福岡天神内視鏡クリニックブログ

身体が喜ぶ食べ合わせ術

こんにちは、医師の中島です。

 

今回は、鉄とビタミンCの食べ合わせです。

気づかぬうちに進行する鉄不足

成人女性の少なくとも5人に1人、妊婦では2人に1人が鉄不足による貧血といわれています。また、ヘモグロビンが正常値であっても、臓器や筋肉に蓄えている貯蔵鉄が不足することで、貧血の一歩手前とされる「隠れ貧血」の人も増加傾向にあります。体を動かすと顔色が悪くなる、息切れ・動悸がする、また、めまいがする、疲れが取れない、肌荒れなどの症状は鉄不足が原因かもしれません。

 

ヘム鉄と非ヘム鉄

鉄は、魚や肉の赤身に多く含まれる「ヘム鉄」と、野菜や穀類、豆腐、海藻類に多く含まれる「非ヘム鉄」の2種類に分類されますが、これらは吸収率に大きな違いがあります。

ヘム鉄は、酸素を取り込むために「へム」というタンパク質に結合した状態の鉄のため、他の食品と一緒に摂っても吸収が阻害されにくく、吸収率は10~20%と高いことが特徴です。ヘム鉄を多く含む食品には、レバーやマグロなどがありますが、肉類や大型の魚には有害ミネラルが含まれている可能性も高いため、妊娠中の方は注意が必要です。

一方、非ヘム鉄は、小松菜やほうれん草などの野菜や大豆などの豆類、ひじきや青のりといった海藻類などに多く含まれますが、吸収率は2~5%で低めです。

 

ビタミンCが鉄の吸収率をアップ!

食事による鉄の平均吸収率はミネラルの中でも低いため、鉄剤などで摂ろうとしてしまいがちですが、便秘や嘔気などを引き起こすことがあります。

できれば日頃の食事で摂りたいものですが、ポイントは鉄の吸収率”を高めることです。特に、「ビタミンC」と一緒に摂ると、腸内での吸収率が高まるため、食事の中で「ビタミンC」を多く含む食材を組み合わせて鉄分を効率良く摂取するようにしましょう。

 

ビタミンCが豊富な食材は、キャベツ、ブロッコリー、キウイ、オレンジ、いちごなどがあります。

上手な摂り方のコツは以下。

ポイント① 旬や外葉・芯を逃さない!

ビタミンCを食材からより多く摂るには、旬を選ぶのが大切。同じ野菜でも旬の時期の方が含有量は多いのです。また、捨ててしまいがちな外葉や芯の部分にもビタミンCが含まれているので、なるべく食事に取り入れる工夫をしましょう。

ポイント② なるべく生のまま調理を

ビタミンCは水に溶けやすく加熱に弱い水溶性ビタミンです。食材はなるべく熱や水に触れさせないようにしましょう。

ポイント③ よく噛んで食べる

よく噛み、胃酸や唾液の分泌を促して胃の働きを良くすることで、鉄分の吸収率を高めることができます。

「鉄➕ビタミンC」の理想の食べ合わせ

相加効果

それぞれの栄養素が有効に働き、その効果は倍以上!

ひじき✖️レモン

小松菜✖️じゃがいも

 

相殺効果

それぞれの栄養素が、互いを破壊したり、吸収を妨げてしまうため、効果が減ってしまう食べ合わせ

  コーヒー

コーヒーに含まれる「タンニン」には、鉄の吸収を阻害してしまう作用があります。「タンニン」は、紅茶や緑茶にも多く含まれているため、鉄分の吸収を上げたいときは飲み過ぎに注意し、代わりに水やタンニンが比較的少ない玄米茶、番茶、ほうじ茶などを選ぶようにしましょう。

 

ミニコラム

タンパク質不足でも貧血に!?

ダイエット目的などで糖質や脂質の摂取量を減らすと、エネルギー不足に陥り、体内のタンパク質がエネルギー源として消費されてしまうことがあります。タンパク質が不足すると、へモグロビンやコラーゲンを合成することができなくなり、貧血や肌荒れなどの症状の要因になります。

 

いかがでしたか?

外来診療では鉄欠乏性貧血の方が多いので、ぜひ今回の内容を参考にされてくださいね。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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