内視鏡医師の知識シリーズ
ENDOSCOPIST DOCTOR'S KNOWLEDGE SERIES

自宅でもできる認知症予防!認知症にならないためのおすすめの食べ物について

人生100年時代とも言われる現在、高齢化が進むにつれて認知症は患者数もここ最近非常に増えています。認知症の推定患者数は2025年には675万人、2040年には802万人、2060年には850万人になるとも言われています。

認知症予防の方法については、現在のところ完全には確立されていないのが現状です。しかし、生活習慣を見直すことで認知症の発症を抑えることはできるのではないかという研究も進んでいます。

そんな生活習慣の改善のなかでも適切な食事を摂ることは認知症の予防に効果があると言われています。一方で認知症の発症リスク要因となる食べ物もあるため、日々の健康に加え認知症予防を意識した食生活は高齢者にとって非常に大事といえます。

今回は、認知症の種類や認知症を予防するための食べ物について詳しく見ていきます。

1. 認知症について

認知症
認知症とは、脳の障害によって記憶力や思考力、判断力、言語能力などの認知機能が低下する病気です。認知症は一時的なものではなく、通常は進行性で日常生活にも大きな影響を与えます。

認知症の原因ですが、脳細胞の損傷や死亡によるもので、これには脳血管の障害やプロテインの異常蓄積(アルツハイマー病におけるアミロイドプラークやタウタンパクの蓄積など)、遺伝的要因、生活習慣や環境要因などが関与しています。

認知症によるもの忘れは、単なる加齢によるもの忘れとは違います。ちなみに65歳を境に認知症は区別され、65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」と呼んでいます。

「加齢によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」の違い(一例)
認知症の違い
引用参照:「政府広報オンライン」知っておきたい認知症の基本
(URL: https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/1.html )

認知症にはさまざまなタイプがあり、アルツハイマー型が最も一般的ですが、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症なども含まれます。

1-1. アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症とは、アミロイドβとリン酸化タウといったタンパク質の蓄積により発症すると考えられている認知症です。このアルツハイマー型認知症は主に高齢者に見られ、記憶喪失、思考力や判断力の低下、日常活動の困難などの症状が進行する形で現れます。

1-2. 血管性認知症

血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血など、脳の血管の問題によって引き起こされる認知機能の障害です。脳の障害が原因で脳組織が損傷を受け、その結果として記憶力や思考力、判断力などの認知機能が低下する状態を指します。血管性認知症のリスク因子には、高血圧や糖尿病、高コレステロール、喫煙、心疾患などがあり、脳の血管に損傷を与える可能性があるものとして注意が必要です。

1-3. レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは、脳内に特殊なタンパク質の塊であるレビー小体が形成されることにより引き起こされる進行性の認知症を言います。レビー小体型認知症は、認知機能の低下のほかに、運動障害や幻覚を引き起こすのが特徴です。そのため、認知症患者は頻繁に精神状態の変化や視覚的幻覚を経験したり、パーキンソン病に似た運動機能の障害(手の震え、体の硬直、動作の遅さなど)が見られる場合があります。

1-4. 前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉に影響を与える種類の認知症を言います。この症状は主に社会的スキルや行動制御が低下し、不適切な行動や無関心、感情の薄れなどが見られる「行動障害型」と、言語能力が影響を受け、話す、理解する、読む、書く能力が徐々に失われていく「言語障害型」があります。

2. 認知症の予防方法

深呼吸をする高齢夫婦
現在の日本で行われている認知症の予防とは、認知症を完全に防ぐことではなく、認知症発症を遅らせたり、進行を緩やかにすることを意味しています。たとえばアルツハイマー型認知症や血管性認知症などにおいては、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と関連が深いとされています。そのため、バランスの取れた食生活や定期的な運動を行い、生活習慣の改善を行うことで認知症のリスクを低減することが推奨されています。

3. 認知症予防に食べた方がいい食べ物

ブロッコリー
認知症を予防するためには、食物繊維が豊富で糖質が少ない野菜類を食べるのがおすすめです。具体的には香菜、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、にんにく、しょうがなどを摂るようにしましょう。

また海草類やキノコ類もおすすめ。腸にもいいですし、水溶性の食物繊維が豊富に含まれています。

またタンパク質をしっかり摂るために肉や魚類もできるだけ摂ったほうがいいです。特にサバやサンマといった青魚に含まれるDHAは脳を活性化させる働きがあります。

ほかにも納豆やみそ、ヨーグルトなどの発酵食品を摂るのも大事です。発酵食品を食して腸内環境を良くすることで、リーキーガット症候群(腸漏れ)になりにくくなり、認知症の発症リスクを低減することにつながります。

4. 認知症予防のために控えた方がいい食べ物

甘いもの
認知症を予防する食事療法において、最も重要とされるのは糖質や甘いものをあまり摂り過ぎないことです。この理由として、糖質を摂り過ぎてしまうとアミロイドβが溜まりやすくなってしまうためだと言われています。

認知症が進行していくと、頭はインスリンの抵抗性が高くなります(インスリン抵抗性とは、2型糖尿病で見られる血糖を下げるインスリンが作用しにくくなった状態)。インスリン抵抗性が上がると、脳細胞に栄養分となる糖質を取り込みにくくなり、脳細胞が栄養不足となって萎縮してしまいます。インスリンの抵抗性を高くしないためにも糖質の摂り過ぎには十分注意しましょう。

また小麦関係、グルテンもあまりおすすめできません。小麦やグルテンは、腸に対しても負担が大きくなる食べ物です。低血糖と高血糖を繰り返し、頭がボーッとするような状態に陥りやすく、認知機能が落ちやすくなるため、摂取を控えましょう。

5. 認知症の薬の副作用に注意

薬の写真
認知症予防のためには、食生活の改善も大事ですがもちろん薬の力に頼ることも大事です。ただ認知症の薬は副作用が強く、吐き気や下痢、嘔吐、腹痛、めまい、便秘、体重の減少などを引き起こすことがあり、生活の質(QOL)が落ちた人の中には、薬によって認知症が進んでしまう人もいます。

現在認知症患者に出ている薬は、よくするための薬ではなく進行を少し遅らせる可能性がある薬でしかありません。つまり認知症を根本的に解決するものではありません。それがどれだけ人に幸せをもたらすのかはわかりませんが、副作用の悪い部分が大きく出てしまうと結果として生活の質が落ちてしまうため、どちらがいいのかと言う問題は常に議題に上ります。意外と薬をやめたほうが生活の質が上がり、認知機能が改善する人も中にはいらっしゃいます。

6. まとめ

キッチンに立つ高齢者夫婦
以上、認知症の種類や認知症を予防するための食べ物について紹介してきました。認知症は誰しもがなってしまう可能性のあるものですが、一度認知症になってしまうと、完治が難しいのが現状です。

しかし認知症にかかる前に、健康的な食事をはじめ適度な運動を行うなど生活習慣を改善することで、認知症になるリスクを低減したり、認知症になった場合にも進行スピードを抑えられる可能性は何も対策を行わない人に比べるとかなり高くなります。特に食事に関しては栄養バランスをしっかり考え、カロリーや塩分、糖分に気を付けながら献立を作るだけでも、脳が活性化され認知症予防に期待が持てます。

ぜひ、日々の食事の改善から認知症予防をスタートさせましょう。

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この記事を書いた人

秋山 祖久医師

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。