福岡天神内視鏡クリニックブログ

身体に良いビールの飲み方

こんにちは、医師の中島です。

 

今回はビールの飲み方について、Q&A方式で進めていきます。

 

Q1. ビールは糖質が多く含まれるから太る?

ビールには糖質が多く含まれているから太りやすいと思われがちですが、同じく含まれる「ビール酵母」には、アミノ酸や葉酸、各種ビタミンB群などが入っており、それらには糖質などの栄養素をスムーズに代謝し、エネルギーとして変換する働きがあります。つまり、ビールには糖質が含まれると同時に、その代謝をサポートする成分も含まれているので、食事とうまく組み合わせれば、逆にダイエット効果も期待できます。また、ビールの苦み成分であるホップによって、胃腸の消化酵素の分泌が活性化されます。

Q2. 「乾杯のビール」は正しい?

夕食のときなど、最初にビールを飲むのは賢い選択です。なぜなら、食事の前に炭酸を飲むことで、休憩モードだった胃腸が動き出し、消化作用が促進されるからです。では、シャンパンでもいいの?と思うかもしれませんが、ビールのアルコール度数が5~6%なのに対し、シャンパンは11~12%が一般的。体質的にお酒が弱い人が多い日本人が最初に飲むには少々アルコール度数が強すぎます。なお、ハイボールは飲みやすくて最近人気ですが、アルコール度数はビールより高めなので注意しましょう。また、最初にビールなど糖化・発酵によって作られる「醸造酒」を飲むことはお勧めです。なぜなら、醸造酒が含む不純物が、アルコールの濃度を薄める働きがあるからです。先に醸造酒を飲むことで、適度なアルコールが肝臓機能の回転を促し、アルコール度数が高めの焼酎など、蒸留・熟成で作られる「蒸留酒」を後から飲むときの準備となり、悪酔いを防いでくれる可能性があります。

 

Q3. ビールと痛風は関係ない?

ビールを飲むと尿酸の材料となるプリン体を摂取してしまうため、尿酸濃度が上がり痛風になると言われます。たしかに、ビールは大麦を原料としているので、他のアルコールに比べればプリン体は多めですが、実は一緒に摂るつまみの方がプリン体は多く含まれます。ジョッキ1~2杯であれば、レバーやエビ、イワシなどに含まれるプリン体よりも少ない量です。ビールのつまみに気を配りつつ、トータルのプリン体の量を考えましょう。

Q4. 運動後のビールが痛風の原因に?

運動後や入浴後に飲むビールは美味しいものですが、喉が渇いた状態でビールをがぶ飲みすると、酔いやすいうえに、ビールの利尿作用でさらに脱水が進み大変危険です。また、体内のエネルギーが大量に消費される運動後は、体内にプリン体が余り、尿酸値が上昇しています。そのうえ、発汗で水分が失われたことで血液が凝縮され、体内の尿酸は結晶化されやすい状態になっています。そこでビールを飲めば、普通に飲むときよりも痛風リスクが上昇してしまいます。運動や入浴のあとは、まずは水分補給を意識しましょう。

 

Q5. 酔わないための秘訣は?

酔わない秘訣は、最初のひと口を飲んでから3分間待つこと。空腹でビールを飲むと、アルコールが一気に吸収されて肝臓へ回るため、分解しきれずアルコールが累積されてしまいます。なので、始めからグイグイ飲まず、最初は少量のアルコールで肝臓を慣らすことです。少し待つことで肝臓の代謝機能が高まります。また、ビールには利尿作用があるので、水分不足にならないよう、水をチェイサーにしながら飲むのが適切な飲み方です。ビールに限りませんが、お酒1杯につきチェイサー1杯のペースで、アルコールと水を飲むといいでしょう。とはいえ、適量は人それぞれです。まずは、自分の適量を見極めることが肝心です。

 

いかがでしたか?

どうせ飲むなら罪悪感を感じず、適量を適切な飲み方で楽しみたいものですね。

 

週の中日ですね、一息ついて後半も頑張っていきましょう。

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