おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は1日の総消費カロリーについて考察してみたいと思います。
その前に、「カロリー」のおさらいをしましょう!
「カロリー」とは、私たちが生きていく上で必要なエネルギーの単位のことです。
機械を動かすのに「電気」が必要なのと同じで、我々が生きていくためには「カロリー」が必要なんですね。
そして私たちは、この「カロリー」を食事から取ってます。
食事から摂取したカロリーと1日の消費するカロリーのバランスで太ったり痩せたりします。
具体的に考えてみましょう。
1日に摂取したカロリー=1日の消費カロリー
であれば、痩せも太りもしません。
1日に摂取したカロリー<1日の消費カロリー
食事量が少ない人はこのタイプですね。この場合、足りないカロリーは我々が溜め込んでる体脂肪から補われます。つまり、体脂肪が減って痩せてきます。
1日に摂取したカロリー>1日の消費カロリー
食べ過ぎの人はこのタイプです。この場合、カロリーが余ってしまうので、体脂肪として蓄えられます。つまり、太ります。
それでは、1日の消費カロリーの内訳を割合が多い順から見てみましょう!
①基礎代謝 50~60%
心臓を動かしたり、呼吸したり、筋肉を動かしたりといった、我々の体内の臓器を動かすのに必要なエネルギーです。これが1日の消費カロリーの半分以上を占めます。
②非運動性熱産生 10~15%
掃除、洗濯などの家事、通勤、仕事など、意識した運動以外の我々の日常生活で消費されるエネルギーのことです。
③運動 10~15%
ジョギング、ウォーキング、スイミングなど、我々が普段意識して行っているエクササイズのことです。当然ですが、運動してなければこれはほぼ0%になってしまいます。
④食物の産熱効果 10~15%
我々は食べ物を消化吸収する時にもカロリーを消費していますが、これが食物の産熱効果です。食事ってカロリーを消費しながらカロリーを摂ってるんですね。
ちなみに食後に体が温かくなるのはこの影響です。
これは、栄養素により差があり、
たんぱく質が摂取カロリーの30%
糖質が摂取カロリーの6%
脂質が摂取カロリーの4%
を必要とします。
つまり、たんぱく質の消化吸収が1番カロリーが必要ということですね。
いかがでしょうか。
これから考察すると、運動ってどんなに頑張っても1日のうちの消費カロリーの1割程度しかないんですよね。割合としては、食べ物を消化吸収する時に消費するカロリーとほぼ同じです。
つまり、どんなに運動を頑張ってダイエットをしても消費カロリーはさほど期待できません。
ですので、運動する目的は、カロリーを消費するのが目的ではなく、運動して筋肉をつけて、基礎代謝を上げるため、と考えると良いです。
運動を定期的に行っていると、そのうち基礎代謝が上がり、1日の消費カロリーも増えて太りにくい体質になります。
また、食事に関して言えば、たんぱく質を意識して摂ることで、カロリーを効率的に消費してくれることが分かります。
たんぱく質は体を作るのに必要な栄養分ですので、毎日しっかりと摂りましょう!
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。