おはようございます。医師の秋山です。
「大腸カメラ検査を受けることで、大腸がんが予防できますよ」
私は毎日この言葉を患者さんに伝えてます。
大腸カメラ検査を受けることが、大腸がんの予防になる・・・当たり前のような気もします。
ところが、
「ホントにそうなの?それって証拠はあるの?」
と思った方がいたら、その方は科学者としての素質が十分にあります。
「当たり前だと思ったことでも、きちんとエビデンス(科学的根拠)を証明する」
これは私が大学院で学んだことの1つです。
前置きが長くなりましたが、今回は、「大腸カメラ検査が大腸がんを予防する」というデータについて紹介したいと思います。
2022年のThe New England Jernal of medicine(NEJM)に掲載された論文です。NEJMは、医師であれば誰でも知っている権威ある雑誌です。
Effect of Colonoscopy Screening on Risks of Colorectal Cancer and Related Death.
The New England journal of medicine. 2022 Oct 27;387(17);1547-1556.
対象は、4カ国(ポーランド、ノルウェー、スウェーデン、オランダ)の55歳から64歳の健康な男女で、過去に大腸がんの既往がない、大腸カメラ検査を含むスクリーニング検査を受けたことがないことが条件となってました。
8万4,585人が対象となり、検査を受けた群(1万1,843人)と、検査を受けない群(5万6,365人)に分けられて解析されてます。
結果ですが、追跡後10年の時点での大腸がんのリスクは、検査を受けた群が0.98%、検査を受けない群は1.20%であり、検査を受けた群で18%の大腸がんのリスク低下が認められたとのことです。
「なんだ、そんなに変わんないじゃん」と思われている方もいるかもしれませんが、これはたったの10年間だけです。一生涯で考えると、もっと差が出ると思います。
いかがでしょうか。やはり大腸カメラ検査を受けることは、大腸がんを予防することになります。
2025年には、各種がん死亡率で大腸がんが男女ともに1位になると予想されています。
ぜひ皆さん、定期的に大腸カメラ検査を受けて大腸がんを予防しましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。