福岡天神内視鏡クリニックブログ

ビタミンDのサプリメントと処方薬の違いを分かりやすく説明します!

おはようございます。医師の秋山です。

 

今回は、ビタミンDのサプリメントと処方されるビタミンD製剤の違いについて解説していきたいと思います。

これはもう、最近よく質問されるようになりましたね。

それだけビタミンDに興味を持っている人が増えたということです。嬉しいですね。

 

それではいきなりですが、決定的な違いを説明します。

 

サプリのビタミンD→未活性型のビタミンD

処方薬のビタミンD→活性型のビタミンD

 

簡単に説明するとこうなりますね。

さらに掘り下げて説明していきます。

 

食べ物やサプリで摂るビタミンDは天然のビタミンDです。未活性型のビタミンDという意味になります。

これを摂取すると小腸で吸収されます。吸収された後、未活性型のまま脂肪や筋肉に一度ストックされます。

ある程度ストックされると、ストック分からビタミンDが放出され、肝臓で25(OH)Dに変換されます。この25(OH)Dが血中をプカプカと流れているんですね。ちなみに、我々が血中濃度で測るのがまさにこの25(OH)Dです。

この25(OH)Dは、活性型ビタミンDになる一歩前の中間体です。

 

そして、体内のあらゆる細胞にビタミンD受容体がありますが、各細胞でビタミンDが

必要となった場合、25(OH)Dが腎臓で活性型ビタミンDに変換されます。

 

さらに最近では、腎臓以外の臓器でも活性型ビタミンDに変換できることが分かってきました。

例えば、免疫細胞が免疫力を上げるために活性化ビタミンDを必要とした場合、免疫細胞が自ら血中にある25(OH)Dを活性化ビタミンDに変換するというわけです。

非常に面白いですね。

 

ちなみに、ストックされた未活性型ビタミンD は、3~4カ月ほどストックされると言われています。

そして25(OH)Dは、半減期が2~3週間ほどと言われています。

 

対して、処方薬のビタミンDですが、初めから活性型ビタミンDです。

ですので、小腸で吸収されるとそのまますぐ目的地(主に骨)に向かい、作用します。

活性型ビタミンD は半減期が数時間から1日程度ですので、短期決戦型です。

 

個人的に、ビタミンDはあらゆる病気を予防するビタミンと思っていますので、用途をざっくりと一言で説明すると

サプリのビタミンD→あらゆる病気を維持するため。

処方薬のビタミンD→骨粗鬆症の治療や骨折予防のため。

になります。

 

ちなみに、サプリのビタミンDは一度ストックされ、それからじわじわと活性型ビタミンDに変わりますので、副作用はほとんどないです。

対して処方薬のビタミンDは活性型ビタミンDがダイレクトに体内に入りますので、血中濃度が上がりすぎると高カルシウム症の副作用が生じることがあります。

 

いかがだったでしょうか。

 

あらゆる病気を予防したい!健康になりたい!と思う方はぜひサプリメントのビタミンDを飲むようにしましょう。

そして処方薬のビタミンDを飲んでいる方は、医師の指示に従い、用法用量をきちんと守って飲んでください。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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