内視鏡医師の知識シリーズ
ENDOSCOPIST DOCTOR'S KNOWLEDGE SERIES

海外旅行に絶対持って行きたいおすすめの薬7選を紹介!

コロナも一段落し、海外旅行に行かれる人も増えてきましたが、海外旅行では環境の変化に体がついていかなかったり、必要以上に食べたり飲んだりしてしまいお腹を壊したりすることがよくあります。特に衛生環境が整備されていない国での食事では、感染性の下痢を引き起こすこともあります。

せっかくの海外なのに体調不良で楽しめないということにならないよう、日本から薬を持っていけばいざという時に非常に安心です。とはいえ、どの症状に何の薬が効果的なのか、たくさんある薬の中からどの薬を選べばよいかよくわからない、という人も多いのではないでしょうか。

今回は、医師がおすすめする海外旅行に持って行くと安心な薬を7つ紹介していきます。

1. 海外旅行に持って行きたい薬7選

パスポートとスーツケース
海外旅行に持って行きたい薬として、ここでは

・ブスコパンA錠(エスエス製薬)
・ストッパ下痢止めEX(ライオン株式会社)
・パンシロン(ロート製薬)
・ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)
・アセトアミノフェン錠HP(小林薬品工業)
・葛根湯(ツムラ)
・五苓散(ツムラ)

をそれぞれ紹介していきます。

1-1. ブスコパンA錠(エスエス製薬)

「ブスコパンA錠」はドラッグストアでも売っている有名な薬で、医師もお腹の痛み止めとして必ずといっていいほど処方する薬です。ブスコパンA錠は、胃痛や腹痛、さしこみ、胃酸過多、胸やけなどに効き、お腹の動きを抑えて痛みを止める効果があります。

旅行先で食べ過ぎたり飲みすぎたりしてお腹が痛くなることは結構あると思いますが、その際には取り急ぎこの薬を飲んでおくと痛みがピタッと止まってくれる便利な薬です。また、長時間飛行機に乗る時などにもとても有効です。

効き始めるまでの時間としては、飲み薬ということもあり胃の中で溶けるまで少し時間がかかるものの、通常1時間程度で効いてきます。

1-2. ストッパ下痢止めEX(ライオン株式会社)

突発性の下痢にも水なし1錠で飲めるという謳い文句で有名の「ストッパ下痢止めEX」ですが、CMでもよく見かけますしドラッグストアでも売られている有名な薬です。

有効成分としてロートエキスとタンニン酸ベルベリンが入っており、ロートエキスは腸の異常収縮を抑え、腸内における便の移行スピードを抑える効果があります。腹痛を伴う下痢に高い効果を発揮するのが特長です。

また、タンニン酸ベルベリンには抗菌作用があり、腸粘膜の炎症を抑えて下痢の原因菌を殺菌してくれる効果があります。腸内の水分が過多になるのも防いでくれ、さらには腸内の異常腐敗、醗酵も抑えてくれます。また、過敏性腸症候群やSIBO(小腸内細菌増殖症)にも効果があると言われています。

このストッパ下痢止めEXは、食あたり的な下痢や飲み過ぎた次の日の下痢にも有効です。過敏性腸症候群といったストレス性の下痢を起こしやすい人や、緊張してお腹を下しがちの人が日本人には多いですが、そのような症状をお持ちの人にも効果があるといった報告もあります。

1-3. パンシロン(ロート製薬)

胃腸薬の「パンシロン」、これも知らない人はほとんどいないのではないか?というほど有名な薬です。このパンシロンは、総合胃腸薬といった部類に入るもので、消化を助ける消化剤や胃酸を中和したり抑制したりして胃をスーッとさせる制酸剤、胃粘膜を修復・保護し、整える効果のある粘膜修復剤・健胃剤などが入っているなど、必要な有効成分がバランス良く配合されています。つまり、このパンシロンひとつ持っているだけで、軽い胃の痛みや胃もたれ、食べ過ぎ、吐き気、むかつきなどに効果があるため、とても便利な胃薬と言えるのです。

胃薬を選ぶ基準としては、胃液を中和して胃の粘膜を保護する効果を持つ制酸剤や、胃粘膜保護作用のあるもの、消化剤などたくさん入っているものが良いのですが、なかでもパンシロンは非常におすすめです。

海外旅行に行くと普段あまり見たことのない食事を前についつい皆さん食べ過ぎてしまうことと思います。なかには具合が悪くなってしまう人もいるでしょうが、その際にはパンシロンを飲んでおくと安心です。

1-4. ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)/アセトアミノフェン錠HP(小林薬品工業)

ここからは2つセットで紹介していきます。

普段、医師も処方で出す薬として有名な「ロキソニンS」と「アセトアミノフェン錠」も、海外旅行時に持って行きたい薬です。これらの薬は痛みに素早く作用し、発熱や頭痛を効果的に抑える効果がありますので、海外旅行の際には両方を備えておくのがよいでしょう。

ロキソニンSは成分にロキソプロフェンナトリウム水和物が含まれており、炎症や痛みのもととなるプロスタグランジンを抑えてくれます。1回1錠で、頭痛・生理痛といった突然訪れる痛みに効くだけでなく、悪寒や発熱時の解熱にも効果的とされています。

また、アセトアミノフェン錠HPは、有効成分アセトアミノフェンが脳の体温調整中枢や痛みを伝える神経に作用して、頭痛や発熱を抑えます。現在でもコロナが流行っていますので、海外旅行先で「コロナかな?」と思った時には、アセトアミノフェン錠HPを飲んでおくとよいでしょう。

これら2つの薬のうち、ロキソニンSの方が効果は強いため、早く頭痛を治したい人はロキソニンSを飲むのが有効です。他にも筋肉痛や関節痛にも効果的です。ただし効果が強いぶん、ロキソニンSは胃を荒らしてしまいやすく、胃潰瘍になってしまうケースも報告されています。よって、胃のことを考えるのであればアセトアミノフェン錠HPを服用する方がよいかもしれません。

なお、両方とも常用し続けるのはあまりよくありません。突発的な胃痛などの症状に対してはよいものの、常用は避け、症状が続くようであればすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

1-5. 葛根湯/五苓散

「葛根湯」と「五苓散」といった漢方薬も、海外旅行先で活躍する薬としておすすめです。

葛根湯は非常に有名な漢方薬で、ツムラやクラシエ、コタローなどから販売されているものが有名です。この葛根湯はかぜのひき始めなど寒気や頭痛によく効きます。たとえば、体がゾクゾクしてきた、これから熱が出そうだ、といった時に飲むとよいです。比較的何にでも効くと言われており、頭痛をはじめ腹痛や肩こり、不定愁訴などがある際に葛根湯を飲むと良いとも言われています。

一方の五苓散(ごれいさん)は、むくみが気になる人におすすめの漢方薬で、こちらもツムラやクラシエなどから販売されています。この五苓散には利水作用があり、体内の水分が足りていない時には水分が外に出ないように溜めておき、体内の水分が多い時にはおしっことして外に出すことができるなど、体内をめぐる水のバランスを整える薬となっています。

なお、お酒を飲む人にも五苓散は非常におすすめです。海外旅行先で食事をしながらお酒を飲む機会は多いと思いますので、「今日はお酒を飲みそうなので事前に五苓散を飲んでおこう」といった使い方に加え、飲み過ぎて二日酔いになった人が飲むのに適しています。他にも長時間フライトでむくみがちの人も五苓散を飲んでおくとよいでしょう。

2. まとめ

サプリメント
以上、医師がおすすめする海外旅行に持って行くと安心な薬を7つ紹介しました。

もちろん、海外のドラッグストアでも薬を入手することはできなくありませんが、英語や現地語で書かれた成分表記をしっかり理解できなかったり、欧米諸国への旅行の場合、小柄な日本人には薬の量が多すぎることもありますので、十分な注意が必要となります。

その点、上記で紹介した薬を持参していけば海外旅行中に突然訪れる体調トラブルにも対処できるでしょう。もちろん普段から服用している薬があればそれに越したことはありません。ぜひ症状に合わせた薬を携帯して、海外旅行を楽しんでくださいね。

癌にならない腸活実践メルマガ講座

「癌にならない腸活実践メルマガ講座」では、がんで亡くなる人・苦しむ人を一人でも多く減らすために日常生活の中で実践できる

・免疫を上げる方法
・正しい腸活の知識
・腸内環境とお肌の関係
・健康的なダイエット方法
・乳酸菌のすごい効果

などを、腸の専門医が毎日メールでお届けいたします。

免疫力をアップして、いくつになっても健康的な毎日を過ごしたい方におすすめの内容になってますので、気になる方はぜひ記事下のバナーをクリックしてお申し込みください。
↓↓
癌にならない腸活 実践メルマガ講座 乳酸菌バナー 内視鏡チャンネルバナー

この記事を書いた人

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。