤」です。
その他にも下痢や便秘など便通改善のために整腸剤を服用している方もいらっしゃるのではないでしょうか。これらの症状を改善するために、長期的に整腸剤を服用している方も多くいます。
その一方で、整腸剤を飲み続けることで副作用があるのではないかと心配する声を聞くこともあります。整腸剤がどのようなものであるかを正しく知ることで、副作用の心配を軽減することができます。
今回は整腸剤の副作用、服用するときの注意点などについてご紹介します。
整腸剤とはどのようなものでしょうか?詳しく説明いたします。
整腸剤は実は薬ではなくサプリメントのようなものだと考えてください。
毎日服用したいけど副作用が心配、という方には、整腸剤がサプリメントのようなものだと考えて服用することをおすすめします。
整腸剤の主成分は生菌であることを考えると、長期服用に対する抵抗感が軽減されるのではないでしょうか。
整腸剤は医療機関を受診した際に処方されることも多いですが、ドラッグストアやスーパー・コンビニでも購入することができます。処方薬・市販薬ともに、さまざまな種類の整腸剤があります。
例えば便秘であれば便秘薬を服用することで便意を感じ、排便することができます。
それは腸を刺激することで排便を促しているのであって、根本的な症状の改善にはつながりません。
一方で整腸剤は腸内環境を改善することが目的であるため、便秘薬との作用に違いがあります。
整腸剤はゆっくりと作用していくため効果を感じるには、毎日コツコツ服用することが大切です。整腸剤は今日飲んで明日すぐに効果が出るものではありません。
整腸剤を服用していると副作用があるのではないかと心配する声を耳にすることがあります。結論からいうと基本的に整腸剤には副作用はありません。
しかし整腸剤の種類によって配合されている生菌が異なるため、すべての整腸剤が自分に合うとは限りません。そのため、自分に合っていない整腸剤を服用することによって、症状が改善されなかったり、不調を感じる可能性もあります。
4週間ほど服用しても便通が改善しなかったり体調がよくならない場合は、他の生菌が配合された整腸剤を試してみてもみましょう。整腸剤の効果を感じるためには自分に合った整腸剤を飲むことが大切です。
自分に合った整腸剤を継続して服用することで腸内環境が改善されます。
腸内には善玉菌と悪玉菌・日和見菌が存在しており、これらのバランスが悪いとさまざまな不調の原因になると考えられています。
腸内細菌の種類や数は、食事や生活習慣・人種・年齢などによっても異なるため、自分に合った整腸剤を見つけることが大切です。
腸内環境を整えるには短くて4週間、長くて1年程度かかるといわれています。そのため本格的に腸内環境を整えたい方は、自分に合った整腸剤を服用することをおすすめします。
整腸剤には基本的に副作用はないとお伝えしましたが、服用するにあたり注意すべきことがあります。
整腸剤の効果を実感するためには、まずは整腸剤の特徴を知っておくことが大切です。
薬を服用するときに大切なことは用法・用量を守ることです。整腸剤にも用法・用量の記載があります。整腸剤の多くは1日3回服用するようにいわれていますが、それだけの量を毎日飲むのは大変です。
用法・用量を守れなかったことを理由に整腸剤の服用をやめてしまっては、整腸剤の効果を感じることはできません。継続して服用するためにも、整腸剤は1日1回の服用でも大丈夫です。
整腸剤を飲むタイミングは食前でも食後でもどちらでも構いません。整腸剤を服用するにあたってもっとも大切なことは毎日服用することです。
整腸剤には自分に合うものと合わないものがあります。自分に合っているかどうかは自分の便を確認することでわかります。排便の度に自分で便をチェックする方は少ないかもしれません。
しかし「便は健康のバロメーター」といわれるほど、胃や腸の健康状態を表しています。毎日便をチェックする習慣をつけることも大切です。
自分に合った整腸剤を継続して服用していると腸内の善玉菌が優勢になり腸内環境が整います。
そうなると便の性状が変わってきます。整腸剤が自分に合っている場合は、便の色はきれいな黄褐色で形はバナナ型になります。またにおいもほとんどしなくなります。
一方、悪玉菌が優勢である場合、腸内環境は悪化し便の色は黒っぽくなります。また、形の崩れた便になったり、下痢になったりします。
整腸剤を毎日コツコツと続けて便が黄褐色でバナナ型に変わってくるようであれば、自分に合った整腸剤であるという証拠といえます。
4. 整腸剤は下痢にも便秘にも効果があるって本当?
整腸剤は下痢や便秘のときに病院で処方されることがあります。
下痢と便秘の症状は相反するものであるため、なぜ整腸剤がどちらにも効果があるのか疑問に思われる方もいるかもしれません。
整腸剤の主成分である乳酸菌やビフィズス菌などの菌が、腸の善玉菌を増やし悪玉菌を減らすことで腸内環境を整えることができます。
腸内環境が整うと腸内環境の悪化による下痢や便秘などの消化器症状を改善することができるのです。
整腸剤の主成分は乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌です。菌にはさまざまな種類があり、作用もそれぞれ異なります。
そのため整腸剤と一括りにしても主成分である菌によって、整腸剤の作用も異なります。整腸剤に配合される代表的な5つの菌についてご紹介します。
ビフィズス菌は大腸で乳酸と酢酸などの「短鎖脂肪酸」を産生する菌です。この「短鎖脂肪酸」は腸管のエネルギー源となり、腸管蠕動が促進され、腸内環境が良くなります。
また、ビフィズス菌は主に大腸にすみつき、有害物質を作る悪玉菌が増殖するのを抑えます。定着性に優れています。
アシドフィルス菌は乳酸菌の種類の1つです。主に小腸に住みつき、「短鎖脂肪酸」である乳酸を産生します。
悪玉菌の増殖を抑えるとともに、ビフィズス菌が増えやすい環境を整えます。
糖化菌は、アミラーゼを産生し、デンプンを糖へ分解します。これにより、デンプンを分解できない乳酸菌の増殖を促進する働きがあります。
このため、糖化菌は単独でなく、乳酸菌と合わせて配合された整腸剤が一般的です。
有胞子性乳酸菌は熱や胃酸に強く生きたまま腸に届きます。乳酸を生成して大腸のpH(ペーハー値)を下げ、腸内環境を整える働きがあります。
また、小腸に存在する免疫細胞に働きかけ、免疫力を増強させる作用もあります。
納豆菌は胃酸に強い菌です。腸内で発芽しビフィズス菌や乳酸菌の増殖を助けます。
どの生菌にも共通するのは、腸内環境が改善するよう働きかける作用があるということです。
整腸剤を飲み続けていても効果が見られないようであれば、腸内細菌のバランスの乱れ以外に原因があることが考えられます。また服用を続けることで体に異変を感じることがあれば早めに専門の医療機関を受診しましょう。
とくに以下のような症状が見られた場合は、重大な病気である可能性があるため注意が必要です。
・突然、便秘になった
・便に血が混ざっている
・腹部に激痛がある
・嘔吐や発熱
・腹部にしこりがある
また上記のような症状が見られなくても、長期間整腸剤を服用しても便通や体調の改善が見られない場合は、医療機関を受診しましょう。
今回は多くの方が気になっていた整腸剤の副作用についてご紹介しました。
長く飲み続けることで副作用を心配される方も多いと思いますが、基本的に整腸剤には副作用はありません。
整腸剤の副作用を気にして、腸内環境が悪化した状態が続く方が体にとっては大きな負担になると考えられます。
最近では腸内環境が健康に大きな影響を与えていると考えられているため、健康を維持するためには腸内環境を整えることが大切です。
だからこそ食生活や生活習慣を見直しながら、整腸剤を上手に活用していくことをおすすめします。まずは自分に合った整腸剤を見つけ、1日1回、毎日コツコツ服用して、健康な体を手に入れましょう。
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この記事を書いた人
秋山 祖久医師
国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。