内視鏡医師の知識シリーズ
ENDOSCOPIST DOCTOR'S KNOWLEDGE SERIES

【激痛ランキングトップ3】痛くなりたくなかったら今すぐ予防しよう!現役医師が徹底解説

病気の中には、「世界三大激痛」と呼ばれるような激しい痛みを伴うものがいくつか存在します。あまりの痛さに耐えきれず、のたうち回るような痛みはできれば避けたいもの。そのような激痛が伴う病気にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回は、激痛ランキングのトップ3を紹介し、それぞれの病気の特徴や予防策について詳しく説明していきます。

1. 第3位:心筋梗塞

胸が痛い中年男性
まず第3位は「心筋梗塞」です。心筋梗塞とは心臓発作の主な原因となるもので、心臓を動かすために心筋へ酸素や栄養を送るための冠動脈が閉塞し、心筋部分に酸素が行き渡らず壊死している状態のことを言います。

心筋梗塞は、血管の詰まる部位によってはすごい痛みや発作が出たりすることがあります。ただし血管内には側副血行路という別の血流路がたくさんあって、血液循環の際に詰まらないよう何本かで必ず栄養しています。こちらのルートがだめでも別の道を、となっていることから、いきなり壊死が起こることはありませんが、詰まる場所によっては即死する場合もあり注意が必要です。

1-1. 心筋梗塞の原因

心筋梗塞は生活習慣病のひとつであり、長い年月を経て血管が詰まるぐらい動脈硬化が進んだ結果で起こります。血管が硬くなったり、コレステロールが溜まったり、カスが詰まったりということで血管が詰まるわけですが、突如血管が詰まるということはありません。

よくダイビング中に心筋梗塞の発作が起きて亡くなる人はいますが、これはもともと血管が狭いところに水圧や気圧の関係でさらに狭くなり詰まってしまって発作が起きてしまうケースです。あとは夜寝てる時にいびきをかく人の場合だと無呼吸発作となり、酸素がうまく取り込めず血管が締まって亡くなってしまう人もいます。これは睡眠時無呼吸症候群と言われ、突然死も多いものです。

1-2. 心筋梗塞の予防

心筋梗塞の予防としては、脂肪分の多い食事や塩分の多い食事を控えること、運動不足の解消、禁煙などが挙げられます。乱れた生活習慣を続けると肥満に繋がり、心筋梗塞による死亡リスクを高めます。肥満の人は内臓脂肪の蓄積によって糖尿病や高血圧、脂質異常症などが起こりやすくなっており、心筋梗塞になりやすいので注意しましょう。

2. 第2位:痛風

足が痛む男性
第2位は「痛風」です。痛風は風が吹いても痛いと言われますが、これは本当に痛いです。「痛風」は尿酸値が高い人がなりやすい病気で、高いプリン食(肉類/魚介類)やアルコール摂取、また果糖の過剰摂取が原因の「産生過剰型」の場合と、もうひとつが肥満や糖尿病によるインスリン抵抗性(インスリンがい効きにくい状態)やアルコールが原因の「排泄低下型」の2つがあります。なかでも日本人の場合は、排泄低下型が多いのが特徴です。

また、痛風は圧倒的に男性がかかりやすい病気でもあります。30代のころから発症しはじめ、40代・50代に続きます。痛風自体はそれほど珍しいものではなく、100人に1人程度がかかる病気です。

2-1. 痛風の特徴

先ほど尿酸値が高い人ほど痛風になりやすいとお伝えしましたが、一般的な尿酸の基準値は7.0mg/dLまでで、これを超えると尿酸が関節に溜まりやすくなります。なかでも9.0mg/dLを超えている人は痛風が起こりやすい身体であると言えるでしょう。

痛風は痛みのある関節がいつも同じではなく、かなり場所は変移します。一般的に痛風の生じやすい場所は、親指のつけ根や足の甲、足首、手首、アキレス腱のつけ根、ひざやひじ、指の関節などさまざまですが、典型的なのが親指のつけ根です。

2-2. 痛風の予防

痛風の予防に関しては水分補給がとても大事で、普段から水分摂取することが予防となります。1日2リットル程度の水を飲むようにすると良いでしょう。それぐらいの水分量を摂らないと、腸にも水分が行き届きませんし便秘にもなります。

ほかにも、コーヒーの摂取が痛風予防に良いという臨床試験結果もありますので、試してみるのもおすすめです。

またプリン体の摂りすぎには注意しましょう。白子やレバー、カツオ、エビなどにはプリン体が多く含まれているため、絶対に食べるなとは言わないものの、ほどほどに楽しむ程度にとどめておくのが賢明です。

痛風に関しては自己流の手当ては厳禁です。ドラッグストアで購入した痛み止めを飲んでおけば治る、といったものではありません。医療機関をできるだけ早く受診して、適切な診断を受ければ1~2週間程度で痛みは治まってきます。ただし、痛風の根本的原因は生活習慣によるところが大きいため、痛みが治まったからといってこれまでと同様の食生活を続けるのではなく、まずは生活習慣を改めましょう。

3. 第1位:尿管結石

腹痛の男性
激痛ランキング第1位は「尿管結石」です。腎臓で作られた尿は尿管および膀胱を経由し、尿道を通って排出されますが、その過程において腎臓でできた結石が尿道など尿路のどこかでひっかかって激痛を起こすものを尿路結石と言います。尿管結石は尿路結石のなかでも特に痛みを伴うものとして知られています。

尿管結石は男性・女性問わずどちらでも起こり得ますが、なかでも運動不足の人や太りぎみの男性は尿管結石になりやすい傾向にあります。尿管結石の症状としては、脇腹から下腹部での激しい痛みや、腰痛、吐き気、嘔吐、血尿、顔面蒼白などが現れます。

3-1. 尿管結石の原因

尿管結石は夜中に起きることが多い病気で、脱水が原因です。体内で脱水が起きると、血液をドロドロにしてしまうため結石が出来やすく、尿管を詰まりやすくしてしまいます。尿管に結石が詰まった結果、尿が下に流れていかなくなり、腎臓の中の腎盂という部分が尿でパンパンに腫れるため痛みが起こってしまうのです。ただし、結石が抜けたら痛みは取れます。

尿管結石全体の約8割はリン酸やシュウ酸とカルシウムが結合した結石と言われています。たとえばシュウ酸はほうれん草などに含まれているもので、シュウ酸の過剰摂取は尿管結石の原因となっています。このシュウ酸は水に溶けやすく、茹でることによりシュウ酸が減少するため、ほうれん草を食べる際には湯がいてから食べるとシュウ酸の過剰摂取は抑えられます。

なおカルシウムはある程度摂取した方が良く、アメリカで9万人を対象とした研究によると、カルシウムの摂取量を増加させた方が、カルシウム結石形成を抑制するという報告もあり、尿管結石ができにくいと言われています。

3-2. 尿管結石の予防

尿管結石の予防としては、まずは1日2リットル程度の水分をしっかり摂ることです。適度な水分補給を行った方がその後の5年間の尿管結石の再発率が15%程度下がったという論文もありますので、毎日脱水を避けるために水分補給には気を付けましょう。

また、カルシウムの摂取も尿管結石を大いに予防してくれます。一般的な日本人は1日500mg程度のカルシウムを摂っているのですが、600mg~800mgくらい摂取すると尿管結石の予防になると言われていますので、小魚やナッツ、アーモンドなどが小袋に入ったおやつなどは腹持ちもよく、カルシウムも摂れるのでおすすめです。

クエン酸の摂取も尿管結石を予防します。梅干しや酸っぱいレモン、カシスなどに含まれているクエン酸は、尿の中でカルシウムと結合し結石を予防してくれることがあります。

4. まとめ

ウォーキングをする男女
以上、激痛ランキングトップ3として「心筋梗塞」「痛風」「尿管結石」それぞれの病気の特徴や予防策について紹介してきました。

どの病気に関しても言えることは、適度な運動や肥満防止、生活習慣病に気をつけた生活、健康的な食事、水分補給といったごく当たり前のことができるかどうかです。人間誰しも病気にはかかりたくないと思いますが、なかでも激痛を伴う病気だけは避けたいもの。今回紹介した激痛のある病気にかからないようにするためには、ここで紹介した予防策をぜひ今日からでも実践してみてください。

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この記事を書いた人

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。