おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は食物繊維についての情報です。
私たちは毎日食事を摂っていますが、どんな栄養素をどの程度摂れば良いのか、という基準があるのをご存知でしょうか?
これを「日本人の食事摂取基準」と言います。
厚生労働省が、国民健康・栄養調査やその他さまざまな研究成果を分析して、5年ごとに改定してます。
そしてこのほど、5年ぶりに改定されました。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」算定検討会報告書
として厚生労働省のホームページに掲載されています。
ざっと目を通したのですが、2020年版と比べていくつか変更点があります。
その中でも私が注目したのが、「食物繊維」です。
各栄養素には推奨量と目標量が設定されています。
それぞれ
推奨量→健康を維持するためにできれば摂取してほしい量
目標量→普段の平均摂取量を考慮して、これくらいはクリアしてほしい量
こんな感じだと分かりやすいかなと思います。
それでは食物繊維の摂取基準を、2020年と2025年で比べてみましょう!
食物繊維 | 食事摂取基準2020年版 | 食事摂取基準2025年版 |
推奨量 | 24g/日 | 25g/日 |
成人男性目標量 | 21g/日 | 22g/日 |
成人女性目標量 | 18g/日 | 18g/日 |
表にまとめてみました。推奨量と成人男性の目標量が1gずつ増えていますね。
つまり、皆さん食物繊維をもう少し食べましょう!というメッセージが込められているんですね。
なぜ食物繊維をもっと食べないといけないのでしょうか?
私は理由は2つあると考えています。
①日本人の食物繊維の摂取量が少ない!
「国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日の食物繊維摂取量は平均で14g程度と言われています。
これは、推奨量はもちろん、目標量にも到達していないですね。これは由々しき問題です。
②食物繊維が様々な病気を予防することがわかってきた!
これは最近の研究結果から分かってきてます。具体的には
心疾患、脳卒中、糖尿病、高血圧、高脂血症、認知症、乳がん、胃がん、大腸がん
食物繊維をしっかり摂れば、これらの疾患のリスクを下げてくれるということが研究結果から分かっているんです。
いかがでしょうか。食物繊維をしっかり摂れば、健康に長生きできるということですね。
今日から早速食物繊維を意識して食べてみましょう!
次回は具体的に何を食べたらいいのかを解説したいと思います。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。