こんにちは、医師の中島です。
引き続き、脳の老化を予防する生活習慣についてお話していきます。
脳を若返らせるには便通をよくすることです。便通は腸内細菌の状態を反映しており、便秘や下痢は腸内細菌の機能低下、腸内環境が乱れているサインです。

実は、精神の安定に重要な役割を担っている脳内ホルモンの一つ、セロトニンの9割は腸で作られています。そのため、腸内環境が乱れるとセロトニンの量が低下し、脳の機能も低下し脳の老化につながります。この関係は「腸脳相関」と呼ばれ、最近は腸のことを「第二の脳」ともいいます。
1〜2日に1回以上、いわゆる「バナナ状」のしっかりとした排便があるのが脳の健康にとって理想的ですが、そのためには腸内環境が整っていなければいけません。
当クリニックが提唱する「腸活」の一つですが、腸内環境を整えるためには善玉菌を増やす必要があります。
腸内にすむ善玉菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖などを摂取して善玉菌を育てたり(プレバイオティクス)、また、ヨーグルトや納豆などから直接、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を摂るのが有益です(プロバイオティクス)。
「腸活」に関する当クリニックの記事です↓
https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/knowledge/post-15560/
睡眠は脳にとって、日中に溜まった老廃物を排出するための非常に重要な時間です。睡眠不足のとき日中に頭がぼーっとするのは、単なる疲労ではなく、脳から老廃物が十分に排出されていないためです。
これが長期間続くと認知症のリスクが高まります。
睡眠には1.5~2時間を1サイクルとするリズムがあり、脳の健康を維持するには最低でも3サイクル(4.5~6時間)が必要とされています。
脳が老廃物を掃除する仕組みのことを「グリンパティックシステム」と呼び、睡眠中(とくに深い睡眠であるノンレム睡眠)にわずかに脳が収縮することで血管の外側に隙間ができ、そこを通って老廃物が排出されるというものです。
このシステムが機能しないと、認知症の原因物質であるアミロイドβやレビー小体などの排出が妨げられ、脳内に蓄積することが動物モデルで示されています。
参考文献:Nedergaard M. Neuroscience. Garbage truck of the brain. Science. 2013 Jun 28;340(6140):1529-30.
「なかなか寝付けない」「途中で目が覚める」という人は、このグリンパティックシステムが十分に機能していない可能性があるので要注意です。
いかがでしたか?
腸の健康→脳の健康→腸の健康→脳の健康→・・・という良い循環をつくり、脳の老化を防ぎましょう。

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。