福岡天神内視鏡クリニックブログ

おならについて 対策編

こんにちは、医師の中島です。

今回はオナラ対策についてのお話です。

 

①イモや豆などを食べ過ぎない。

ご存知のように、イモ類や豆類は腸内環境を整えるのに有益な食材です。腸内細菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖が多く、腸の活動を促しますが、おならが多くて悩んでいるなら、イモ類や豆類の食べ過ぎは控えるのが賢明です。腸内細菌が作るおならは少ないとはいえ、エサを与え過ぎて彼らがあまりに元気になりすぎると、おならは増えやすくなります。

事実、豆類には、こんな逸話があります。

コックピットという閉鎖空間で戦うパイロットには、おならが大問題になる時代がありました。現代のように、地上と同レベルまで与圧されていなかった頃、高高度の低圧環境では気体は膨張するため、おならが腸内に溜まると、パイロットは耐えられないほどの腹痛に悩まされたのです。

このため、1940年代、第二次世界大戦初頭のイギリス空軍では、搭乗前の食事からベイクドビーンズ

(白インゲン豆をトマトソースで煮込んだ定番食)を外したと伝わっています。

いつの時代もオナラに悩まされていたんですね。

 

② 腸の緊張を取り、お腹の張りを止めるなら、ペパーミントがいい。

外来診療で、おならでお腹が張って辛いという訴えをよく耳にします。でも、そう訴える患者さんの腸管を詳しく診ても、ガスが溜まっているケースは滅多にありません。実は、お腹の張りを感じる人の多くは腸管が緊張して硬くなり、狭くなっているため、少量のガスでも張りが強く感じられるのです。

では、お腹の不快な張りを軽くするには、どうすればいいのでしょうか。

お薦めはペパーミント。

腸管は平滑筋という筋肉で作られています。ペパーミントに含まれるメントールの香りには平滑筋を弛緩させる働きがあり、腸管の緊張をほぐしてくれるのです。

ペパーミントティーを飲んだり、同じくメントールが多いハッカの精油を湯船に垂らしてお風呂に入るのも有効です。ただし、同じ”ミント”でも、スペアミントにはメントールはほとんど含まれていないのでご注意を。

 

③活性炭入りのクッションでオナラ対策。

おならは人前ではなく、トイレでするもの。でも、どうしても自席を離れられないときに限り、おならを我慢できなくなる場面もありますよね。

そんなときに重宝するのが、おならの臭いと音を消してくれるクッション。ネット通販などで、隠れた人気商品になっているようです。

おなら対策でクッションを買うなら活性炭入りがお薦め。きちんとしたエビデンスもあります(Suarez FL et al., Gut 1998; 43: 100-104)。

8人の健常者の肛門に、おならの悪臭の成分の一つである硫黄含有ガスを注入。活性炭を入れたクッションに坐ってもらい、ガスの流出をどのくらい減らせるかを検証した研究があります。

すると、活性炭入りクッションは、ガスの流出を劇的に減らせたのです。活性炭には無数の孔が開いており、臭いの成分を引き込んで吸着、閉じ込める作用があり、優れた消臭効果を発揮してくれるのです。

実用的な対策として、アリかもしれないですね。

いかがでしたか。

日頃のオナラの悩みにお役立ていただければと思います。

 

週の中日ですね、一息ついて後半も頑張っていきましょう。

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