福岡天神内視鏡クリニックブログ

胃痛の原因は?

こんにちは、医師の中島です。

 

早いもので、新年度も2ヵ月経とうとしていますね。

この時期の外来診療では特に胃痛に悩まされている方が多いように感じます。

新たな環境でのストレスで心身に負担がかかり、自律神経が乱れて胃痛を発症している可能性もありますが、

毎日食べているかもしれない「あるもの」が原因かもしれません。

「胃が健康である」というのは、2つの意味があります。一つは胃炎や胃潰場、胃がんなど器質的な疾患がない状態のことです。もう一つは胃の運動が円滑に働き、胃の内容物を速やかに次の小腸に送ることができる機能的に問題がない状態のことを指します。

以前は胃痛や胃の病気の原因にピロリ菌が挙げられていましたが、衛生環境が改善された現代では、ピロリ菌を原因とする胃がんや胃潰瘍は劇的に減少しています。

そのため、日常生活において気をつけるべきなのは

胃および小腸、大腸の消化能力や運動が円滑に行われているかどうかです。

実はわたし自身、以前から慢性的な胃痛に悩んでいました。胃カメラでは問題なかったので、「胃が痛くなったら胃酸を抑える薬を飲めばいい」くらいに思っていました。しかし、知り合いの医師から「糖質を主とした炭水化物の制限が胃腸にいいよ」と勧められ、とりあえず実践してみる性格の私は試してみました。

 

それまでパンやパスタ、ラーメンなど炭水化物まみれの生活を送っていましたが、この話を聞いてからは、手始めに夜は炭水化物を抜いて、たんぱく質と野菜だけにしてみました。これを1カ月継続すると胃腸の調子がよくなり、おまけに体重も数キロ減り、とても驚きました。

胃痛の症状の4〜6割を占めるとされる「機能性ディスペプシア」という病態は胃に器質的な異常がなく、その原因は肉や脂の食べすぎ、カフェインの過剰摂取、飲酒やストレスなどが挙げられていましたが、実は

「炭水化物の摂りすぎ」が大きな要因だと考えられています。

「機能性ディスペプシア」とは、胃もたれや胃の痛みが慢性的に続く病態を総称したものです。ほかの症状としては胸部の圧迫感やのどが詰まった感じなど多岐にわたります。

日本では約10人に1〜2人が機能性ディスペプシアであるといわれており、命にかかわる病気ではありませんが、胃の症状によってご飯が美味しく食べられなかったり、気持ちが塞いで社会生活に支障をきたすなど、患者さんのQOL(生活の質)を大きく低下させてしまいます。

 

次回は炭水化物がどのように胃痛に関わっているのか説明していきます。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

 

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