福岡天神内視鏡クリニックブログ

身体が喜ぶ食べ合わせ術 part 13

こんにちは、医師の中島です。

 

今回は炭水化物と食物繊維についてのお話です。

 

テーマ : 炭水化物と食物繊維

目次 :

1, 糖質制限のワナ

2, 炭水化物には2種類

3, 「炭水化物+食物繊維」の理想の食べ合わせ

4, 冷やご飯のススメ⁈

 

炭水化物=糖質だけではない!”糖質制限”の罠

まず、炭水化物とは、「糖質」と「食物繊維」をあわせたものです。昨今、健康的な食事法として実践する人も多い”糖質制限”は、糖質を制限するために「炭水化物」を食べないことを推奨していますが、そこには食物繊維やミネラル、ビタミンなど、身体に必要な栄養素も含まれおり、それらもすべて摂らないことが”糖質制限”ということになります。これを続けると身体に様々な弊害が出ることは想像に難くないですね。

 

炭水化物には2種類ある

“裸”の炭水化物

白米や精白小麦、白砂糖などの精製された食品は、製造過程で食物繊維、ミネラル、ビタミンといった、身体に必要な栄養素が取り除かれています。

“服を着た”炭水化物

玄米など未精製の食品は、栄養素が削ぎ落とされていない、身体にとってうれしい食材です。エネルギー源としての働きに加え、全身の細胞が正しく働くために以下のような働きも担っています。豆類やいも類などもこれらに含まれます。

  • 「食物繊維」としての役割・・・便秘の予防・改善のための整腸作用のほか、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下、有害物質の排出促進などの働きがあります。
  • 「糖脂質」や「糖タンパク質」としての役割・・脂質・タンパク質にそれぞれ糖が結合している状態を指します。「糖脂質」は、細胞膜の表面に存在し、細胞外の物質を認識するセンサーの役割を担い、外敵を察知して免疫システムを働かせます。「糖タンパク質」は、男性ホルモンや女性ホルモンなどがつくり出される時の刺激になったり、細胞間の水分を保持する働きがあります。

 

「炭水化物+食物繊維」の理想の食べ合わせ

白米&もち麦✖️しいたけ

まずは主食を玄米に変えることがおすすめですが、玄米が苦手な人は、白米にもち麦や雑穀米をプラスすると◎。もち麦には、白米の約27倍、ごぼうの約2.4倍もの食物繊維が含まれています。また、きのこ類の中でも食物繊維が豊富なしいたけも一緒に摂ると、最強のデトックス主食に!秋めいてきたので、きのこの炊き込みご飯などいいですね。

 

さらに!冷やご飯のススメ!

「レジスタントスターチ」

レジスタントスターチとは、「体内で消化されないデンプン」のことです。ご飯のデンプンは、一度加熱し、冷やすことで消化されにくい難消化性デンプンとなり、そのまま大腸に届いて食物繊維と同じような働きをしてくれます。レジスタントスターチは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の機能を併せ持つ、一石二鳥の成分です。腸内で善玉菌のエサになり、腸内環境の改善、便秘の解消、ダイエットにもおすすめです。実は、レジスタントスターチは温かい状態より冷えた状態の方が含有量が多くなる性質があり、炊きたてごはんを室温で1時間放置すると、レジスタントスターチの含有量は0.58%、冷蔵庫で6時間放置すると0.52%となり、炊きたて状態の0.37%より含有量が多くなります。

レジスタントスターチは以下の食材に含まれています。

食品100g中のレジスタントスターチ

NHK『美と若さの新常識〜カラダのヒミツ』ホームページより。※は「炊飯時の加水量および米飯の保存温度と時間の違いによるレジスタントスターチ量の変化について」(亀井文、佐藤岳志)

 

いかがでしたか?

コンビニやお弁当のおにぎりはレンチンせずにいただくべし、ですね。

これまで続けてきました食材の食べ合わせについては、次回で終了となります。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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