胃カメラ検査前日の食事や検査の注意点について詳しく解説!
胃カメラ検査を初めて受ける人の多くは「痛くないだろうか?」「仕事や生活に支障はないだろうか?」「前日にはどんなものを食べてもいいんだろうか?」などさまざまな不安をお持ちなのではないでしょうか。一度経験してしまえば問題ないとはいえ、どのように検査前を過ごしたらいいのかどきどきして眠れない人もいるかもしれません。
特に胃カメラ検査前日の食事ついては、胃の中にカメラが入ることもあり、「どんなものは食べていいのか?」「何時まで食べてよいのか」が気になるのではないでしょうか。
今回は、胃カメラ検査前日の食事、胃カメラ検査当日までの流れ、その他注意点についても詳しく見ていきます。
胃カメラ検査とは、口もしくは鼻から内視鏡を挿入し、のどや食道、胃、十二指腸といった上部消化管を直接観察する検査です。胃カメラ検査という言葉から胃だけを検査すると思われがちですが、のどや食道、胃、十二指腸なども検査対象となります。
胃カメラで発見できる病気には、ピロリ菌感染症をはじめとして胃潰瘍や十二指腸潰瘍、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、逆流性食道炎などさまざまです。
なお胃カメラ検査には、口から内視鏡を挿入する「経口内視鏡」と、鼻から内視鏡を挿入する「経鼻内視鏡」の2つがありますが、一般的に経口内視鏡のことを「胃カメラ」と呼び、経鼻内視鏡のことを「経鼻」と呼びます。医療機関によっては、どちらの内視鏡検査を行うかを選択することができます。
経口内視鏡は経鼻内視鏡よりスコープが太く(直径10mm程度)、明るくて鮮明な画像を撮影することができ、拡大観察もできるなど、高い精度の観察が可能です。
検査の際にはのどに麻酔を行ったのち、検査台で左側臥位(左側を下にした状態)になります。鎮静剤を使用することで苦痛なく検査することができるほか、舌の付け根にスコープが当たることで生じる嘔吐反射の危険がある場合には、細いスコープでの検査も可能です。
経鼻内視鏡はスコープが細く(直径は5~6mm程度)、経口内視鏡に比べると楽に検査を受けられます。嘔吐反射のある人は経鼻内視鏡検査のほうがおすすめと言えるでしょう。
ただし、経鼻内視鏡検査は経口内視鏡検査に比べると、スコープが細い分時間が長くなってしまいます。また、経口内視鏡検査よりも画像解像度が低く、拡大観察ができないなどのデメリットがあります(ただし、最近は技術の向上により精度が上がっています)。
検査は鼻やのどに麻酔を行ったのち、検査台で左側臥位にて行います。
最近では、胃カメラ検査を行う際の不安や苦痛を軽減するために、鎮静剤を使用して胃カメラ検査を行う人が増えてきました。人によって個人差はありますが、検査中ぐっすり眠っている人もいれば、ボーっとしている状態のまま医師の呼びかけに反応できる人もおり、いずれにしても苦痛を感じることなく検査を終了することができるのが特長です。
鎮静剤を使用した胃カメラ検査を行った場合、意識がはっきりするまで休んだのちに帰宅が可能となります。また、その場合車やバイク、自転車などの運転は避けるようにしましょう。
胃の検査となるとバリウム検査が有名です。胃カメラ検査はしたことがないという人もバリウム検査であれば一度はしたことがあるのではないでしょうか。
バリウム検査は、正式名を「上部消化管X線検査」と言い、造影剤を飲んで発泡剤にて胃を膨らませたうえでレントゲン撮影を行う検査です。バリウム検査は、胃全体の動きを観察できるという点や内視鏡検査によりも費用が安く手頃に検査できるといったメリットがありますが、小さな胃がんや場所・形によってはがんの見落としが起きてしまう可能性が高く、精度の高い胃カメラ検査の方が結果に対して安心できます。
胃カメラ検査を行うには、胃の中を空っぽにしておく必要があります。そのために、検査前日の食事については特に注意しなければなりません。
胃カメラ検査前日までは特に食事に関する制限はありません。ただし、3日ぐらい前から飲酒や脂っこい食事はなるべく控えるようにしておきましょう。
胃カメラ検査前日は、普段と変わらない生活をおくって大丈夫です。仕事も普段通りに行えます。ただし食事に関しては、昼食は普通に摂っても問題ありませんが、夕食は夜の9時~10時までに終わらせておくようにしましょう。その際、消化の良いものを食べると良いでしょう。タンパク質や脂質を避け、糖質を摂ることで胃の滞留時間は短くなります。たとえば、おかゆや白米はおすすめ、また肉・魚類は食べても差し支えありませんが、うどんやパスタといった麺類は控えておくのが無難です。他にも食物繊維や乳製品、海藻類、イチゴやキューイフルーツといった種の多い果物などの摂取は避けましょう。
夕食後、水やお茶、スポーツドリンクなどの水分であれば摂取しても検査には影響がないので大丈夫ですが、ジュースやコーヒー、牛乳などは避けましょう。また、「胃に何も入れてはいけない」と思って水分を摂らないでいると、脱水症状を引き起こしてしまうおそれがあるため、くれぐれも注意しましょう。なお、積極的な水分補給は食べたものを胃の中から外に出すのにも効果的です。
胃カメラ検査当日の朝は、食事を摂ることができません。また、前日同様水やお茶、スポーツドリンクといった水分は摂取可能ですが、あまり多くは飲まないでおきましょう(ペットボトル1本程度にとどめておく)。
また喫煙者の人は、胃カメラ検査当日の喫煙は、胃液が増え正確な検査が困難になるため、控えておきましょう
胃カメラ検査自体は、医療機関によって異なるものの10~20分程度で終了することが多いようですが、事前に行う問診や準備、また生検を行った場合には時間がさらにかかるので、トータルで1時間~2時間程度かかるとみておいてよいでしょう。鎮静剤を使用した場合には、さらに30分~1時間程度の待機が必要となります。
胃カメラ検査終了後、医師から検査結果の説明があります。
観察のみで検査が終了した場合にはその後の食事制限はありません。とはいえ、数日間食事制限を行っているので、できるだけ消化の良い食べ物を摂るようにしましょう。またアルコールを摂取しても問題ありませんが、生検を行った場合には検査当日のアルコールや脂っこい食事は控えておくようにしましょう。
なお、生検を行った場合には結果判明までに時間がかかります(通常10日程度)。そのため、改めて来院し、結果を医師より説明されることとなります。
上記で紹介した内容以外にも、胃カメラ検査における注意点について、知っておくとよいものをいくつかを紹介しておきます。
胃カメラ検査を受けた際に、生検もしくはピロリ菌検査を行った場合には、まれに出血を伴うことがあります。胃から出血で便が黒くなることがありますので、その場合には医療機関に確認するようにしましょう。
胃カメラ検査当日の入浴に関する制限はありませんが、検査終了後は、入浴はできるだけ控えシャワーを浴びる程度にしておきましょう。また、生検を行ったりポリープを切除した場合には、入浴・シャワーを控えるようにしましょう。
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この記事を書いた人
秋山 祖久医師
国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。