福岡天神内視鏡クリニックブログ

腸活して認知症を予防しましょう!

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、今回は認知症について話をしたいと思います。

認知症ってなりたくないと思いませんか?私もなりたくないです。

 

実は、日本人の認知症有病率は世界1位なんです。そして近い将来、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症を発症すると言われています。

 

現在、認知症に対する有効な治療法は確立されていないため、予防することが重要です。

 

以前のブログでも解説しましたが、認知症の原因の1つとして、腸内環境が深く関わっていることがわかってきました。

それではどういうメカニズムで腸内環境が認知症に関わっているかを今一度簡単に解説すると、

 

腸内環境の悪化により、腸内細菌の多様性が低下する

→腸壁がダメージを受け、腸から様々な有害物質が漏れ出る

→有害物質が脳にまで運ばれ、脳内で慢性的な炎症が起こる→次第にアミロイドβが脳内に蓄積する

→認知症を発症する

 

こんな感じです。

 

そして昨年出た論文ですが、便秘薬を長期に内服している方は、将来的に認知症になりやすいという衝撃のデータが出ました。

Yang Z, et al, “Association Between Regular Laxative Use and Incident Dementia in UK Biobank Participants.” Neurology. 2023 Apr 18;100(16);e1702-e1711.

 

これは刺激性下剤だけでなく、便秘の患者さんがほぼほぼ100%使用している酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤も当てはまります。

特に複数の下剤を利用している人ほど認知症のリスクが上がるとのことです。

 

このようなデータからも腸内環境と認知症が関係していることが分かります。

でも大丈夫です。普段から腸活して、腸内環境を良くしておけば恐れることはありません。

 

そして、

「最近物忘れがひどくなってきたな」

といった認知症予備軍の方も、コツコツと腸活をしましょう。

 

最近では、ビフィズス菌を摂取すると、認知機能の改善が期待できるといった論文報告も出てきてます。

Asaoka D,et al, “Effect of Probiotic Bifidobacterium breve in Improving Cognitive Function and Preventing Brain Atrophy in Older Patients with Suspected Mild Cognitive Impairment: Results of a 24-Week Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial” J Alzheimers Dis. 2022;88(1):75-95.

 

ビフィズス菌は食べ物から摂ることは難しいですので、整腸剤などで補うようにしましょう。

以上、腸内環境と認知症についての解説でした。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。