おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は、胃酸分泌抑制薬の話です。

胃酸を抑える薬を飲んでる方って結構多いですよね。市販薬で有名なのはガスター10です。効果がすぐに現れるので好んで使用されてます。
また、処方薬だとPPI系の薬がメジャーですね。最近では、タケキャブというかなり強力でかつ効果発現の早い薬が登場し、医師の皆さんはよく処方されています。
このように、非常に効果が強い胃酸分泌抑制薬ですので、ついつい長期で内服している患者さんが非常に多いのが現状です。
しかしながら長期服用していたら当然副作用が気になってきます。
そこで今回は、栄養の面から見た、胃酸分泌抑制薬の長期服用による副作用を解説したいと思います。
胃酸分泌抑制薬を飲んでいると不足してくる3つの栄養素は以下の通りです。
①マグネシウムが不足してくる!
これは、栄養障害の中では最も有名でかつ重要な副作用です。
薬により胃酸が抑えられ、胃腸内のpHが上昇します。これによりマグネシウムの吸収障害を起こってしまうんです。
マグネシウムが足りないと、筋肉が痙攣してきます。突然まぶたがピクついたり、夜中に足がつった経験はありませんか?それはマグネシウムが足りてないサインの可能性が高いです。
②鉄が不足してくる!
これも有名な栄養障害です。胃酸により鉄がイオン化され、それから吸収されていくのですが、胃酸が抑えられていると鉄のイオン化が不十分となり、吸収されにくくなります。
鉄が足りなくなると、鉄欠乏性貧血の原因になりましたよね。この場合は、MCVが低下します。
③ビタミンB12が不足してくる!
これも重要な栄養障害です。ビタミンB12は食事に含まれるたんぱく質と強く結合しているのですが、この結合をほどいてくれるのが胃酸です。胃酸が低下していると、ビタミンB12はたんぱく質と強く結合したままですので、吸収されないんです。
ビタミンB12が足りなくなると、これも貧血の原因になりましたよね。この場合はMCVが上昇します。
この3つが有名な栄養障害になります。
ここである疑問が浮かんできます。
よく、胃がキリキリ痛む時にガスターやタケキャブを飲む人って多いですよね?
これは正しいのでしょうか?
これは、正しい場合と正しくない場合があります。
例えば、胃のキリキリした痛みの原因が、胃酸が原因によるものであれば効果はあるでしょう。ところが、胃が痙攣したことによる痛みであれば、効果は乏しくなります。
実は、マグネシウムの低下により、胃痙攣も起こしやすくなるんです。
毎日ずっと胃薬飲んでるのに、時々胃がキリキリと痛むことがある方、もしかしたらマグネシウム欠乏が原因かもしれません。胃薬をやめてみることも考えた方が良いかもしれませんね。
また、胃薬を長期服用している方で貧血が治らない方は、鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、あるいはどちらも欠乏している可能性があります。
食べ物やサプリメントで補充してみると良いと思います。
いかがだったでしょうか。
なんとなく漫然と胃薬を飲んでいる方って結構多いです。そんな時は薬をやめてみてもいいかもしれませんね。必ず主治医と相談してみてください。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。