おはようございます。医師の秋山です。
皆さんは健康診断で肝機能障害を指摘されたことありますか?
健康診断で指摘された肝機能障害の原因で圧倒的に多いのが「脂肪肝」です。
当院でもこれまで1000人以上の患者さんの腹部エコー検査を行ってきましたが、約50%が脂肪肝です。
アルコール性の脂肪肝の場合、アルコールが原因ですので、禁酒と適度な運動を行うことで脂肪肝は改善してきます。
非アルコール性の脂肪肝の場合、糖質の摂りすぎと運動不足が主な原因ですので、糖質を摂りすぎないことと、適度な運動で脂肪肝は改善していくんです。
ただ、この「適度な運動」が問題なんですよね。
教科書的な「適度な運動」とは、1日30分以上の有酸素運動のことを言います。
これを週3回以上行うと、だんだんと脂肪肝が改善してきます。
これを脂肪肝の患者さんに説明すると、皆さん決まって苦虫を噛み潰したような顔になります。
「運動なんてできるわけないじゃん」
という心の声が聞こえてきそうです。
まあ、確かに、1日30分以上の有酸素運動なんてちょっとハードルが高いですよね。気持ちはよく分かります。
もっと簡単に、短時間で、家の中でできる運動ってないんだろうかと思いませんか?
そんな運動嫌いな方に朗報です。
もっと簡単に、短時間で、家の中でできて、かつ脂肪肝によく効く運動のやり方があります!
それは、高強度インターバルトレーニング(High-intensity Interval Training、略してHIITヒット)です。
具体的なやり方は以下です。
20秒間の運動と10秒間の休憩を4回繰り返す=2分で1セット
「20秒運動」「10秒休憩」「20秒運動」「10秒休憩」「20秒運動」「10秒休憩」「20秒運動」「10秒休憩」
これを毎日2セットするだけです。
1セットが2分で終了しますので、合計4分で終了します
その代わり、20秒間の運動は全力で行ってください。
20秒の運動は、休憩ごとに切り替えた方が効果的です。
例えば、
「20秒腕立て伏せ」「10秒休憩」「20秒スクワット」「10秒休憩」「20秒もも上げ」「10秒休憩」「20秒バーピージャンプ」「10秒休憩」
これを2セット行う。
こんな感じですね。
しかも毎日する必要はなく、週3回、2日に1回で十分です。
このHIITにより、脂肪肝が有意に改善したという報告があります。
Angelo Sabag,et al;” The Effect of High-intensity Interval Training vs Moderate-intensity Continuous Training on Liver Fat: A Systematic Review and Meta-Analysis” The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 107, Issue 3, March 2022, Pages 862–881
これは脂肪肝だけでなく、内臓脂肪を減らすのにも効果があります。つまり、ダイエットにも効果的ということですね。
いかがだったでしょうか。
なかなか痩せない方、脂肪肝が気になる方で運動するのが苦手な方はぜひ試してみてください。
さて、いよいよ今週の木曜日の9月26日に私と平島先生の共著である書籍が発売されます。
先日、書籍の見本が届きました。
手に取って読んでみましたが、非常に読みやすくできてます。
ぜひ皆さんも読んでみてくださいね。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。