福岡天神内視鏡クリニックブログ

胃痛の原因は? つづき

こんにちは、医師の中島です。

前回は、胃痛の原因の一つが炭水化物の摂りすぎによるものかもしれないというお話でした。

 

では、炭水化物が胃痛にどのように関わっているのでしょうか。

みなさんは風邪をひいたり、体調が悪くて食欲がない時、うどんやお粥を勧められたことはないでしょうか?

たしかに食べやすくて胃腸にやさしそう、、消化にいいのでしょうか?

いいえ、実は炭水化物はあまり消化の良い食べ物ではありません。摂取量にもよりますが、米、パン、うどんは食後の胃の中で約5時間ほど消化されずに残ったままなのです。

病気のときにうどんやお粥を勧められるのは、単に口当たりがよくて飲み込みやすいから、体調が悪くても何とか食べられるから、というわけです。

炭水化物が消化されず胃の中に残り続けるということは、それを消化するために胃酸が出続けるということになります。これが炭水化物を摂取する際の大きな問題になります。

ここで確認ですが、「炭水化物=糖質+食物繊維」です。炭水化物のうち、体の中でエネルギー源として使われるのは糖質で、すぐに消費されるので脳はすぐに満足感を感じます。そして、糖質が体内で不足すると脳が空腹だと感じてしまい、まだ胃に炭水化物が残っているにもかかわらず、さらに炭水化物を摂取してしまう。これを繰り返していると胃酸が過剰に分泌され、胃もたれや胃痛を誘発します。

このサイクルが炭水化物によって引き起こされているというわけです。

また、お米と肉などの炭水化物とタンパク質の食べ合わせも、胃腸の健康という観点からはあまりよくありません。まず先に胃でタンパク質が分解され小腸に送られると、小腸から出るホルモンは胃での消化が終わったと判断し胃の働きを抑制します。そして、このホルモンにより、食道と胃の境目にある下部食道括約筋(胃酸や食べ物が逆流しないように働いている)は緩んでしまいますが、炭水化物は胃に残っているので胃酸は分泌され続けます。こうして、胃酸が出続けているのに食道の筋肉が緩んでしまうため、食道に胃酸が逆流する逆流性食道炎やゲップが出るなどの症状が起きてしまうのです。

 

炭水化物は美味しいものが多いですが、摂りすぎは考えものですね。

 

では、「炭水化物を控える代わりに何を食べてエネルギーを摂取すればいいのか?」

また次回、お話していきます。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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