福岡天神内視鏡クリニックブログ

暑さに負けない免疫力を

こんにちは、医師の中島です。

 

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

毎日、35℃以上の猛暑日が続き、疲労感が増していませんか? 今年は例年よりも猛暑日が早く到来し、40℃を超える「酷暑日」も予想されています。こんな時こそ免疫力を高め、来る酷暑に備えたいものです。今回は免疫力についてのお話です。

 

テーマ:免疫力に関わる栄養素

目次:

1、免疫力に関わるミネラル「亜鉛」

  消化機能にも関わる「亜鉛」

2、太陽光で免疫力アップ〜ビタミンDとメラトニン〜

3、夜の過ごし方にも注意

 

免疫力に関わるミネラル「亜鉛」

例年、猛暑で「夏バテ」になる人は多いですが、一度見直してほしいのが「亜鉛」。

「疲れた、、」が口癖の人は亜鉛不足の可能性も。

日本人の食事摂取基準(2025年版)では1日の摂取の推奨量は成人男性で11.0mg/日程度、成人女性で8.0mg/日程度になっていますが、現状は男女とも不足しているといわれています。

参照 : 「日本人の食事摂取基準」(2025年版)

亜鉛は免疫細胞であるマクロファージや好中球の機能を向上させ、細胞性免疫の中心を担うナチュラルキラー細胞を活性化させるため、不足すると免疫力が低下し体調を崩しやすくなります。

亜鉛は体内では合成できないため、体外から摂取する必要がありますが、精製された食品にはほとんど含まれておらず、さらには食品添加物が亜鉛の吸収を阻害し、ストレスや偏食、飲酒などでも減ってしまいます。

亜鉛は玄米などの未精製の穀物、牡蠣・うなぎなどの魚介類、牛肉、卵などに多く含まれますが、食事だけでは不十分なので、良質なサプリメントを摂取するのも一つの方法です。

ただし、亜鉛の過剰摂取は下痢や吐き気、腹痛などをきたしますので、摂りすぎにはご注意ください。

補足ですが、亜鉛は貧血にも関与しています。赤血球の中のヘモグロビンの合成に亜鉛が必要だからです。鉄を補っても鉄欠乏性貧血が改善しない場合は亜鉛不足の可能性も考慮しましょう。

 

  消化機能にも関わる「亜鉛」

亜鉛が不足すると、

①消化管の粘膜が萎縮する

②消化液の分泌が悪くなる

③消化管運動が低下する

などにより、食欲低下が起こります。食欲低下によりさらに亜鉛不足が加速されてしまう悪循環に陥ってしまうので、長引く食欲低下の原因となっている可能性があります(参照:Mol Med. 2008 May-Jun; 14(5-6): 353–357.)。

さらに、亜鉛は腸管の細胞同士の結合の強化と保護にも関与しており、リーキーガットの予防につながります。リーキーガットについては、

こちら→https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/knowledge/post-20147/

 

少し長くなりましたので、続きは次回へ。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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