こんにちは、医師の中島です。
今週は一旦、食材の食べ合わせから話題を変えます。
最近は梅雨の晴れ間をはさんで、より気温、湿度が高くなり、昼間はもちろん、夜間も過ごしづらく、6月は睡眠の質が落ちやすくなります。
そこで今回は、睡眠の質にフォーカスしてお話しようと思います。
2021年版の経済協力開発機構の調査では、33か国中、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と最短で、特に女性は男性よりも13分短いという結果が出ました。つまり、世界で最も寝ていないのは日本の女性たちということです。
良質な睡眠は、「疲労回復」「ストレス解消」「免疫系の強化」「自律神経の安定」「肥満防止」「美容効果」などをもたらしてくれますが、睡眠不足は、
●疲れが取れない、日中の眠気
●胃腸の不調や頭痛、肩こりなどの体調不良
●注意力、集中力の欠如
●免疫力の低下、お肌のトラブル
●イライラする、気分がふさぐ
など、身体と脳にさまざまな影響を及ぼします。
「よい睡眠」3箇条というものがあり、
「寝つきがよい」
「ぐっすり眠る」
「寝起きすっきり」
これらを満たせば質のよい睡眠ということになりますが、6月に睡眠の質が落ちやすい理由として以下、
気圧が低くなる(天気が崩れる)と、自律神経のバランスが崩れやすくなります。すると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、睡眠にも悪影響を及ぼします。
人間は朝日を浴びるとセロトニンの分泌が活発になり、それによって日中のやる気や集中力が高まりま
す。セロトニンは夜にはメラトニンという睡眠ホルモンに変わり、深い眠りを促します。天候が悪く朝日を浴びられないことが続くと、メラトニンが不足してしまい、眠りが浅くなるというわけです。
セロトニンは軽い運動を行うことでも分泌されますが、天気が悪く家にこもりがちなこの時期は体を動かす機会が減り、これもメラトニン不足につながります。
湿度が高くなると、汗をかきにくかったり、かいた汗がすぐには乾かなかったりします。つまり、汗が持つ体温調節がうまくいかず、寝苦しくなってしまいます。
いかがでしたか?
それぞれの対策が睡眠の質を落とさないためのポイントになりますが、それはまた次週お話します。
週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。