福岡天神内視鏡クリニックブログ

肝臓の健康を保つ意味

こんにちは、医師の中島です。

 

前回は、肝臓の働きについて、エネルギーの供給、毒素の排出、免疫、脂質の消化吸収についてお話しましたが、24時間フル稼働で何役もこなす肝臓は、臓器の中で最もエネルギーを消費している臓器でもあります。

基礎代謝のうち約30%を肝臓が消費しており、これは安静時の脳や筋肉を上回る数値です。

肝臓が正常に働いていれば、エネルギーがしっかり使われ、代謝効率が維持されますが、逆に、肝機能が低下して代謝が滞ると、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。

肝臓の健康を保つことは、「痩せやすい身体づくり」にも直結するのですね。効率よくエネルギーを燃やせる身体づくりとしても、肝臓の健康を保つことは非常に重要といえます。

 

肝臓には様々な機能がありますが、身体の健康を維持するためには、肝機能が保たれている必要があります。

肝機能が低下した状態で生活するのは、ボクサーがノーガードで戦っているようなもの。糖質やアルコールの摂りすぎや運動不足で肝臓に脂肪が蓄積して機能が低下すると、メタボリックシンドロームなどのあらゆる病気のリスクが高まってしまいます

重要な働きを持つ肝臓ですが、「沈黙の臓器」とも呼ばれるように、機能が低下してもすぐには自覚症状が出にくいことも特徴です。脂肪肝や肝炎などでダメージを受けても、肝臓には痛覚がないため、「痛み」のサインを出すことができません。

そのため、何らかの自覚症状が出たときには、すでに病状が進行していることも珍しくありません

ですので、肝臓の状態を正確に早く知るためには、定期的な血液検査や超音波検査などが欠かせないのです。

 

肝臓には驚異的な再生能力があることをご存知でしょうか。肝機能が保たれていれば、もし手術で最大7割まで切除しても、約3ヵ月でなんと元の8~9割の大きさまで戻るのです。なぜ再生するのかはまだ解明されていませんが、再生できるのはあくまで肝機能が保たれている状態に限られます

脂肪肝から肝硬変や肝臓がんまで進んでしまうと再生能力は機能しなくなります。やはり肝機能を正常に保っておくことは非常に大切なことですね。

 

いかがでしたか?

肝臓の健康を保つためにも、ご自身の生活習慣を見直すきっかけになれば幸いです。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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