おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は整腸剤の話をしたいと思います。

昨今、沢山の整腸剤が販売されていますが、患者さんから
「整腸剤に含まれる菌は1種類だけ摂ればいいですか?それとも複数の菌が入っている方がいいですか?」
とよく質問されます。
この質問って私はレベルの高い質問だと思います。きちんと腸活されているのがよく分かります。
そんな腸活マスターを目指す皆さんのために、今回はこの質問にお答えしたいと思います。
まずいきなり答えからですが、私は患者さんに
「複数の菌を摂った方がより効果的です!」
と答えています。
ちなみに論文では、患者さんの症状によって、1種類のみの菌の整腸剤で十分であるケースと、複数の種類の整腸剤の方が効果があるというケースがあるという報告があります。
McFarland LV “Efficacy of Single-Strain Probiotics Versus Multi-Strain Mixtures: Systematic Review of Strain and Disease Specificity.”Dig Dis Sci,66:694-704,2021
整腸剤を飲む目的って
・腸内環境を良くしたい!
・下痢や便秘などの便通異常を改善したい!
・免疫力を上げて病気にならない体を作りたい!
・老化を防ぎたい!
・太りたくない!
・肌荒れを防ぎたい!
・鬱っぽくなりたくない!
こんな感じで色々あると思います。目的は人それぞれですよね。
でも、できることならばこれら全て叶えたいと思いませんか?
そうであれば、1種類の菌よりも複数の種類の菌を摂った方が良いわけです。
ただし、やみくもに複数の種類の菌を飲んでも効果は上がりませんので、よく考えて飲みましょう。
それでは、どのような菌を飲めば良いのでしょうか?
それは
「小腸に住み着きやすい菌と、大腸に住み着きやすい菌を摂ると良い」
です。
まず、人間の消化管って口から入って食道、胃、十二指腸、小腸、大腸とつながっていくんですけど、各消化管の酸素濃度は口からだんだん低くなっていきます。
整腸剤のターゲットとなる消化管は主に小腸と大腸となりますので、当然ですが、小腸の方が大腸よりも酸素濃度が高くなります。
それでは、小腸に住み着きやすい菌、大腸に住み着きやすい菌はなんでしょうか?
これについては次回解説したいと思います。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。