福岡天神内視鏡クリニックブログ

アブラのこと、ご存知ですか?

こんにちは、医師の中島です。

 

多くの方が悩まれている便秘の原因は様々ですが、その一つに油不足があることはご存知でしょうか?

油に対しては、「体に悪い」「太る」というマイナスイメージが強く、とくにダイエット中の方は油を避ける傾向にあります。

しかし、そもそも私たちの体を構成する約60兆個の細胞の細胞膜は脂肪酸で出来ています。

また、脳の組織の60%は脂質なので、脳にとっても脂肪酸は極めて重要な物質の一つです。

 

青魚や植物に含まれている不飽和脂肪酸は、小腸に吸収されにくい特徴があり、大腸に届き、便を運ぶための潤滑油になります。また、小腸を刺激して大腸の動きを活発化させる役割もあるため、スムーズな排便にとって重要です。

とはいえ、油であれば何でも良いかというと、そういうわけでもありません。

正しい知識を持って、「体に良い油」を選んで摂る必要があります。

この良質なアブラの代表格が、現代人に不足しているといわれる脂肪酸「オメガ3」です。

「オメガ3」は不飽和脂肪酸の一種で、青魚(生)などに多く含まれることで知られています。善玉菌を増やしたり、悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を予防したり、血液をサラサラにして血栓を防ぐ、認知症予防などの働きがあります。

「オメガ3」は他にも、亜麻の種から採れるアマニ油に多く含まれます。アマニ油は、オメガ3の一つであるα-リノレン酸の含有量が桁違いに高く、スプーン一杯で青魚(生)数匹に匹敵するほどです。

摂取時の注意点としては、熱に弱いので、加熱せずに食べる直前に料理にかけて食べるのがおすすめです。

 

その他、便秘予防効果が期待できる油の種類を紹介します。

⭐︎オリーブオイル

オメガ9系のオレイン酸が多く含まれており、腸の蠕動運動を促進するのにくわえ、便を運びやすくする潤滑油としても役立ちます。

サラダやパンと一緒に食べるのも良いですが、味噌汁やスープ、納豆などを食べる際に少しかけるのもおすすめです。

⭐︎エゴマ油

シソ科植物の荏胡麻の種から抽出される油です。エゴマ油には善玉菌の餌になるオメガ3系脂肪酸が豊富に含まれており、腸内環境を良くする効果が期待できます。また、エゴマ油に含まれているα-リノレン酸は、腸を刺激して蠕動を活発化させます。便を出すための潤滑油としても役立ちます。

アマニ油と同様に熱に弱いため、加熱せずに食べるのがおすすめです。サラダやパスタ、たまごかけご飯、味噌汁など、できあがった料理にかけて食べると良いでしょう。

⭐︎ココナッツオイル

ココヤシの実から抽出される油です。飽和脂肪酸が多く含まれており、抗菌作用、抗真菌作用のあるラウリン酸が多く含まれています。ラウリン酸は腸内の悪玉菌を減少させ善玉菌を活性化します。便秘解消に効果的な食物繊維をはじめ、ビタミン、ミネラルも多く含まれています。ココナッツの甘い香りを活かせる、ココアやカフェラテなどに少し加えるのがおすすめです。

 

いかがでしたか?

食物繊維や水分を積極的に摂っているにもかかわらず、便が硬くて出にくい場合は油が不足しているかもしれません。1日に摂るべき油の量は大さじ1杯程度です。ぜひ、お試しください。

次回は避けたい油についてのお話です。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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