福岡天神内視鏡クリニックブログ

セレンとは

こんにちは、医師の中島です。

 

皆さん、セレンという物質をご存知でしょうか?

ナトリウムやカリウム、鉄やカルシウムなどとともに主要ミネラルの一つですが、あまり聞き馴染みのない物質かもしれません。

 

☆セレンとは

必須ミネラルの1つで、人間だけではなく、すべての生き物に必要な微量元素です。

セレンには5つの大切な働きがあります。

①強力な抗酸化作用で活性酸素を除去

②有害金属の解毒を促す

③精子の形成や受精率を高める

④甲状腺ホルモンの調整

⑤抗ガン能力を高める

 

☆細胞を活性酸素から守る

夏の日差しは体に負荷をかけ、過剰に活性酸素を発生させます。過剰発生した活性酸素は細胞へダメージを与え、ガン、糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病などの疾患や老化の原因となります。

子供のうちは活性酸素を除去する能力が比較的高いのですが、年齢を重ねるにつれて、その能力はどんどん低下していきます。そこで、強力な抗酸化作用を持つセレンを摂ることで、細胞へのダメージを減らすことができます。同じく抗酸化作用の高いビタミンCを一緒に摂取すると、相乗効果でより効果的に細胞を守ることができます。

 

☆体内の解毒に欠かせないミネラル

近年では、土壌汚染、大気汚染、食品添加物の摂取などにより、子供のうちから心身にさまざまな影響を与える有害ミネラルを溜め込んでしまいやすくなっています。特に神経過敏を引き起こすカドミウム、脳発達遅延の要因となる鉛、骨を軟化させるアルミニウムは幼少期に過剰に蓄積されていることが多く、また、妊娠期に胎児の脳の発育に悪影響を及ぼす水銀など、これらの物質を解毒するためにはセレンが必要になります。

日本人の通常の食事では、セレン不足になるケースは少ない傾向にあります。しかし、水銀系の農薬が使われるようになり、その解毒に土壌のセレンが使われてしまい、また、酸性雨が土壌に浸透することで、農作物内へのセレンの吸収が妨げられ、含有量が減少し、摂取量が減るようになりました。

 

こんな症状はセレン不足かも!?

口爪の白色化、変形

口フケや抜け毛が多い

口風邪を引きやすくなった

口不整脈

口下肢の筋肉痛、筋力低下

 

それでは、セレンを含むおすすめ食材をご紹介します。

鶏ささみ

ささみはカロリーが低い上に、ナイアシンやセレンが豊富に含まれているので、体重管理や筋力低下が気になる方におすすめ。

ごま

皮が硬く、そのまま食べても消化吸収しにくいため、効率よく栄養成分を吸収するためには皮むきタイプやすりごまを活用しましょう。

魚介類

魚介類はマグロやかつお、アジ、ホタテ、サンマ、牡蠣などにセレンが含まれています。

そば

十割そばを選び、そば湯も飲むようにしましょう。

そば湯には茹でたときに流れ出たビタミンやミネラルが含まれています。

 

1日のセレンの推奨摂取量は成人男性ならば30μg、成人女性ならば25μgとなっています(厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準 2015年版による)。

過剰摂取を続けると、脱毛、爪の変色、嘔吐や下痢、頭痛、疲労感や焦燥感などの症状を引き起こす恐れがありますのでご注意ください。

 

いかがでしたか?

セレン不足が疑われる方は、抗酸化作用の高いビタミンCとともにセレンを積極的に摂取しましょう。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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