福岡天神内視鏡クリニックブログ

ビタミンDサプリメントは長寿の薬になるかもしれません!

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、今回は

「ビタミンDのサプリメントが長寿の薬になるかも」です。

私たちの体を作っている細胞は、染色体の中にあるDNAをコピーして細胞分裂をしています。

ところが、何回も細胞分裂を繰り返していると、間違ってDNAをコピーしたりするんです。

これが老化の原因になったり、心疾患や慢性疾患、がんなどの病気の原因になったりするんですね。

 

これらを防ぐために、「テロメア」というタンパク質でできた物質が、染色体の末端を覆っています。

 

例えるならば、靴ひもの先端にあるプラスチックのカバーみたいなものと考えるとわかりやすいかなと思います。

 

そもそもなぜテロメアって先端にしかないんでしょうね?どうせなら染色体の全てを覆ってくれたら助かるのにと思いませんか?

実は、DNAがコピーされる時、端っこのDNAってコピーされにくいんですよね。コピーされにくい端っこのDNAはいらないものと認識されて、少しずつDNAが短くなっていくんです。

 

末端のDNAにも重要な遺伝子情報が入っていますから、端っこのDNAがなくならないように保護する役目が「テロメア」になります。

 

ところが、長年生きていると、この「テロメア」の長さだんだん短くなっていくんですよね。

そうすると、上述の通り、細胞が老化したり、病気になりやすくなります。

 

ここから本題に入りますが、

ビタミンDのサプリメントでテロメアがすり減るのを予防することができるという報告がありました。

Haidong Zhu,et al; “Vitamin D3 and marine ω-3 fatty acids supplementation and leukocyte telomere length: 4-year findings from the VITamin D and OmegA-3 TriaL (VITAL) randomized controlled trial.” The American journal of clinical nutrition. 2025 Jul;122(1);39-47.

 

この臨床試験なんですが、

ビタミンDのサプリメントを1日2,000I.U.飲んでいる群と、オメガ3脂肪酸のサプリメントを1日1g飲んでいる群で、それぞれサプリメントを4年間内服後にテロメアの長さを比較しているのですが、ビタミンDサプリメント内服群の方が有意にテロメアの短縮が抑制されていたとのことです。

 

いいですね。ビタミンDのサプリメントを飲んでいれば、テロメアの短縮を防ぐことができれば、細胞の老化やがんなどの病気を防ぐことができます。

もしかしたら将来的に、ビタミンD サプリメントが長寿の薬になるかもしれませんね。

 

健康に気をつけている方、長生きしたい方は、ビタミンDサプリメントを飲んでみましょう。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。