福岡天神内視鏡クリニックブログ

おならについて つづき

こんにちは、医師の中島です。

前回に引き続き、おならのウソ、ホントについてお話したいと思います。

 

③おならは我慢していると消える⁈

「出物腫れ物所嫌わず」という諺があるように、おならは不意にもよおすもので、TPO的に我慢を強いられるシーンも少なくないですね。

では、我慢したおならはどこへ行くのか。頑張って耐え忍んでいたら、そのうち消えてなくなってしまうのでしょうか。

たしかに、おならの成分によってはガマンしているうちに腸内から消えてしまうものがあります。

その代表格が水素。主に腸内細菌によって作られるもので、おならの成分の約14%を占め、腸管から吸収され血液へ移行します。そして巡り巡って肺から呼気とともに排気されますが、水素は無臭なので安心です。

一方、揮発性硫黄化合物や揮発性窒素化合物などの悪臭ガスは消えることなく、ガマンしていると動物性たんぱく質や脂質をエサにしている悪玉菌が増え、悪臭ガスが増えるといわれています。

また、その一部は腸壁から吸収され、血液に乗って全身を巡り、肺に辿りつくと呼吸の際に放出され、口臭の原因となります。同様に、皮脂腺に辿りついた悪臭ガスは汗や皮脂に混じって放出され、体臭の原因となります。

 

④運動をすると、おならが増えてクサくなる⁈

トレーニングの後にプロテインを飲むのがルーチンの方も多いのではないでしょうか。

肉類を食べ過ぎると、おならはクサくなりやすいのでした。メチオニンやシステインといった硫黄を含むアミノ酸が含まれており、おならの臭いとなる硫化水素などの揮発性硫黄化合物が腸内で合成されるためでした。

同様にプロテインにも硫黄を含むアミノ酸が多く含まれるため、おならがクサくなっても仕方ないのです。

一方、臭わないけれど、おならがたくさん出やすくなるのが、ランニングなどの有酸素運動。

おならの大部分はほぼ空気そのものなので、呼吸数が増えて安静時の何十倍という多くの空気を取り入れる有酸素運動では、おならが増えてもしょうがないのです。

 

いかがでしたか。

おならが口臭や体臭の原因になりうるとは気をつけたいものですね。

 

週の中日ですね、一息ついて後半も頑張っていきましょう。

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