福岡天神内視鏡クリニックブログ

マグネシウムについて

こんにちは、医師の中島です。

 

今回はミネラルの一つであるマグネシウム(Mg)についてお話していきます。

まず、冬はマグネシウムが不足しやすいことはご存知でしょうか?

私たちの体は冬の寒さに対応するために、多くのエネルギーを消費します。この消費量は夏に比べて10%増しとも言われており、普段通りの食事をしていても不足してしまう栄養素があります。このような冬特有の栄養バランスの偏りは「冬型栄養失調」と呼ばれます。特に、マグネシウムは体内で発熱するために必要で、寒さで硬直した筋肉・血管を元に戻すのに使われて不足しやすいため、たっぷり補給することが大切です。

 

マグネシウムとは

マグネシウムは体内に約20〜30g存在し、その約6割は骨や歯に、残りは筋肉や脳・神経にあります。マグネシウムは300種類以上の酵素の働きをサポートしていますが、日々の食生活で不足しがちなので、積極的に摂取する必要があります。

マグネシウムの働き

  • 歯や骨を丈夫にする
  • 腸内水分量を増やす
  • 筋肉の働きをスムーズにする
  • 体温、血圧の維持
  • 血液をサラサラにする
  • 免疫力を上げる
  • 気持ちを安定させる

イライラ・癇癪(かんしゃく)はMg不足

様々な役割を担っているにも関わらず、不足しやすいマグネシウムは、脳内でセロトニンという別名「幸せホルモン」という物質の合成と代謝を助けています。マグネシウム不足でこのセロトニンが欠乏すると、すぐキレる(癇癪)、摂食障害、パニック障害、うつ症状、睡眠障害、寝覚めが悪いなどの症状を引き起こす原因となります。心身がしっかりと活動できるようにするためには、セロトニンの材料となるマグネシウムが必要不可欠です。

 

マグネシウムとカルシウム

マグネシウムはカルシウムのブラザーイオンとも呼ばれるほどカルシウムの働きに重要な役割を果たしており、カルシウムとマグネシウムを一定の比率で摂取することで体調を整えることができます。

例えば、カルシウムの摂取量が過剰になると、カルシウムが血液や筋肉に浸透することで筋肉が収縮して血管の内側が狭くなり、高血圧を引き起こしやすくなります。一方で、マグネシウムは血液や筋肉に浸透するカルシウムを抑制する働きがあるため、血圧を維持する方向に働きます。

カルシウムを摂るときはマグネシウムも一緒に摂りましょう。

 

マグネシウムを摂るのにおすすめの食材

海藻類

ワカメやあおのり、あおさなどの海藻には豊富なマグネシウムが含まれています。

食事に加えやすいため、マグネシウム摂取にはおすすめの食べ物です。

木綿豆腐

木綿豆腐はタンパク質、脂質、カルシウム、マグネシウム、鉄、リン、食物繊維などが多く含まれます。植物性タンパク質やカルシウムなど大豆本来の栄養素を多く摂りたい場合は木綿豆腐がおすすめ。

玄米

玄米には、ビタミンE、ビタミンB群、鉄、マグネシウム、カリウム、マンガン、亜鉛などの多くのビタミン・ミネラルが含まれますが、特に、マグネシウムは白米の5倍も含まれています。

白米から玄米に変えるだけで、不足しがちなこれらの栄養素を補うことができます。

 

いかがでしたか?

日頃あまり考えることの少ないマグネシウムについてのお話でしたが、大切な働きがあることを知っていただく機会になれば幸いです。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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