こんにちは、医師の中島です。
手軽で食べやすく、子どもから大人まで愛されるバナナ。やさしい甘さとは裏腹に、1本90キロカロリーと、ごはん(お茶碗1杯150gで250kcal)やパン(食パン1枚で150kcal)と比べても低カロリー。
日常生活で不足しがちな栄養がバランスよく含まれており、アスリートやダイエット中の人にも人気のフルーツですね。
私も朝食や仕事の合間によく食べていますが、ヨーグルトと組み合わせることでたんぱく質も補えて栄養バランスが整うので、おすすめの朝食になります。
改めて、身近なフルーツ・バナナの”イイところ”を確認してみましょう。
①入手しやすさ
1年中流通していて、季節による大きな価格変動もほとんどありません。昨今の物価高騰の中においてもスーパーなどで比較的手頃な価格で入手でき、持ち運びもできる貴重なフルーツです。
②食べやすさ
包丁を使わず、お皿いらずで、手に取って皮をむくだねですぐに食べることのできるお手軽さは魅力。
1本あたりの可食部は約100gで、小腹を満たすのにぴったりのボリューム感です。
③費用対栄養価
価格100円あたりの栄養素充足率を表す、費用対栄養価というものがあります。これを比較すれば、一定金額で購入できる量の中で、より多くの栄養素を摂取できるコストパフォーマンスの良いフルーツがわかります。実は、バナナはこの費用対栄養価が主な果物12品目のうち圧倒的に堂々1位なのです。
では、具体的にバナナの栄養効果をみてみましょう。
・腸内環境を改善
バナナはレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が豊富で、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維と便のかさを増やしてお通じをよくする不溶性食物繊維の両方の機能を兼ね備えています。
また、善玉菌のエサとなるオリゴ糖も豊富で、腸活にはもってこいのフルーツです。
バナナの可食部100gに約0.1gの水溶性食物繊維、約1gの不溶性食物繊維、約0.3gのオリゴ糖を含んでいます。なお、バナナは熟すごとにでんぷんが糖に変わっていくので、まだ熟しきっていないバナナは、より多くのレジスタントスターチを含みます。ですので、腸活目的なら少し青みがかったバナナを食べるのがおすすめです。完全に未熟な青バナナ(グリーンバナナ)は、熟したバナナの8〜9倍ものレジスタントスターチを含むと考えられていますが、完全に青いバナナはおいしさや入手しやすさの点からは継続困難なため、茎の部分に緑色が残っている「グリーンチップバナナ」が最適です。なお、厚生労働省や農林水産省によると、1日の果物の摂取量として約200gが推奨されているので、バナナは1日1-2本程度にしましょう。
・高血圧予防
高血圧を引き起こすナトリウムを体外に排出する働きをするカリウムを多く含みます。カリウムは水に溶けやすいため、生のまま食べられるバナナは損失なくカリウムを摂取できます。また、マグネシウムには血管の収縮を抑え、拡張させる働きがあり、高血圧の予防に役立ちます。
・免疫力アップ
免疫細胞のエネルギー源になる糖質が豊富。また、免疫細胞の活性化に必要な生理活性物質(サイトカイン)の分泌に関わるビタミンB6や、菌やウイルスが侵入した時に起こる炎症を抑える物質の生成に関わるビオチンなど、免疫力向上につながる栄養素が豊富に含まれています。
・むくみ防止
むくみは体内のナトリウム量が多い時、それを緩和させるために体が水分を蓄えることによって起こります。カリウムには体内の余分なナトリウムを排出させる働きがあり、これによりナトリウムと共に体内の余分な水分も排出されるため、むくみ予防につながります。
・睡眠改善
良質な睡眠に不可欠なのが、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌です。このメラトニンの分泌を促す物質が癒しホルモンと言われているセロトニン。さらには、セロトニンの材料となるのが必須アミノ酸のトリプトファンでバナナに豊富に含まれます。夜バナナでリラックス&安眠効果をもたらしてくれます。
・筋肉疲労の改善
バナナには筋肉にたまった疲労物質を取り除く糖質だけでなく、発汗によって失われるカリウムやマグネシウムなど筋肉や神経の機能を調整するために必要なミネラルが多く含まれます。そのため、水分補給と共にバナナを食べると、足のつりや筋肉のけいれん予防に役立つと言われています。
・老化予防
老化の主な原因となる細胞の酸化を抑える、ポリフェノールやβ-カロテン、リコピン、ビタミンA・C・Eなどの抗酸化作用が強い栄養素が豊富です。また、美容ビタミンと呼ばれるビタミンB2・B6やナイアシンは、髪の毛の元となるタンパク質の生成や肌荒れ対策にも役立ちます。
いかがでしたか?
改めて見ると、バナナの健康効果はスゴイですね。
私は最近、バナナときな粉とミルクを混ぜたスムージーにはまっています。
週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。