おはようございます。医師の秋山です。
さて今回はお酒と腸内環境の話です。
お酒好きな人多いですよね。私も好きで、仕事がない週末はお酒を飲んでます。
でもお酒って腸内環境にどんな影響を及ぼすか疑問に思いませんか?
今回はお酒と腸内環境の関係を解説したいと思います。
福岡院でも利用している腸内フローラ検査の会社「マイキンソー」がまとめたデータによると、
「常習的な飲酒により、善玉菌であるビフィズス菌や酪酸菌などの善玉菌が減る」
とのことです。
つまり、常習的な飲酒は腸内環境が悪化するという結論になります。
なぜ腸内環境が悪化するかというと、アルコールを分解することで産生される「アセトアルデヒド」や「活性酸素」の存在が、善玉菌を減らして腸内環境の悪化を招くと言われており、これらはさらに大腸ポリープや大腸がんのリスク因子にもなると言われています。
確かに、私たちは毎日たくさんの患者さんの大腸内視鏡検査を行っていますが、常習的に飲酒する患者さんは大腸ポリープが出来ていることが非常に多いです。
ということは、やはりアルコールを分解することで産生される「アセトアルデヒド」は私たちの体にとっては有害なものであり、全く健康に寄与しないということが分かります。
特に、お酒を飲んで顔が赤くなる「フラッシャー」の方は要注意です。アセトアルデヒドを分解する能力が低いですので、アセトアルデヒドが体内に長時間留まっていますから、体にとって良いことはありません。
余談ですが、昨今、非飲酒者の食道がんが増加傾向といわれています。
これは口腔内細菌の環境悪化によるものと示唆されています。
つまり、口腔内細菌の中の悪玉菌が、グルコースを分解して「アセトアルデヒド」を産生し、この「アセトアルデヒド」により食道がんを誘発するのではという仮説が出ているんですよね。12)
12)Sung JJY,et al:Gut:doi:10.1136/gut-jnl-2019-319826,2020
飲酒していないのにアセトアルデヒドを産生するとは恐ろしいですね。
アルコールを毎日飲む人に対して、
「健康のために、肝臓を休める「休肝日」を週に1〜2日は作りましょう!」
とよく言われますが、「休肝日」は「休腸日」でもあります。
普段からお酒を晩酌する方は、腸内環境を保つために飲み過ぎないようにしましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。