おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は、超加工品と腸内環境について話をしたいと思います。

まずは、超加工品ってなんだ?と思った方多いのではないでしょうか?
我々が口にする食べ物は、食品の加工具合により4つに分類されています。
これを「NOVA分類」と言います。
カロリーとか栄養素とかは一切関係なく、純粋に、食品がどれくらい工業的に加工されているか、で分類されているんですね。
このNOVA分類の中に「超加工品」というカテゴリーがあります。
超加工品は、たくさんあるのですがいくつか例を挙げると
ポテトチップス
菓子パン
インスタントラーメン
チョコ菓子
アイスクリーム
ファーストフード
加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)
清涼飲料水
などです。結構多いですね。
こうして見ると、我々はいかに普段超加工品を口しにしているかが良くわかります。
そして超加工品は、腸内環境を悪くしてしまうんです。
具体的に、どれだけ悪くなるのでしょうか?論文報告とともに解説していきます。
①超加工品を食べすぎると、酪酸菌が激減する!
高脂肪食、加工食品のみの偏った食事を食べると、数日で酪酸菌が激減するという報告があります。
David LA, et al, “Diet rapidly and reproducibly alters the human gut microbiome” Nature. 2014 Jan 23;505(7484):559-63
しかしながら、発酵性食物繊維を多く含む食事に戻せば、酪酸菌は元に戻ってきますので大丈夫です!非可逆性な変化ではないということですね。
②超加工品に含まれる乳化剤が腸粘膜をバリアを破り、腸漏れを引き起こす!
水と油のような、本来混ざらないものを混ざりやすくするための添加物です。パン、ケーキ、アイスクリーム、お菓子類、カレールーなど、色んな食品で使われています。
この乳化剤が腸漏れの原因になり、腸内で慢性的な炎症を引き起こしたという報告があります。
Chassaing B, et al,” Dietary emulsifiers impact the mouse gut microbiota promoting colitis and metabolic syndrome” Nature. 2015 Mar 5;519(7541):92-6.
③人工甘味料が腸内細菌の乱れを引き起こす!
人工甘味料を2週間摂取すると、腸内細菌叢の乱れを引き起こすという報告があります。
Jotham Suez, et al, “Personalized microbiome-driven effects of non-nutritive sweeteners on human glucose tolerance”Cell. 2022 Sep 1;185(18):3307-33238.e19
我々は糖質を摂ると、空腸で消化吸収されるのですが、人工甘味料は人工的に作られたものですので、空腸で吸収されずにそのまま大腸まで到達します。
大腸まで到達した人工甘味料が悪玉菌の絶好のエサとなり、悪玉菌が増えてしまい、腸内細菌の乱れを引き起こしてしまうんですね。
日本人は、総カロリー摂取量の約3割程度を超加工品が占めるとのことでした。おそらく将来的にはもっと割合は増えていくと思われます。
我々ができることは、食品の裏に書いてある商品表示表を見て、添加物が含まれているものを見かけたら、なるべく避けるようにするしかないです。
「全ての病気は腸からは始まる」
これは古代ギリシャの医師であるヒポクラテスの言葉です。
皆さんも超加工品を取りすぎないようにして腸を労ってあげましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。